あ
遠くに
山が
見えたので
思わず
その方向へ
顔を向けた
暑さは
少し
引き込んでいて
蝉も
すっかり
消えてしまったが
この
モヤモヤした
水蒸気の塊のような物には
どうにも
敵わない
汗は
じっとり
染むようで
いざ
服をはだけてみると
別に吹き出ているようでもないようだし
それは
心地よいわけではもちろんないが
苦しく思うこともなく
ただただ
一面にあるのだ
風さえ
ゆっくりと
焦らすように
通り過ぎる今
こうやって
寝転んでばかりいる
私は
その虚脱感をまとってしまう
なにがしかの理由を
探し求めるように
目を泳がせる