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▼プロローグ
ここは、基本的に平和な王国、ストロベリー王国。
その王国の王室に、ひざまずく少年の姿があった。
「レン・アルディラート」
「はっ」
少しぼさぼさな茶髪に、金目の少年レンは、王であるリドレスタ・ガズラクス・ストロベリーの呼びかけに答える。
「実はな、先日の巨大台風により、この国全体を覆う結界が弱まってしまったのじゃ」
「結界が…、ということはまさか…っ!?」
レンが血相を変え、王を見つめる。リドレスタはストロベリー色のあご髭を撫でながら頷いた。
「ああ。国の外からモンスターらがうじゃうじゃと押し寄せてきておる。友好関係にある他国と協力してなんとかモンスターを淘汰しておるが、いつまで持つか分からん。……アルディラート家は代々、優れた戦士を世に出してきた。アルディラート家のように王と対等に話せる家系も少ない。レンよ、お前もまだ15とはいえ、立派な戦士じゃ。どうか、国を救ってくれまいか?」
レンはゆっくりを顔を上げ、真剣な顔つきで答えた。
「や、無理っす、マジで」