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しかし両親の早逝は、若きヘレナの心に深い刻印を残した。ときに彼女は沈思するようになった。それでも家族に対してはいつも優しく、友人たちは彼女の内に明るく澄んだ魂を見ていた。
エリザヴェータの幸福を目にして、彼女は心から従姉の幸せを喜んだ。親しい者たちが安らぎと喜びを見つけること――それこそが、彼女の最も切実な願いだった。
その視線が三度、彼女の視界の端に現れたとき、少女はふと顔を上げた。そして、引き戻す間もなかった青年のまなざしを捕らえた。
それは偶然ではなかった。まるで定められていたかのようだった。
心臓が早鐘を打つ。これまで見たことのない瞳。青く、深く、五月のツァールスコエ・セローの正午の空のよう。
二人はどちらも目を逸らさなかった。
長い睫毛が影を落とす。高く通った鼻梁、滑らかな線。彫りの深い顔立ち。やや金を帯びた褐色の髪。稀有な気質。アドニスのようでありながら、冷たさはなく、温度を宿している。六フィートを超える長身で、細身。
その瞬間がどれほど続いたのか、誰にも分からない。数秒だったのかもしれない。あるいは、時間そのものが意味を失っていたのかもしれない。
彼は微かに微笑んだ。春のそよ風のように。燭光の中で神性の輝きを放つかのように――少なくとも、その瞬間のヘレナの目にはそう映った。
彼女は抗えずに惹きつけられた。憂いを帯びた眉間には鋭さがなく、ただ心地よい静謐だけがあった。
初対面。しかし、すでに幾度も人づてに名を聞いていた人物。
新郎新婦のために金冠を捧持する役を任された付添人の一人。
セルゲイの親友。故アレクサンドル二世皇帝の名付け子――
ボリス・ニコラエヴィチ・ユスポフ公。
その後の舞踏会で、ヘレナは彼と言葉を交わす機会を得られなかった。彼は朝霧のように彼女の視界から消え、人波に呑まれていった。
再会は、遥かイングランド、楓の葉が覆う九月のことである。
――
一八八四年九月五日
狩猟期。
その日、ヘレナはいつものように湖のほとりへ向かった。なぜかは自分でも分からない。ただの習慣だった。
湖面に映る自分の顔を見つめ、彼女は眉を上げ、口元を歪める。
ロシアの親族と比べればやや長い鼻。些細なことにいつも悩む眉。父ジョージ・オーガスト・アルバートの特徴がそこにあった。
その忌まわしい倒影を石で砕こうとしたとき、背後で落葉を踏む音がした。
「ヘレナ王女。」
二か月前、彼女を夜ごと眠れなくさせた青い瞳が、黄金色の夕照を湛えていた。
以前は青に見えたその瞳は、今はどこか灰色を帯びている。
ヘレナは一瞬、言葉を失う。視線を伏せ、さも無関心を装う。
だが風がいたずらに吹き、ボリスの帽子の下の整えられた鬢髪を乱す。
「覚えていらっしゃいますか。二か月前、エリザヴェータ公女の結婚式で。」
返答を待たず、彼は続けた。
ヘレナは決して忘れていなかった。むしろ、いつも彼のことを思っていた。彼女は手を握りしめ、彼のもとへ歩み寄る。
「もちろんです。あなたのことは、決して忘れません。」
彼女の言葉に、ボリスは眩しいほどの笑みを浮かべた。
「本当ですか?」
その問いは、十六歳の少女には致命的だった。
彼女ははにかみながら微笑む。
松葉が夕暮れにささやく。
「ボリス!」
呼び声が空気を裂く。ボリスはわずかに身をこわばらせる。
枫の木の陰から現れたのはアルバート。帽子の影の下で青い瞳が光る。
「皆が待っている。」
マールバラ公爵の弟である。
彼はヘレナに一礼した。
「殿下、突然の無礼をお許しください。」
「いいえ、むしろ私が邪魔をしたのかもしれません。」
ヘレナはボリスを見て微笑む。
「またお会いしましょう。狩猟の女神の祝福がありますように。」
日が沈んだ後、ボリスは思いがけず再びヘレナを見つけた。
芝生に横たわり、目を閉じている。
「ヘレナ?」
彼は低く、慎重に呼ぶ。
彼女は目を開き、彼を見上げる。
「ボリス! 驚きましたわ。あなたが来るとは思っていなかった。」
最後の陽光が彼を包む。温かく、穏やか。
「私も意外でした。まだここにいらっしゃるとは。」
彼は彼女の隣に腰を下ろす。
「美しい場所ですね。」
「あなたたちユスポフ家の子供は、皆同じ型から作られたみたい。最初は堅物だと思いましたわ。」
「どこからその印象が?」
「たぶん……あなた方の過去があまりに荘重だから?」
彼は笑う。
「もしそうなら、私は法典を抱えているはずですね。」
「それなら私は逃げますわ。」
彼は草の上に仰向けに倒れた。
「私と話していて……退屈ですか?」
「空をご覧なさい。半日も私たちを見ていて、雨を降らせないのだから。」
沈黙のあと、彼は言う。
「婚礼の三日後、あなたに手紙を書きました。」
理性を情熱が占めていた。彼は何度も書き、破り、また書いた。水晶のシャンデリアの下を行き来し、絨毯に跡がつくほど歩き回った。
だが結局、その未熟な言葉は灰に帰した。
今では、届かなかったことをむしろ幸運に思う。
並んで歩く帰り道。
「本当の友とは……ウォッカとキャビアのようなものだ。別々でも完全で、出会えば饗宴になる。」
「でも、その組み合わせは少し重たいかもしれませんわ。」
彼は照れたように微笑む。
教会の鐘が鳴る。
彼女は落ちた花弁を拾い、彼の掌に置いた。
「次に会うときは、きっと素敵なものになりますように。」
異郷の夜。
ボリスは花弁を胸ポケットに忍ばせる。
そこには、かつて存在し、今はもうない黄ばんだ手紙の記憶がある。
「尊敬するヘレナ王女。あなたが私を覚えていてくださるかは分かりません。ただ一つ確かなのは、キューピッドの黄金の矢が、いまも私の心を射抜いているということです……」




