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とその続編の冒頭
私はいなくとも、それを眺める私であったから、情景としての彼女とベッド。或いはただ一つ、何者かの寝相は主人公としての何者かを不要としていた。
しかしここにおいて幽霊であるところの私は、ここにおいて初めて少女を見ることに成功したのである。一方的に初対面であるところの私の無防備な触手が、そうした純粋な興味に触れつつあるこの今に、ドアは開いた。ドアが有ることを今知った。
「こんにちは。初めまして。部長です。話は知っていました。話は聞いていません。」
無関心なその男は、主題を持たないままに無関心を続け、再び楽音が続いた。
「ちなみにあなたが見ているらしいところのものを私は知りませんので、どうかゆっくりと話しましょう。」