表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
灰色の記憶と紅い秘密  作者: 天音タク
1/11

プロローグ

『次の事件です。今年の九月一日、佐賀県内にある佐賀県立楠ヶ城(くすがじょう)中学校・高等学校が、何者かに爆破されました。この事件では、爆発と炎、そして煙により生徒約三百人と教員約二十人が死亡し、生徒約五百人と教員約十人が重症となりました。この犠牲者の数は、日本人が起こした犯罪の中で最も多い大量殺人事件とされています。この事件に関与したとされる、事件発生後行方不明となった当時高校三年生の冨坂武和(とみさかたけかず)容疑者は、未だに見つかっておりません』


『解体が進んでおらず、見るも無惨な姿をしているこちらの学校。かつては県内有数の進学校として人気を集めていました』


『当時の状況を知る人に話を聞いてみました』


-付近に住んでいた女性(六十代)-『昼過ぎだったかな、突然ね、私が料理しとる時にね、がばいおっきか音が"どっかーん"ってなってね、何事かと思って外に出てみたら、学校が燃えとったんですよ。子供たちも何人もそこにおったとでしょ、可哀想に』


-卒業生(二十代)-『信じられないですよ。まさか、うちの母校がこんなことになるなんて。怒りと悲しみが止まりません。犯人には、自分のやってしまったことをしっかりと自覚してもらって、罪を償ってほしいですね』


-事件発生当時、出席していなかった生徒(現在中学三年生)-『その日は始業式の次の日だったんですよ。あの時、私は夏風邪で家で休んでたんですけど、爆発音を聞いて学校が燃えているのを見た時は、本当に今の状況を信じることが出来ませんでした。なんで私は生き残ってしまったのだろうって思ったりもしました。こんなことをした犯人が憎いです、許せないです』


-元教員の男性(七十代)-『もう二度と、こんなことは起きてほしくないです。ただ、それだけです』


『現在も捜査関係者は、犯人の身元を追っています』


 番組は広告に入った。それを見ていた一人の少女が口を開いた。


「すごい、あなたは本当に学校を……」

「学校を破壊したのは君も同じでしょ。それにしても、はぁ、まさかあれから一年以上も経つとはな……それに、俺がまだ捕まってないとは……」

「ある意味奇跡ですね、"武和"せんぱいっ」

「んん、君も奇跡だと思うよ、"悠華"ちゃん」


 広告が終わり、番組再開の音楽が流れる。


「ほら、今から君の事件だ」


『最後は都内の霧黎(むくろ)商業学院高等学校で起きた事件です。今年の一月九日に起きたこの事件では、炎と煙により生徒約五百人と教員約二十人が死亡、生徒約百人と教員約十人が重症となりました。この事件は、とある女子生徒の脅迫文から始まりました』


『近いうちにこの学校を燃やしてやる。イタズラなんかじゃない。嘘だと思うなら、この手紙は捨ててもらっても構わない。だけど、私は"本気"だから』


『"稲崎悠華"』


『宛名に書かれた"稲崎悠華"という人物ですが、学校では大人しく、これまで問題を起こしたことは無かったそうです。彼女がこの行動に至った訳は、未だに分かっていません。そして彼女は、未だに見つかっていません。』


-稲崎悠華さんの母親-『家では大人しくしてました。私たちの言うことに反抗もせず、何も言わずに従っていました。なんであの子がこんなことをしたのか、全く分かりません……』


『母親は泣き崩れながらそう言った』


『当時現場からはガソリンが検出されました。捜査関係者によると、悠華さんはこれに火をつけ犯行に及んだとみて、現在も捜査を続けています。』


『さて、今年に起きた事件を特集したこの番組はいかがてしたか? 特に最後の二つの事件は心が痛いですね。どうか来年、二〇二四年は、このような悲惨な事件は起きてほしくないです。それでは、さようなら』


 武和はアプリを閉じて、悠華にとある提案をした。



「年が開ける前にもっとお互いの仲を深めようって? んー、なんか、えっちですね……」

「そ、そんなつもりで言ったんじゃない、純粋な意味でだよ」

「あっはは、ちょっとからかっただけですよー。分かりました。同じような犯罪行為で逃げてる者同士ですし、もう出会って三ヶ月くらい経ちましたし、もっと仲を深め合いましょうー。というわけで、まずは先輩からどぞー」

「俺からかよ」

「提案した人から話すのが礼儀っていうもんですよー。私も先輩のエピソードを聞きたいです!」

「分かった分かった、話すよ」


 少年と少女は汚れたソファーに座り、血にまみれたお互いのエピソードを語り合った。


「俺はな……」

急に思い立って書いてみたくなったので書いてみました。続くかどうか分かりませんが、、

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ