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36 爺ちゃんのダンジョン

よろしくお願いします

 僕は今、とあるD級ダンジョンで訓練をしていた。

 詳細な説明を省くけどわかりやすく説明すると、うちの爺ちゃんが住んでいる家の山にダンジョンができました。


 そうなのである。一ヶ月前、父方の実家に住んでいるうちの爺ちゃんが畑を山菜採りに行くと、大きな穴ができており、それがダンジョンだと判明したのだ。といっても一階層のみでダンジョンコアはあるものの、モンスターは生息していないことが判明する。本来、ダンジョンは日本ダンジョン協会が管理するものだが、ダンジョンといってもダンジョンコアと学校の校庭程の広場があるだけで無害だとのことが証明され、そのまま爺ちゃんの所有物となったのだった。


 こういう例は幾つもあり、特に問題がなければ地主が管理することになるのだ。ただし、ダンジョンになんらかの異常があった際に報告の義務があるため、週一の見回りが必要になるが。もちろん国からの補助金も出る。


問題もあり、山を売ることになった場合、ダンジョンも売ることになるのだから、国への手続きが必要だし、なにかあるかもしれないダンジョンのある山を購入しようという輩は少ないため、買い手がつかないのだ。


 爺ちゃんの家は、電車で二時間程掛かり、電車の数も少ないため、乗り遅れると一時間待つことになる。それからバスで30分乗った先に爺ちゃんの乙橘家の実家がある。おばあちゃんが三年前に亡くなり、今は爺ちゃんが一人で家と山を見ている状態だ。

 自分は爺ちゃんの家に本当に小さい頃に行った記憶しかなく、爺ちゃんの顔も憶えていなかったわけだが、ダンジョンが出来てそれが爺ちゃん管理だと知ると、よく通うようになった。爺ちゃんの方も孫が来てくれて、ダンジョンを見てくれるので嬉しいとのことだが、ダンジョンがなければ来ることはほとんどなかったと考えると、最低な孫でごめんなさいと申し訳なくなる。


 そういうわけで、僕はこの場を訓練場にすることにした。やはり身内が管理しているダンジョンほど安全な場所はないと思う。特に僕のようなダンジョンであれこれしている冒険者にとっては。


「爺ちゃん、おはよう」


「おお勇大よく来たな。今日もダンジョンか?」


「うん」


「ダンジョン行く前にお茶でも飲まんか」


「わかった」


 僕がそう応えると、爺ちゃんは嬉しそうに家に入る。ダンジョンに籠もってばかりで心配されるのも困るので、常日頃のコミュニケーションは大事である。なにしろ、爺ちゃんはダンジョンの管理人なのだから。


 僕は縁側で爺ちゃんが出した茶を飲みつつ会話する。といっても、畑の収穫とか知り合いの息子さんが結婚したとか、そういう日常の話しを聞くだけだが。


「ダンジョンとやらができてから世界が大きく変わったのう。儂が若い頃はエネルギーと言えば原発やら石油が主じゃったが、世界中にダンジョンが出来て大混乱になって、外国に依存していた日本は自分達でなんとかしなくてはならんようになった」


「爺ちゃん、若い頃は公務員だったんだよね」


「そうじゃよ。下っ端じゃったがな。母さんと結婚して、お前の父さんができて、まあまあの生活をしていたわけじゃったが、エネルギー問題はいつも話題になっておったわ」


 ダンジョンが出来て、世界各国がこぞって自分達の国のダンジョンを探索した。そして魔石や魔法石等、新しいエネルギーシステムを発見構築した。どの国も自分達が他の国の優位に立とうと躍起になったのである。しかし、それは崩壊の序曲にも繋がっていた。

 ダンジョン内の凶悪なモンスターに手を焼いたとある国では、ダンジョンにガス等の化学兵器や核を使用したのである。もちろん魔力で護られているダンジョンには、なんの効果がなかったが、それはダンジョンに住むドラゴンを怒らせてしまうことになった。


 後は歴史が記す通りである。


 その国は滅び、今もダンジョンの呪いに掛かり地獄と化している。

 日本はというと、国民性もありダンジョン内部の異世界に対して寛容だった。むしろ、冒険者としてダンジョンをクリアする事に対して情熱を向けており、大量虐殺兵器を使うなどもってのほかで、ドラゴンに対しても恐怖の対象ではあったが、レベルを上げて倒すことにロマンを求めたのである。


 夢やロマンを求めると、国のエネルギー問題よりも自分達の冒険者としての理想を求めるようになり、今回の場合その理想が冒険者としてダンジョンに駆り出され、結果的にアイテムを獲得し、日本のエネルギー問題を解消していっているのだった。


「ダンジョンにのめり込むのはいいが、命は大事にするんじゃぞ」


「わかってる」


「確かにダンジョンによってエネルギー問題は少し解決したが、ダンジョンが危険な所には変わりはないんじゃからな」


「そうだね」


 爺ちゃんとしばらく話した僕は、ダンジョンに入る。ダンジョンの中はだだっ広い空間が広がっていた。モンスターもなく、あるのは拳大程度のダンジョンコアのみである。

 ここにあるダンジョンコアは一見蒼い宝石に見える。宙に浮き光を放ち魔力を放出することで、ダンジョンを維持している状態だ。このままだといずれダンジョンコアは魔力を失いダンジョンも消えてしまう。


ここに初めて足を踏み入れた時、僕はハイエルフのパフェと一緒にダンジョンの維持することに務めた。パフェになんとか過去の記憶から魔方陣と詠唱を思い出してもらい、ダンジョンコアの維持魔法を掛けてもらう。そして探索だ。もちろん日本ダンジョン協会や国が念入りに調査しておりなにもないはずだが、僕は『ダンジョン超裏技大辞典』にあるダンジョンの調べ方①~㊿を駆使して念入りに調べ、隠しダンジョンを見つけることができた。ほとんどのこういうなにもないダンジョンは、ほんとになにもなかったりするのだが、まさか実家で見つかるのは運がよかったといえる。

 そして僕達はここである発見をすることになる。


次回投稿は4月6日23時頃です

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