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26 学校生活

よろしくお願いします

 僕こと、乙橘勇大は、冬休みを使って補修を受けている。

 理由は進級するための出席日数不足を補うものである。ほとんど学校を休んでC級ダンジョンクリアに精を出した結果、出席が足らなくなってしまったのだ。他にもリリカのマスターとしてリリカの仕事はずっと付き添わないといけないし、他の面々の魔力や剣の修行に付き合った結果でもある。


 学校では、自分が冒険者だと伝えてあるし、僕以外にも冒険者でダンジョンに潜っている学生もいるから、今回の補修は学校側の措置である。

 中間テストも期末テストも赤点ギリギリをキープしているし、この補修をクリアすることができれば、晴れて高校二年生になることができる。


 そういえば、ほとんどダンジョン生活で学校も久し振りで家にもろくすっぽ帰っていない。学校行った時のみ家に帰るぐらいだ。一応仕送りしているし、久し振りに両親と弟の顔を見てもいいかもしれない。どうもあのイジメ事件以来、気を使われている気がする。

 休み時間、僕は気分転換に教室を出て歩き回ると、稲実アスカ先輩と偶然会う。


「あれ~?」


「久し振りです。先輩」


「もう、先輩はいいって~、アスカでいいよ、アスカで」


「いやいや、他の生徒が聞いたら勘違いするでしょ」


「それもそうだね~」


「先輩も補修ですか」


「そうそう~、このところ仕事増えてきて、学校行く時間減っちゃったからね~。お仕事が軌道に乗ったとは思わないけど、もっとがんばらなきゃね~」


「応援してますよ」


「ありがと~」


 稲実アスカ先輩も同じギルドに参加しているが、彼女はダンジョンの広報活動が多い。

 ダンジョンが民間も立ち入ることができるようになり、幾つものギルドが立ち上げられ、一般人の冒険者が生まれた。最初の頃は、死傷者が多数出るダンジョン攻略に危険ということで反対運動も多く行われていたが、全ての病を治癒する薬や若返る薬をダンジョンで見つけると状況が変わっていった。難病で寝たきりの子供が次の日には走り回り、老いで引退したスポーツマンが来シーズンにMVPに返り咲く。この奇跡とも言える出来事は新聞やネットニュース、テレビがこぞって放送する。


 もしかしたら不老不死等の夢の薬があるかもしれないという貪欲な夢が生まれていったのである。反対運動の活動家の裏には資金を援助し、国や政権を批判するために煽る権力者がいるわけだが、それまで国の独占ではなくなりダンジョンが国民にも開かれたことで、奇跡のアイテムを自分達富裕層が手に入れるかもしれないという俗物的な願いに変わり、活動家への資金提供はあっさり途絶え、反対運動は急速に消えていった。今もあるにはあるが、小さな団体と化している。


 BWダンジョンの一階層、二階層が一般人でも入場できるようになり、広大なテーマパークと化している。リリカの登場でさらにダンジョンの人気が上がり、冒険者にならなくても商売で一稼ぎしようとする連中が増えているのが現状だ。


 ギルドも冒険者は野蛮な盗掘家の集まりというレッテルを打破しようとする動きもあり、お洒落なダンジョングッズや冒険者ルック等、女性受けの良い物を作っている。稲実先輩もギルドの広報モデルとしてバラエティやクイズ番組、ドラマの女優出演もしているのだという。今やダンジョン広告関係で稲実先輩を見ない日はなくなった。


 僕が稲実先輩と別れると、一人の男子学生が近づいてきた。


「お前、稲実とどういう関係なんだ?」


 身長が高く見てわかる細マッチョ体型な金髪イケメンだ。制服のネクタイからみて稲実先輩と同じ二年生だろう。


「同じギルドに所属してるだけですけど」


「じゃ、なに?お前も冒険者?」


「はあ」

「俺も別のギルドだけど、冒険者してんだよね」


「そうなんですね」


「お前みたいな奴はF級ダンジョン冒険者だろ。俺は今、仲間と一緒にD級ダンジョン十階層クリア目指してんだよな。知ってるか、冒険者パーティ『Gエッジ』?」


 そう言って、スマホから画像を見せる。そこに写っているのは、ここのいる先輩を含む五名のイケメン集団だ。それぞれ華美な甲冑を着て剣や弓を構えている。


「いえ、すみません。知らないです」


「まあ、下っ端冒険者は知らなくて当然か。『Gエッジ』シグゾーで配信もやってるから、登録しろよな」


「はあ」


「それで、まあ同じダンジョンで活躍してるから、稲実とはよく話すわけよ。中にはお前みたいに同じギルドだからって勘違いする奴もいるからな。あいつは今忙しいんだ、わかる?変な虫が集る暇がないくらいにな」


 あれ?いま凄いブーメランが起きた気がする。


「あいつといずれ俺等の番組に出てもらう予定だからな。お前みたいなのが近寄っていい存在じゃないわけ」


「はあ」


「それだけ言いたかっただけだから、今後不埒な理由で稲実に近づくんじゃねえぞ」

 そう言ってシグゾー先輩は離れていった。


 ・・・・・・まあ、稲実先輩も大変だな。


3月末ということで少し忙しくなり投稿が遅れます

次回投稿は3月27日23時頃投稿します

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