14 ハイエルフvsダークエルフ
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14 ハイエルフvsダークエルフ
ハイエルフのパフェは、親と喧嘩をし、家を出て旅人になった。
いつまでも一族の栄光にしがみつく親族に嫌気が差したのだ。
彼女は旅をしている内に仲間ができ、冒険者になった。
エルフ族は排他的な集団だった。パフェが幼い頃、王国であった頃は人間との交流もあったが、人間同士の争いに巻き込まれて嫌気が差し、人間族から離れていった経緯がある。そのため、パフェが見る人間が住む世界は清濁併せ持つ異質で知識の宝庫だった。
彼女は仲間からいろいろなことを教わり、友情も芽生え、裏切りにもあった。良い事もつらい事もあった。最終的にパフェは一人で旅するようになり、最初の一人旅に戻ったともいえる。
その旅の最中、ダンジョンを見つけて中に入ってみると、この世界のダンジョンに来てしまっていた。どうやらダンジョンごと転移してしまったらしい。どうしようか戸惑っているうちに、何者かに襲われた。それがダークエルフのカフェである。カフェもまたこのダンジョンを見つけて探っているうちにこの世界に来てしまっていた。エルフとダークエルフは犬猿の仲だ。種族同士で殺し合っている。一族の異端とされていたカフェもまたエルフが好きではなかった。何度も戦っているうちに、両者満身創痍となり、力尽きて倒れてしまった。そんな時である、乙橘勇大に出会ったのは。乙橘はすぐに彼女たちにヒーリング魔法と低級ポーションを飲まして回復させた。すると、二人ともまた戦おうとしたので、ある提案をしたのだった。
「まず、二人で綱引きをしまして」
「綱引き?」
「ええ、綱引きよ。これはあたしの勝ちでしたけど」
「あれはうちの腕が治癒していなかったから負けたんだ。次のジャンケンはうちが勝ったけどな!」
にししと笑うカフェ。
「あれはあたしがルールを今ひとつ理解していなかったからよ!次のダルマさんが転んだは勝ちました」
ふんっと胸を張るパフェ。
「あんなんじっとしてられるか!だけど、次のあっちむいてほいはうちの勝ちだった。その次のかくれんぼもうちの勝ちで二連勝したけどな」
「その後はあたしが三連勝しました」
ぐぬぬと睨み合う二人。その低次元なやりとりに唖然とする大臣と会長。とても稀少種の二人の争いとは思えなかった。
やれやれといった感じで乙橘は前に出る。
「とまあ、そんな感じで殺し合い以外の方法を考えていたんですけど、最終的に二人とも気に入ったのはこれです」
乙橘は拳を前に出して構えた。それがキックボクシングだった。
そして今、津上正愛の目の前で、エルフとダークエルフがキックボクシングを始めていた。3分6ラウンド勝負、結果はハイエルフの勝利だった。凶暴性なら明らかにダークエルフのカフェだ、しかし、ハイエルフのパフェは相当練習を積んだのだろう。カフェの真っ向からの攻撃にカウンターを合わせ、軽快なステップで翻弄し、2ラウンド目でカフェのボディにフックが入り、悶絶しTKOとなった。
その後も月一で試合が組まれた。次第にエルフとダークエルフの試合ということで、観客が増えていって、半年後にはダンジョン闘技場にて試合が組まれるまでになった。その観客の数は五万人!地上のテレビ局やネット番組が食いついた結果である。他にも冒険者同士の試合が組まれ、彼女たち二人の試合はメインイベントとして組まれることとなるのだった。
そうこうしている内に格闘経験のある冒険者が続々とギルドに入会し、芸能関係だけでなく、腕っ節に自慢のある冒険者も集まってきた。
津上正愛は狐につままれた気分になった。モンスターシンガーのリリカの世界進出の他にもダンジョンで格闘技の試合を行い、荒稼ぎすることになるとは誰が思っただろうか。
ちなみにそのリリカは彼女達の試合前にリングの上で歌い上げて観客を盛り上げ、稲実アスカがラウンドガールを務めることにもなったりもした。
次回投稿は3月12日13時頃です




