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1 ダンジョンの底でみつけたモノ

第一話と第二話を改訂いたしました。

二話以降も時間があるときに直していこうと思います。

主人公の年齢も変更しました。

高校生×

中学生○

になっております。他にもいろいろ手直しいたしました。

飛来する矢が僕、乙橘勇大の肩をかする。


「ぐぁ」


 痛みと恐怖で僕は、足を滑らして崖に落ちた。


 落ちている間、どうしてこうなってしまったのか、走馬灯のように頭の中で駆け巡った。

 きっかけはクラスメイトに誘われたことだった。


 僕は学校でイジメを受けていた。


その理由の一つが、僕の趣味がダンジョン探索だろう。


 三十年前、突如世界各地でダンジョンが誕生した。そしてダンジョンの中にはゲームでしか存在しない化け物が蠢いていた。


 日本も他の国々と同様に自衛隊を派遣してダンジョン探索を行った。途中まではうまくいっていたようだったが、下層に存在するモンスターには現代兵器は通じなかった。全滅かと思われたが、ある自衛隊員がこっそりダンジョンで拾ったナイフの魔剣が自衛隊を救い、ダンジョン攻略の戦術は一変することとなった。


 ダンジョンモンスターには現代兵器は無意味であり、ダンジョンで拾った武具や防具の方が有効であると実証されたのである。


 それから十数年後、自衛隊以外にも一般人がダンジョンで探索されることが許可され、それぞれがクランやパーティを組んで、ダンジョン攻略に乗り出すことになる。


 そんな中、僕は冒険者によって魔石や魔宝石、ドロップアイテムが拾われて、ほとんどモンスターもいない廃墟と化した小さなダンジョンに入り浸ることが多かった。

目的はダンジョンの探窟である。別に自分は学者でも調査員でもなんでもない。ただの知的好奇心からこの荒らされたダンジョンの中を調べている。そのことが偶然クラスメイトに露見して、変人として奇異の目で見られるようになったわけだ。


 その日以降、僕は無視されたり、上履きを隠されたりと軽いイジメを受けていた。それぐらいならいいけど、廊下を歩いているといきなり蹴られたり、金を貸してくれと言われて貸しても返してくれなかったりと、少しずつだけどイジメが酷くなり、先生に相談しても「お前の方にも問題があるんじゃないか」と言われて取り合ってくれなかった。


 中学も卒業間近というときになって、イジメがピタリと止んだ。最初は気まぐれかと思ったが、皆、声を掛けてくれるようになり、僕のイジメが終わったと喜んだ。


クラスメイトの尾口、愛賀、上家にダンジョン探索に誘われたのだ。


場所は電車で二駅ほど離れたD級ダンジョン。


このダンジョンは、ついこの間ダンジョン内で崩落事故があり、二階層から下は立ち入り禁止区域に指定された場所だ。


 本来、ダンジョンは、冒険者でなければ入ることができない。冒険者になるには、義務教育を卒業した年齢でないと認められなかった。ただ、モンスターもおらず、ダンジョンとしての機能を失っている廃ダンジョンは入ることができたため、僕はそこに入っていたわけだけど。


 崩落したダンジョンとはいえ、ダンジョンの機能を失っていないはずだ。


 本来、中学生の僕が入ることが許されない場所である。


だけど、愛賀は、大手ダンジョンギルドにコネがあるとのことで、ダンジョンに入れる抜け道があると言って誘ってくれたのだ。


 本来、ダンジョンの一階層と二階層はネットに繋がることがある。

三階層からはネットが繋がらない。もし、監視カメラがネットに繋がっていれば、僕達の動向がばれると思ったけど、愛賀曰く、崩落の影響か一階層も二階層もネットに繋がらない状況にあるという。


クラスメイトにダンジョン探索に誘われるなんて初めてだったし、正直嬉しかった。初めて友達というものができたと思い胸が躍った。


 とはいえ、一部崩落したとはいえ、ダンジョンは危険だ。なにがあるのかわからない。


 僕は今まで貯めてきたお小遣いと、両親に頼んで、ヘルメットや防護服を購入した。


特にヘルメットは新機能が付いている優れものだ。その後、僕は崩落ダンジョンについて情報を集めた。


僕は意気揚々と友人達と一緒にダンジョン探索をすることになった。


 愛賀の言う通り、正面入り口ではなく、少し離れた場所に子供なら入ることができる抜け穴があった。


 内心わくわくしながら、友達達とダンジョンへ入る。まるで冒険者パーティになったような気分だ。


でも、現実は思ったよりもシビアだった。


 彼等三人はダンジョン三階層の立ち入り禁止区域でいきなり狩りと称して襲いかかってきたのだ。どうやら、ここでクラスの腫れ物扱いだった自分を追い回すつもりのようだ。


 僕は必死で逃げた。


彼等の親は自分と違って裕福な家庭のようで、ダンジョンマーケットで購入したと思われる剣に盾、防具と完全武装、対して僕はホームセンターで購入した防護服で、立ち向かったとしても返り討ちになるだけだった。


 そして彼等の一人、尾口の放った矢で僕は崖から落ちたのだった。


「ううっ」


 いつまで気を失っていたのだろうか。


「僕は死んだ?死んでない、生きてる?」


 気がついたら、草むらの上で倒れていた。周囲を見渡すと大樹に囲まれており、どうやら僕はこの樹の枝によって助かったようだ。


 ダンジョンは不思議な所だ。洞窟のように岩場だらけかとおもいきや、階層ごとに空もあり草木が生い茂る別世界変わる。僕が落ちた崖はどの階層に繋がっているのだろうか。


「うう、い、痛いいい」


 僕はみしみしと悲鳴を上げる体を起こし、立ち上がる。体中が痛い、打ち身と打撲はしたかもしれないが、骨折や捻挫にはいたっていない・・・と思う。


 不意に涙が出た。痛みの所為ではない。友達に裏切られた哀しみの所為だ。


 ほんと、僕は馬鹿だと思う。


 自分だけが浮かれて、騙されるなんてすぐ考えればわかることなのに、あっさりと騙されてこのざまである。


 彼等は僕を本気で殺そうとしてきた。おそらく、僕をゴブリンと見立てて狩りを行なうつもりだったのだろう。監視カメラからネット中継されていないため、おそらくバレないと思ったのではないだろうか。


 そんなわけないのに。


「ここ、どこ?」


 とりあえず僕は身構えながら辺りを詮索する。


 一応、このダンジョンの情報は頭に入れてあるが、こんな場所があるなんで書いていなかった。


大樹に囲まれたダンジョン、中央に小さな祠がある。生い茂る草花には獣道の跡はなく、オークやゴブリンの足跡もなかった。今まで誰も来たことのない、来たとしても数十か数百年前のことなのかもしれない。


 なにより、どう地上に戻ればいいのかわからなかった。


 冒険者の持つアイテムの中には転移石というものがある。その石を使えば、別の場所に行くことができるらしいけど、高額過ぎて手が出ない代物である。


 ここで待っていても誰かが救助してくれる保証はなかった。


尾口、愛賀、上家の三人は、僕が崖から落ちて死んだと思っているだろう。彼等は間違いなく僕を殺しにきていたし、救助隊を呼んだら自分達の悪事が露見てしまうため、黙って帰った可能性が高い。


僕はヘルメットをさする。壊れた様子はないので、ほっとする。これがあればなんとかなる。


立ち入り禁止区域の崩落した三階層に入ってしまったのはいけないことだが、僕が行方不明になったことで、両親が警察に通報してくれているかもしれない。でも、すぐに救助してくれるわけではないだろう。救助隊が組まれたとしても、エキストラダンジョンに辿り着くまで数日か数週間掛かる恐れがある。食料は僅かしか持ってきていないけど、ここで救助が来るまで待つしかないのだろうか。


もう一つ気になることがある。


この祠だ。


周囲を警戒しながら祠に進む。トラップがあるかもしれないし、祠に進むのも危険かもしれないが、この時の僕は、祠が気になってしかたなかった。


 そして祠だ。調べたい知的好奇心の欲求が支配する。


 祠には扉がある。魔法か鍵が掛かっているかと思ったが、扉はすんなり開いた。


 そこに一冊の大きな本があった。


 表紙に異国の文字が書いてあり、普通なら読むことができないはずなのに、すんなりと読むことができた。


 この本に宿る魔法かなにかだろうか、読んだ文字が日本語へと変換していく。


『ダンジョン超裏技大辞典』


 帯には『これを読めばダンジョンの全てを網羅することができる!』と。


 僕はペラペラと読み、確信した。ここにはダンジョンの裏技が書かれているのだ、と。


 気がつけば僕はずっとこの本を読みまくっていたのだった。


お読みいただきありがとうございます。

これからも応援よろしくお願いします。

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