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水の巨人と、突然の求婚~勿論拒否しました~

ルナティックは異常地帯多発地域と呼ばれる場所に行き、水の巨人と対峙する。

ライラの働きで巨人を倒すことができた。

それをギルドに持っていくと──




「今日は何処へ行くんですか?」

「スウェラの湖だ、あそこに異常が発生しているらしい」

 コルヴォがそう言うと、ライラは慌てて荷物の整理をし始めた。

「コルヴォさん! スウェラの湖は異常地帯多発地域で危険区域なんですよ!!」

「知っている、だが君がいるなら大丈夫そうだ」

「うーん、そこまで信頼されるとこちらもやらなければなりませんね」

 ライラはふんすと息をした。

「何があってもいいよう皆さんには心構えをしておいてくださいと伝えてください」

「ああ、分かった」


「なんでスウェラ湖の依頼受けたんだよ、俺等死ぬんじゃね?」

 グレイがグロッキーな表情で言う。

「コルヴォにも考えがあって受けたんでしょう」

「あ、あのさ、雲行きが怪しいっていうか雷なってるんだけど……」

「皆さん、臨戦態勢を取ってください、来ます!!」


 落雷が湖に落ちると、湖の中から巨人が姿を現した。


「「げぇー!!」」

 グレイとグランが悲鳴を上げる。

「ちょっと男共、情けないわよ。ライラちゃん私達はどうすればいい?!」

「雷撃関係の術で時間を取ってください、今『湖の巨人』対策の物を出します!」

「分かったわ、コルヴォ!」

「分かっている」

 ライラの言葉を信じて、コルヴォとレイナが雷撃の魔術と精霊術を放つ。

「あった!」

 ライラは目的の物を見つける、それは白い球体だった。

「えーい!」

 ライラはそれを巨人に投げつけると、それは巨人の体の中に入った。

 すると、じゅわじゅわと巨人の体が熱を発し、蒸発していく。

「今です、炎系の術を!」

「ファイヤーテンペスト!」

「ファイアピクシー!」

 炎の竜巻が巨人を包み込む。


「待避ー!」

 ライラが叫び皆が従う。


 炎が消えると巨人の体はボロボロに崩れ、湖とは逆方向に倒れた。

 つまり、コルヴォ達の方に倒れたのである。

 ライラの先んじた指示で事なきを得たこコルヴォ達は安堵の息をつく。

「俺全然やくたってねぇな」

「僕も……ってライラ、何をしてるの?」

「何をって、解体です。当分出てこないように核を持って行ってギルドに保管して貰うんです」

 素早い手さばきで巨人をバラバラと解体していく様にグレイはぽかんとした。

「グレイ、ぼーっとしてるとアンタのポジション、ライラちゃんに取られるわよ?」

「そいつは不味い! よっしゃこれから特訓だ! と、その前にライラーバラすの手伝おうかー?!」

「お願いしますー!!」

 グレイも混じって巨人をバラしていった。

 バラした巨人の骸はライラの魔法袋の中にしまわれた。


「ライラ、異変は?」

「当分先かと、それも兼ねて報告しましょう!」

「分かった」

 ルナティック一同は、ギルドへと向かっていった。





「まっさか水の巨人出てくるとは……」

 ギルド長グレアはため息をついた。

「ギルド長、これが水の巨人の核です、ギルドで保管してください」

「……実はなライラ、困ったことが起きてるんだよ」

「何がですか?」

「ライラが持ち込んだ物を国が管理したがっているとかですか?」

「コルヴォ、正解だ」

 グレアは息を吐き出し、ルナティックの面々を見る。

「ゴーレム生成器も、水の巨人の核も、使い方によっては兵器だ。戦争に使われる。国王サマはそんなことはしないと言っているが、戦争を従ってる奴がいない訳ではない」

「じゃあ、これどうしましょう? 壊します?」

「いや、壊したら壊したでお前が目をつけられるぞ、ライラ」

 グレアの言葉にライラはむぅとする。

「じゃあどうすりゃいいんですかね?」

「それに今悩んでいる」

「だが、ライラがいつまでも持っている訳にもいかない」

「そうだな……ライラ、ちょっとしまえ」

「ん? はい」

 ライラは水の巨人の核をしまった。

「どーも! 『暁の剣』の方々!」

「おう、何だ。国王陛下のお使いさんよぉ」

 眼鏡をかけた男が入ってきた。

「水の巨人を倒したそうですねぇ? 核は何処にあります?」

「悪いが核も、生成器もわたせねぇよ」

「ちょっと実験するだけですから!」

「そのちょっと実験が大事になるんだよ」

 グレアは飄々とした男に吐き捨てるように言った。


「へぇ、貴方方が水の巨人──」


 男の動きが止まる。

 そしてライラに近づき、手を握った。


「結婚してください!!」

「え?」

「はぁ?!」

「……」

「ちょ?!」

「なん?!」

「ええ!!」

 男はライラに求婚してきた。

「お断りします」

 しかしライラは一瞬あっけにとられたがすぐさま拒否して、手をはたいた。

「私はルナティックの案内人です、その仕事に誇りをもってますので」

「貴方が案内人……?! 素晴らしい、やはり運命です!! 私と結婚──」

「ライラと結婚したきゃ、顔は最低、コルヴォくらいの奴じゃねぇと認めねぇぞ」

「な?!」

「ギルド長!!」

 グレアの言葉にライラは焦った。

「なんなんですか、貴方は彼女のなんなのですか?」

 不機嫌そうな声で男が言うとグレアは言った。

「親代わりの叔父だ」

「な……?!」

「という訳でさっさと帰れレザス」

 グレアがそう言うと、男──レザスは眼鏡を光らせ言った。

「分かりました、いったん戻りましょう」

 レザスは背を向ける。

「生成器も、核も、ライラさんもいただいていきますよ、必ず」

「生成器と核はやっても、ライラはやらん、帰れ!」

 レザスが帰ると、ライラは困ったように笑った。

「どうしましょう?」

「コルヴォ、ライラの護衛を頼む」

「護衛? グレイとグランではダメなのか?」

「彼奴は腐っても王宮魔術師で、ストーカー野郎だ、お前とライラが一緒に居続ければ勘違いしてくれるだろう」

「なるほど俺を生け贄にすると」

「叔父さん!」

「俺は、あんな奴にライラをくれてやる気はない」

 グレアはきっぱりと言った。

「取りあえず、核は渡してくれ、保管しておく」

「はい!」

 ライラは核をグレアに渡す。

「次も頼むぞ」

「はい!」

「了解」

「勿論」

「まっかせとけ」

「はい!」

 ルナティック一同はギルド長の部屋を出て行った──







ライラに一目惚れする男性が現れましたが、ライラは気乗りしない様子。

当然ですね。

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