反省せぬ者達と見抜く長
Eランクに格下げになったサンダーソードのメンバーはライラへ逆恨みの感情を抱く。
一方長であるグレアはそれを予期しており対策を考えていた──
「「「Eランクに格下げ?!?!」」」
アレスから聞いた「サンダーソード」のメンバーは皆こぞって声をあげた。
「冗談じゃ無いわ!!」
「俺もだ!! やってられるか、俺は離脱するぞ!!」
「馬鹿かお前は、サンダーソードのメンバーだった事なんてすぐバレる、どこにもいれてもらえやしないぞ!!」
「じゃあ一から出直し? そんなぁ!」
「くそ、これもそれもライラがいなければ……」
「そうよそうよ!!」
「あの女潰しちまおうぜ!!」
「そうだな、どうせパーティもライラ除けば四人しかいない」
「無能に頼ってるんだ、たいしたことねぇぜ」
アレスと他のメンバーは黒い笑みを浮かべた。
「あ? 『サンダーソード』の連中が妙な動きを見せてるって?」
「はい」
密偵からの言葉にグレアは眉間を抑えてから、厳しい表情を浮かべた。
「連中反省してねぇな?」
「どうします?」
「うちのギルドの事だ、ギルド内で片をつける。が、その後はとっ捕まえる必要があるな」
「恥をさらすことになりますね」
「全くだ」
グレアはため息をついた。
「だが、反省する機会を俺は与えたつもりだ。それを無下にするならしかたない」
グレアがそう言うと密偵は頷いた。
「お前は『サンダーソード』を見張っててくれ。相方には『ルナティック』の方を見てて貰う」
「姪っ子さんの事は大丈夫なんですか?」
「大丈夫だ、ライラなら。彼奴は強いからな、じゃなきゃあのレベルの案内人なんてできねぇぜ」
鼻で笑いつつ、煙草をくわえて火をつけた。
「だが、心配してないわけじゃない。念には念を入れる」
「……」
「証拠集めと見張り、頼んだぞ」
「はい」
密偵が姿を消すと、グレアは煙を吐き出した。
「さて、馬鹿共には鉄槌を喰らわしてやらないとな」
煙草を吸い終え、灰皿で火を消すと、立ち上がり部屋を後にした。
逆恨みでどんな行動にでるのでしょうか?