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田中の土下座

田中は道の真ん中で嘆き苦しんでいた。

田中「くそおおおおお。 どうして、僕にはラッキースケベが起きないんだあああ」

エチ「田中… お城は入れなくて悲しいの?」

田中「う、う、う。 ありがとうエチさん」

エチ「こんな言葉があるよ。 『あきらめたら、そこで試合終了』って、どうしてもお城に入りたいなら… がんばろうよ!」

田中「エチさん… そうだね。 行ってみるよ」


田中は受付で、額から血がにじみ出るほどの勢いで土下座した。

その姿は、その一生懸命な、ひたむきな思いは… はたして、通じた。


受付(本当に好きなんだな… ふぅ… 仕方ない。 まあ、さっきも高校生入ってるし… 入れてあげるか)

受付「…今日だけですよ。 今度からは家とかでしなさいね」

田中「あ、ありがとうございます」

受付「少年… グッドラック」


当然顔は見えない。

しかし、思いは確かに通じていたのだ。


田中「さあ、エチさん。 行きましょう」

エチ「中野さんの近くかな?」

田中「はっ!」

田中(忘れてたっっ)

田中「ええ。 もちろん覚えてますよ?」

エチ「何のことですか?」



ー生徒会室

徳「徳井。 田中とエチ侵入成功だ」

徳井「よし。 ドローンは入り口に待機。 田中盗聴モードに切り替えろ」

徳「分かりました」

徳井「権田は、私についてこい。 徳は私に情報を送ること」

徳「分かった」

権田「分からんが分かった」

徳井「散!!」


ーホテル

田中とエチが並んで、壁に耳を付けている。


エチ「なんか、あんとかうっっとか、苦しそうな声が聞こえるよ」

田中「しっ… 静かに!」

田中(萌え系のあえぎ声… くっ、悔しいけどエロい。 というかさっきからエチさん近すぎるよ)

エチ「あ… 声が収まった」

田中(会長の話だと… すぐには出ないという… つまり、いまのインターバルが、僕のチャンスタイムってことだ)

田中「エチさん… 暑いですね。 シャワーでもどうですか?」

エチ「うん。 入る―。 田中も一緒に入る?」

田中「…」

エチ「冗談だよ? そんなことしたら、田中の命があぶないからね」

田中「今なんと?」

エチ「でも、ちょっとのぞくぐらいなら許してあげるよ?」

田中「い、いや。 そんな…」

エチ「フフフ… 顔あかーい。 じゃあ、お風呂入ってくるねー」


エチはお風呂に入っていった。


田中(…こういうところのお風呂は、覗かなくても透ける仕様になっているんだ。 僕は今日大人の階段を昇るんだ)


徳井(無線)「田中。 様子はどうだ?」

田中「うるせぇ。 今それどころじゃないんだ」

徳井「なんだと。 どういうことだ… もしかして、お前エロいこと考えてるな?」

田中「…こんな場所で考えるなという方が無理でしょ」

徳井「そうか… じゃあ、教えてやる。 ベッドのどこかにゴムがある… ちゃんと避妊はするんだぞ?」

田中「会長…」

徳井「なあに… お前の気持ちは分かっている。 一発決めてみろ」

田中「あ、ありがとうございます」


徳井「なんていうと思ったかあああああ」

部屋に徳井が侵入してきた。

田中「会長おおおお」

徳井「お前に、ラッキースケベはない!」

田中「ちくしょおおおお」

エチ「会長… どうしたの?」


エチは着衣のままお風呂から出てきていた。


会長「よし、このまま勢いで、中野を確保するぞ」

田中「わ… 分かりました」

田中「いつか○す」

会長「普通に言ってるぞ…」


その後、ホテルの前で権田が中野を確保しているところに合流し、事情聴取を行った。

なんでも中野は、情趣的にオフパコを行っていたとのことだ。

今後改めるということで、解決した。



ー生徒会室 田中と徳井が報告書をまとめている。

田中「…雑過ぎませんか? 色々と」

徳井「仕方あるまい。 だって、あまり深堀するとヤバいから… まあ、私としては、お前の弱みを握れたし… 別にいいんだよ」

田中「うっっ」

徳井「お前があそこまで大胆な行動に出るとは思わなったぞ」

田中「それは…」

徳井「まあいい… この情報はいずれ使わせてもらおう。 まさかお前がエチのことを好きだとはな」

田中「え? 好き? 誰が? 誰を?」

徳井「お前がエチを」

田中「ははは… まっさかー。 それはないですよ。 ただヤリたいだけです」

徳井「…」

徳井(この目、ごまかしとかじゃないな… ガチで性欲だけだ…)

徳井「そうか… 分かった。 おまえはまさしく突っ込み役というわけだな」

田中「何を訳の分からないことを…」


徳井は一抹の不安を抱いた。

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