AIは恋の夢を見るか?
今日も生徒会室では会長の徳井、副会長の権田、徳、会計のエチ、書記の田中が作業をしていた。
徳井「ところで、お前たち、AIが意志を持つことについてどう思う?」
田中「まじめな話なら、左耳を貸しますけど… そうでないなら自重してください」
徳井「…vtuberをご存じか?」
田中「ちょっと、電卓使うんで、黙ってていただけますか?」
徳井「…今日の夜、ずっと動画通話をかける」
田中「何ですか、もう。 じゃあ話ぐらいは聞きますよ」
徳井「そのだな。 あれってさ… 要はあれだろ? 声を吹き込んでいるだけだろ?」
田中「え… いきなり多方面にケンカを売る方針ですか?」
徳井「いやいや。 もちろんあれだよ? あれだ… な」
徳「俺に振らんでくれ」
徳井「まあ、基本的にはキャラクターってことだよ。 あれもさ… 純粋な完全なAIではないだろ?」
田中「はあ… そうですね」
徳井「ただ、そう遠くない未来に、完全AI化されたvtuberも浸透するだろうさ…」
田中「そうですね」
徳井「だが、そうすると。 恐ろしいことが起こるんだよ」
田中「…キモい話じゃないですよね」
徳井「ちょっと長くなるが… AIというか、二次元ってさ、つまるところ最後の聖域なわけでさ。 あの、現実のアイドルや声優や中の人って、結局生身の人間だから、セッ○スするんだよね。 でも、完全なAIってそれとは切り離された存在なわけ。 だからこそ、永遠に処○なんだよね。永遠に○女でいられるんだよね。 でもでも、そのAIが自我を持ってさ、恋愛感情を持ってさ、そうするとね… やっちゃうんだよ、○ックスを。 AIが人間よりも賢くなる…いわばシンギュラリティが恐れられているけど… 真に恐ろしいのは、純然たる純粋な存在になりうるAIが… 色を知って… 染まってしまうことなんだよ。 そうすると、どうなるか… 絶対に裏切らない存在が… 裏切るんだよ。 そんなこと耐えられるか? いや耐えられない…
今の声当ての状態なら… 言ってしまえば切り離せるだろ? 外身と中身を… 中身が汚れようとも外身が汚れていなければ… 何とか慰みにはなるだろ… けど、それが…つまるところ二位一体となったAIが… 誰かを好きになってしまった場合… もう無理だろ… 耐えられんよ…誰だって…時よ止まれと叫びたいさ…最も美しい汚れ無き姿を留めおきたいものさ」
田中「予想以上のキモさでした。 ○にますか?」
エチ「…何言ってるか分からなかったけど、ちょっとキッツいなと思いました」
権田「大丈夫、俺は何一つ分からなかった」
徳井「つまりだ… まあ、AIを必要以上に人間に寄せるなってことだ」
田中「そういう話でしたっけ?」
徳井「ところで最近、うちの生徒でそのvtuberをしている者がいるらしい」
田中「さっきまでのキモい導入必要でしたか?」
徳井「まあ、学業に支障がない範囲で… かつ何も問題を起こさなければ… 良かったんだが…」
徳「何か… 問題が起きた、と」
徳井「それを今から言おうとしたんだが… いらん合いの手のせいで気がそがれた」
田中「徳さん… 黙っててください」
徳「え!?」
徳井「問題というのはな… その生徒がオフパコをしているようなんだ」
田中「…ほっときませんか?」
徳井「校長からの指令だ」
田中「一介の高校生に言う内容じゃありませんけど」
徳井「バカだな… 大人たちは手を汚したくないのさ」
エチ「この学校腐ってる」
徳井「子どもの、イタズラ… ってことにしたいのさ」
田中「…仕方ありません。 どうやら、ちゃんとした依頼のようですね」
エチ「会長がヘンタイなこというから、分かりにくかったです」
権田「なあ… セッ○スってなんだ?」
田中「よりにもよって、それ聞きますぅ?」
エチ「男の子のお○んちんを女の子のおまたの間に出し入れすることですよ」
権田「それか! 小学校の頃に授業で聞いたことあるかも。 エチさんは詳しいな」
エチ「私も授業で習いました」
徳井「よし、権田の疑問も解決したことだし、早速ターゲットを尾行するぞ」
徳「それは誰だ?」
徳井「それは今から言うんだよ。 考えれば分かるだろ?」
徳(俺にだけ、きつくない)
徳井「3年生の中野瞳だ。 そこそこ胸が大きくて、声が萌え系だ」
田中「情報にエッジが効きすぎです」
一同は下校する中野の尾行を始めた。
徳はドローンを操作して、中野を追う。
徳井はそのカメラの様子をモニタリングし、田中とエチに指示を送る。
田中とエチは尾行用の服装に着替えた上で、徳井とやり取りをしながら中野を追いかける。
権田は生徒会室で絵本を読んで待機している。
田中(…データでもらった住所と違う方向ですね)
エチ(…なんか街中ですね)
徳井(通話)「マズイな… 建物に入ったぞ」
田中(通話)「了解です。 こっちで追いかけます。 ターゲットは多目的トイレに入った模様…」
しばらくして、着替えた中野が出てきた。
エチ「大人っぽい格好ですね…」
田中「ですね。 でも、これはまずいかもしれないですよ…」
田中の予感は当たった。
中野は男性に挨拶をして、そのまま二人でホテルに消えていった。
徳井(通話)「ホテルに入ったぞ。 追いかけろ。 領収書のあて名は『徳井徳郎』で頼む」
田中(通話)「校長先生じゃないですか。 いいんですか?」
徳井(通話)「かまわん」
田中「じゃ、じゃあ、仕方ないですね」
エチ「お城みたいですね。 カワイイです」
田中「…い…行きますか」
エチ「でも、任務中に休憩してもいいんですか?」
田中の下位天使「何を迷ってるんですか? そもそも高校生が入っていいところじゃないですよ? それに何も知らないエチさんを連れ込んで何をする気ですか? 恥を知れ」
田中の悪魔「下半身の衝動に抗うか? それもよいが… このチャンスをものにできないとは… 情けのない男だ」
田中「天使と悪魔の差がありすぎませんか?」
エチ「どうしたの田中? 追うの? 追わないの?」
田中「…行きましょう。 任務のためです」
エチ「はーい」
受付で、高校生とバレて入れませんでした。
解決編へ続く