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生徒会始動~右頬と左頬~

私立【チャンポル高校】生徒会

生まれも育ちも違うメンバーだが、一つだけ、共通することがあった。


ーそれは


会長  徳井道雄(トクイミチオ)2年生

頭脳明晰、冷静沈着。 

小学生時代に道徳の時間に反骨心から教師を論破。 以来道徳の成績だけはずっと【0】


副会長 権田人志(ゴンダヒトシ)2年生

徳井の幼馴染にして、バカ。

バカゆえに、道徳どころか、全ての成績が悪い。 特に道徳は分からなさ過ぎて【0】


福々会長 徳井ミチル(トクイミチル)2年生

徳井の知り合い。副会長がバカすぎるため、入れられた。

しかし、どこかずれているのは変わらない。 道雄と間違えられたことで道徳【0】


会計  エチ・カスミ(エチカスミ)1年生

徳井によって、引き入れられた少女。

小学校入学と同時に、海外からやってきた。 日本的な道徳の意味がよく分からず【0】


書記  田中仁(タナカヒトシ)1年生

ツッコミ役として、強引に引き入れられた不遇な少年。

道徳を悪用して、児童をいびる教師に反発。 逆恨みで一度だけ道徳【0】


道徳が【0】ということ



しかし、この生徒会以外にも、よく生徒から相談を受けていた。

今日も今日とて、生徒会の門をたたく人が…


今回の相談者…山田花子 2年生

相談内容…恋の悩み


徳井「ふむ。 つまり、幼馴染に告白したいけど、関係性が壊れることが怖くてできない…か。

とりあえず、やっちゃえばいいのでは?」

田中「ちょっとはオブラートに包みましょうよ」

権田「田中!」

田中「はい」

権田「オブラート?」

田中「…権田先輩は、この絵本でも読んでいてください」

権田「『ねないこだれだ』か… これ怖いんだよなぁ」

徳井「というか、私は今学園内にはびこるヤリ○ン退治で忙しいんだが…」

田中「それはお前の個人ミッションだろ」

徳井「大事なことだぞ。 風紀を守るのは我々の役目の一つでもある」

田中「そうかもしれないけど、今は目の前の人に集中しなよ」


山田は呆れた様子で眺めている。


山田「あの… まともな人はいないんですか?」

エチ「おー。 ヤマダガール。 デリケートなプロブレム。 ワタシにグッドアイデアアリマース」

田中「エチさん。 普通に話しましょうよ」

エチ「大丈夫ですか? そうすると、私、特にキャラがないんですけど」

田中「いいです。 実質戦力は2人ですから、エチさんは普通にしてください」

エチ「うぃ。 じゃあ、告白をさせるという作戦はどうでしょう」

山田「告白を… させる」

徳井「それだあああああ」


徳井は権田の襟をつかみ、扉を開き、電動バイクにさっそうと足をかけて廊下を駆ける。


田中「ちょっっっ。 待てよお前ら」

徳「なあ… 実質戦力2人って… 俺は戦力外ってことか?」

田中「…はい。 福々会長の徳井ミチル先輩。 通称『徳』先輩」

徳「説明ありがとう。 そうか、そういう認識か… じゃあ、いいとこ見せないとなああああ」


徳は走って得意たちを追う。


山田「あの… これから、どうなっちゃうんですか?」

田中「えーーーと。 とりあえずエチさん。この場は頼みました」

エチ「オッケー」


田中も後を追う。



ー山田の思い人である佐々木は、徳井たちの手によって音楽室に拉致監禁されていた。


徳井「佐々木よ。 身に覚えはあるかな?」

佐々木「ねーよ。 なんだよお前たち、だれに頼まれたんだ」

徳井「守秘義務があるのでな。 いうわけにはいかない」

権田「そうだ… ところで、お前山田のことどう思う?」

佐々木「山田? 幼馴染の? そうか、あいつの仕業かぁ」

徳井「それは秘密だ」

佐々木「今更無理だろ! セキュリティがばがば過ぎだろ」

徳井「黙れ! ところで、お前は好きな人いるか?」

佐々木「バカなのか? 人を縛っておいて、聞くやつがいるか!」

徳井「いや、NTRものでは割とあるが…」

佐々木「お前の性癖は知らねーよ」


田中が駆けつける。


田中「バカたち。 何してんだよ!」

佐々木「おお、生徒会の良心」

徳井「…権田やれ」

権田「うす」


権田が田中をとらえる。


田中「ちょっっ。 話せって」

権田「オレ… メイレイ キク」

田中「さっきまで、一応日本語話せてたよなぁ」

徳「まあ、田中落ち着けよ」

田中「いやいや、迷惑かけようとしている人間を前に落ち着けるか」

徳「お前は… 徳井がなんの策もなしに音楽室に来たと思うか?」

田中「え… それは、どういう?」

徳井「さあ、佐々木よ。 言え。 さもなくばお前のファーストキスが私になるぞ」

佐々木「……ってか、俺初めてじゃないぞ。 俺、彼女いるし… というか、マネージャーと付き合ってるし…」

田中「え…」


山田「そうだったんだね」

佐々木「や、山田」

山田「マネージャーはないと思ってたんだけど…」

佐々木「何でお前にそんなこと言われなきゃいけないんだよ」

山田「だって、あの子… 二股以上してるって噂だよ」

佐々木「う、嘘だ。 美春がそんなことするわけない… だって、キスしてくれた時… 初めてだって…言ってたんだぞ」

徳井「童貞乙」

佐々木「ぐうっ」

徳井「浜中美春… うむ、私のヤ○マンリストにも載っているな…」

佐々木「し、信じないぞ。 そんなことぉ。 あの子はあの子は処女に決まっている。 俺の初めてはあの子の初めてと交換するんだい」

田中「…だい って」

権田「つまり、どういうことだ? 二股のヤリが強いって話か?」

徳「そういうことだ」

権田「なるほど」


エチ「はいはーい。 会長! 連れてきたよー」

エチが佐々木の彼女(佐々木談)である浜中美春を担いで連れてきた。

エチに当て身をされたせいで、浜中はぐったりしている。


佐々木「み、美春」

浜中「さ、佐々木… って、生徒会? 何でこんなことになってんの?」

佐々木「俺が知りたいよ」

山田「浜中さん。 正直に話して、あなたは佐々木とどういう関係なの?」

浜中「はぁ? あー… あんなあれかぁ」

佐々木「ちょ、ちょっと待て美春」

浜中「うっさいわね。 私は機嫌が悪いのよ。 変なことに巻き込まれて… あれでしょ? ぶすでうざい幼馴染でしょ」

山田「は?」

佐々木「や、山田… こ、これには訳が…」

徳井「痴話げんかはいい。 佐々木、さっさと、山田に告白しろ」

田中「この状況で!?」

徳井「それと、そこの○ッチ。 お前にとって、佐々木は何番目だ?」

浜中「はぁ? 何でそんなこと言わなきゃいけないのよ」

徳井「言えば、一万円やろう」

浜中「8番目」

佐々木「8?」

浜中「いやいや、番号振ってやってるだけ、感謝してよね。 アンタみたいなさえない男、ぶっちゃけ好みじゃないのよ。 ただ、あそこが大きいって聞いてたから、興味本位で声かけてあげただけなのに、調子に乗ってんじゃないわよ。 アンタにはそこのブスがお似合いよ。 このダサ童貞…」


パシィッッと音が鳴り響く。

山田が浜中の右頬を叩いていた。


浜中「ちょっ。 なにすん…ぶふぅっぅ」


エチが左頬を殴る。


エチ「右頬を叩かれたら… 左頬を差し出しなさい… 叩かれた理由すら察することができない愚か者は何度でも殴られる… べし」

田中「ちょ…エチさあああん」


ドドドドドドドド


大きな足音が響く。

音楽室のドアが蹴破られる。

7本の男が群れを成してやってくる。


男1「ひどいよ。 美春… 僕だけって言ってたじゃないか?」

男2「卒業したら同棲しようって、言ってたのは嘘だったのか」

男3「は、初めてだったのに…」

男4~7 省略


田中「どうしてここに」

徳「あいつが音楽室に来た理由… それは、放送設備を利用するためさ… 浜中のビッチっぷりは校内全員が知るところとなったんだ」

徳井「さて、穴兄弟ども… どうする? このまま、この女を許して抱くか… それとも寂しく回れ右するか… 選べ」


エチ「はい… どうぞ」

エチは気絶している浜中をひん剥き、下着姿にする。

田中「あんまりだよ。 エチさん」


男1「俺は… 許す」

男2「俺もだ… そうだ! みんなで住もう」

男3「どうせなら、8Pだ」ガッツポーズ

男4~7 同上


山田「…サイってー」侮蔑の視線

徳井「じゃあ、持っていけ」

男1~7「やった――――」


男たちは浜中を連れて、部屋を出る。


徳井「さて… そこの、束縛プレイマニア… お前はどうする」

田中「あんたがしたんだろ」

佐々木「お…俺は… なんてことを… 山田… すまなかった」

山田「いいのよ… 佐々木」

佐々木「山田っ」

山田「なんていうわけないだろう」


山田が佐々木の右頬を殴ると、同時にエチが左頬を裏拳で殴る。

山田「陰で、悪口言うようなやつを許すはずないでしょ」

エチ「そーよ。 山田さんのように可愛い娘を悪く言うなんて…この節穴め」

徳井「もういいだろう… そのへんにしておけ。 それよりも、撤収しないと… ヤバいぞ」


教頭「コラー… せいとかーい」


徳井たちは、窓から飛び降り、下の階に逃げ込んだ。

縛られた佐々木だけが取り残された。


教頭「いないな… くそ、また証拠を掴めなかった…」



ー生徒会室


徳井「ということで、一件落着だな。 浜中とその棒たちもあの後、倉庫で乱交しようとしていたところを見つかって停学処分だ。 佐々木は、残念な変態というレッテルが貼られたからな… もう、この高校で彼女はできないだろう… だから、山田。 もしもお前があいつを許せるなら…そのうえで、好意が残っているなら… その時、告白すればいい… 焦る必要はないさ」


山田「会長… もしかして、そこまで見越して…」

徳井「当たり前だ… 私を誰だと思っている」

田中「人でなし」

徳「かっこつけ」

エチ「悪魔」

権田「ご主人様」

徳井「お前ら…」


田中「まあ、山田さん… 会長はこの通り人間性終わってますけど… まあ、最終的には何とかする人ではあります」

山田「そうですね。 ありがとうございました。 私も手近なところで済ませようとしていただけかもしれません… よくよく考えなおしてみます」

徳井「だな…」


山田は晴れた顔で生徒会室を後にした。

その数分後、財布から一万円が抜き取られていることに、気付いて生徒会室に戻った時には、すでに誰もいなかった。

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