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魔王種  作者: のんびりMUCC
終末戦争編
92/104

第88話 飲み込まれる世界

ムックの分裂体は各国の王の傍に居る。

平時は可愛いペットとして扱われているが、有事の際は情報交換の為の必須ツールとなる。


《ご主人様ー!ソフィアとパーシスから伝言だよ!》

(グルナよ!我が国の貴族共が武装し森の国へ向かっておる!何とか軍内部の分断は食い止めたが他が制御出来ん!)


(グルナ!エトリア国の貴族軍が森の国へ向かっている。我が国を通過しようとした者達は拘束したが、コルヌコピア王国へ迂回した軍隊は阻止出来なかった。備えてくれ)


始まってしまった。

コルヌコピア王国とエトリア国の貴族軍が森の国に向かっている。この情報が他国の人間に伝われば、助かりたい一心の貴族達や一部の冒険者は攻勢に出るだろう。

悪魔の言葉を信じるなんて…

肉体を与えれば、今以上の脅威となるのに…

そして、悪魔の望みを叶えたところで助かる保証は無いのに!


《グルナ様…》

「刹那、心配するな!オルフェに代わり俺達が絶対に守り抜く」

《…ありがとうございます。

しかし、私が悪魔の処へ行けば森の国は被害を受けないのです。少なくとも当分の間は…。私が生きて悪魔の国に行く。そしてサタンの居場所を突き止めれば、事態を打開出来るのではないでしょうか》

「刹那、確かにそうかも知れない。

しかし、他に方法は無いのか?俺は他にも方法があると思っている。

サタンの処に行けば、刹那は死ぬんだぞ?

そして…俺達は、刹那…お前と戦う事になるのだ。それは耐えられん」


今の所、魔王達の国も他の人間の国も動いていない。

ヴィエン王国は騎士団が貴族を押さえ付け侵攻を阻止してくれている。


『刹那!大丈夫だ!私が身代わりになろう!!』

「………ダメだぞ」

《………ダメです》


ディーテ…王である君が身代わりなってどうする…

刹那以上に強力な君にサタンが受肉してしまったら終わりなのだよ。

それ以前に、俺の役目は君を守る事なのだが…

カラは引き続き、サタンの発見に全力を挙げている。

そもそも、人間の軍隊にセレネの結界は破れない。このまま1ヶ月間やり過ごす事は可能なのだ。

それでは何の解決にもならないが…

だが、悪魔の考えてる事は分からない。

このまま膠着状態が続くとも考えにくい…何処かのタイミングで事態を好転させる糸口が掴めるかも知れない。

悪魔は更に激しく揺さぶりを掛けてくるだろうが、各国にはムックにその旨を伝言してもらい悪魔の出方を伺う事にしたのだ。


サタンが言った1ヶ月後まで、あと数日。

コルヌコピア王国とエトリア国の貴族軍は国境付近に陣地を敷き、待機している。

当たり前だが、やはりセレネの結界を破る事は出来ない様だ。


そして1ヶ月後が来た。


《諸君、オーガ族の姫は届いていないが進捗はどうだ?

今の所、動いてくれているのは2カ国だけの様だ。

魔王達が行動する事を許してくれないのか…それとも、ネモフィラ連邦国を恐れて立ち向かわないのか…或いは、その両方か…

我々としても、家畜だけに重責を課すのは申し訳なく思っている。

私の配下、ゲノスの将軍達を援軍としてネモフィラ連邦国と邪魔者の魔王達の元へ送ろうと思うのだ!協力して魔王を討ち取り武勲を上げた者は長生き出来るぞ?

こちら側になれるかも知れない。

1週間後、各地に配下を派遣する。人間達よ便乗するがいい》


コルヌコピア王国とエトリア国の貴族軍が侵攻している事が知れ渡った。

その後、エトリア国の王国軍と北の連邦国の貴族軍も動き出してしまった。

しかし、この3カ国の反乱軍は森の国では無く各国の首都を目指し移動し始めたのであった。

《我々人間の命運が掛かっているにも関わらず!たかが魔物如きを庇う国王を血祭りに上げるのだ!その首を捧げ!悪魔に忠誠を誓うのだ!!》


これはムックの分裂体が伝えて来た反乱軍司令官の言葉だ。

結界を破れずに諦めてくれたかと思ったが…まさかの展開だ。

ソフィア達が危ない。

各国の王に避難する様、ムックに伝言させる。


反乱軍の司令官よ、結局死ぬ事に変わりは無いぞと言いたいが、立場が違えば魔物を1匹差し出せば寿命を全う出来るかも知れないのに、それを邪魔する国王は最早敵であるとなるのかも知れない。

もう時期、悪魔の将軍が各国に侵攻してくる。

それを撃破し、人間の国の王を守らなくてはならないのだ。

既に、ヴィエン王国では王国軍と貴族軍の戦闘が散発的に始まっている。

こんな時に限ってシンクロニシティが起こるかも知れないな。

この混乱は、全世界に広がって行くだろう。


「各部隊は装備を点検し備えろ!最速で悪魔を撃破し、各国の王の安全を確保するのだ!」

『お前達!悪魔に手心を加える必要はないぞ!!全能力を総動員し、ぶちのめすのだ!そして必ず平和を取り戻すのだ!!』


兵士達の士気は高い。

俺はネモフィラ連邦国軍の総司令官として、命に代えて全てを守るのだ。


その日の夜。


(ディーテ様…グルナ様…森の国の皆…ごめんなさい…私は…)

蝙蝠化し魔力を殆ど0まで抑えた刹那は、結界を抜け森の国を出た。

刹那さんは何処に行ってしまったのか…是非無事であってほしいと作者的には思っていますが…( ˘ •̣̣̣ ~ •̣̣̣ ˘ )

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