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魔王種  作者: のんびりMUCC
終末戦争編
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第83話 性同一性障害者 超悪魔アザゼル

カラにアザゼルを呼びに行ってもらっている間に、危険な存在だと判断せざるを得ない場合どうするか意見を聞く。


《…この場で始末するべきと思っておる》

『クレイオス、もう少し考えるのだ。それは最終手段だぞ』


ディーテも何とか最悪の結末は回避したい様だが…代案は無いようだ。


《事が終わるまで封印しておくのはどうでしょうか?私の力で封印は可能だと思います》


「アイギスなら可能だろうな。

俺もその案に賛成だ。後は危険な存在だと判断する目安だが…」


《それは儂に任せるがいい》


カラとアザゼルが入って来た。

部屋には幹部達が揃っている。アザゼルは何故、自分が呼ばれたか分からず戸惑った表情を浮かべている。


《わたちは何で呼ばれたんでしゅか?》

《此処に来てもらったのは外でもない。アザゼルよ、儂らにとっておきの魔法を見せてもらいたいのだ》


悪魔かどうかの見極めだが、悪意の塊であれば隠そうとしても隠せないのが”行い”ではなかろうか。

驚くほど自然に嘘を吐けても、その行いまでは誤魔化せない。

そう、クレイオスを考えたのだろう。

普段からムックの監視を付けているが、素行不良はない。

幹部達が揃う部屋で、殺したい欲求を剥き出しにするかどうか…

部屋を覆う様にアイギスが展開している。

アザゼルの魔力量はかなりのものだ。自爆されれば俺達は”ただでは”済まないだろう。


《フフフッ、いいですのん!とっておきの魔法を見せてあげるのでしゅ!!》


アザゼルの両手に魔法陣が現れた。みんなの表情が強張る。

だが、それは直ぐに消えてしまったのだった。


《あれ?魔法が使えないですのん!なんでだろ…》

「アザゼル、もう一度やってみてくれ」

《よーし!気を取り直して…とっておきの魔法発動!!》


またしても、アザゼルの両手に魔法陣が現れた。今回は輝いている、発動したのだ。


《…あれ?何だか手が温かい…》


エキドナが異変に気付いた。

皆、手が温かくなるのを感じていた。勿論俺もだ。


「アザゼル?この魔法は何なんだ?」

《この魔法は…わたちの体温をみんなに配る魔法ですのん//今日は少し寒いのでしゅ》


《………………………》

『………………………』

「………………………」


《セレネしゃまが手が冷たいって言ってまちた。だから、手を温めたかったのでしゅ!今日は頑張ってみんなの手を温めてみまちた!》


《アザゼルよ、お前は悪魔なのか?》

《クレイオスしゃま。わたちは悪魔辞めまちた。わたちは…》

『わ…わたちは?』ゴクリ…

《超絶可愛い悪意の欠片もない魔物ですのん!!略して超悪魔アザゼルですのん!!》


部屋の外に展開していたアイギスは既に解除されていた。

俺達は天の声を聞いたのだ…

性同一性障害にみる心と身体の不一致。

その究極系…悪魔のアストラル体だったアザゼル。出身地と見た目こそ悪魔だった。しかし、その心は天使だったのだ…

もしかするとアザゼル自身、その違和感と戦っていたのかも知れない。

セレネは涙が零れそうになっている。


《この魔法は体力も消耗しますのん…眠たくなってきまちた…》

《アザゼル、ありがとうね。

私も眠たくなって来ましたわ。今日は一緒に寝ましょう》

《!? わーーい//》


セレネがアザゼルを寝室に連れて行ってくれた。

アザゼルは誰かと、くっついて寝るのが好きなのだ。

皆黙っているが、意見を聞こうと思う。


《問題無さそうだと思うけど…》

《あんな子を疑ってしまったなんて…私の心の方が悪魔だわ…》

「……カラ、考え過ぎるな」


問題無いだろうと言うエキドナの意見に、皆賛成の様だ。

勿論、ムックによる監視は継続する。

カラは酷くショックを受けてしまった様で、お詫びにスイーツを食べに連れて行くそうだ。

魔法が不発に終わった件だが、あれは俺がアザゼルをどの程度拘束出来るかを試したのだ。

恐らく、魔法だけではなく行動不可の状態まで押さえ付ける事が出来るだろう。


「俺の前世の記憶では、アザゼルという悪魔は元々は天使だったはずだ。今アザゼルはサタンの支配から解放されているんだ。俺の支配下にある」

《バカな…天使化しているというのか……しかし、認めざるを得えんな…》

《ホンマやで…あれは悪魔やあれへん…天使や》

『天使だったな…』

「万が一の時は俺が拘束する。暫く様子見って事にしといてくれ」


こうして、アザゼルの悪意は否定された。

だが、それは森の国の問題が1つ解決されたに過ぎない。

時期、悪魔の軍勢は攻め入って来るのだ。

正直、その時が心配だ。

その悪魔達の影響でアザゼルを拘束する羽目になるのではと考えてしまう。

今の所、魔界の王サタンに動きは無い様だ。

配下を呼び寄せるのに時間が掛かるのだろうか?

だとしたら先手必勝だろう。配下を呼び寄せる前に終わらせてやる。


各国の王達に今回の件を報告しつつミダスの捜索に全力を挙げる様、要請するのであった。

森の国の幹部は良い意味で馬鹿野郎揃いです⸜( ´ ꒳ ` )⸝

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