表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王種  作者: のんびりMUCC
ギガントマキア編
58/104

第54話 ヘルモス王国VS巨神族 前編

対巨神族2戦目が始まります!

北の連邦国艦隊を退けたパーシスは部隊を編成し、ヘルモス王国へ到着していた。


「パーシス王、まさかこれ程の大部隊で駆け付けてくれるとはな」

「ふむ、ヘルモス王国に貸しを作っておこうと思ってな!ハハハッ」

「礼を言うぞ!パーシス!」


ドワーフ国からは、パーシス直轄の特殊作戦部隊1000名、カタフィギス王国騎士団15000名、魔導歩兵部隊4000名の兵力が派遣されたのだ。


ヘルモス王国の兵力はケルベロス率いるオルフェ直轄部隊3000、ヘルモス王国騎士団50000名、飛行部隊4000名、魔導歩兵部隊5000名

それに森の国からの援軍も到着し始めていた。

総勢8万を越える兵力が集結し、巨神族を迎え撃つ準備を進めていた。

明日には巨神族が現れるのだ。


その時、マカリオス王国の方から衝撃波と、かなり遅れて爆発音が響いた。


「!!?」

「何だ今のは!?」

「ふん、どうせアルトミアの魔法だろう」


パーシスはかなり動揺したが、オルフェは至って冷静…ではなかった。

(今のはまさか…アルトミアの最強魔法では?)


以前アルトミアは言っていたのだ。

「妾の最強魔法はマカリオスの中心で発動しても、お前の国に影響を与えるぞ!

その時は国家の存亡を賭けた戦いが起こっておる時じゃ、援軍を遠慮無く寄越すがいい!」

《寄越すがいい!じゃねぇよ!》


マカリオス王国はかなり不味い状況なのだろうか…

森の国からグルナ達が駆け付けているはず。気掛かりだが今はヘルモス王国の防衛に集中する時なのだ。

普段は不仲だが、ヘルモス王国を建国した時、真っ先に国家として認める声明を出したのはアルトミアだ、態度には出さないが今も感謝している。

何より同じ魔王だ。


ヘルモスに侵攻している巨神族を、さっさと始末してマカリオス王国へ向かおう。

オルフェの鋭い視線は巨神族が現れるであろうエトリア国方面を見つめ続けたのだった。


………………………………


マカリオス王国


ネモフィラ連邦国飛行部隊長カラの死亡が確認された。

その報告は、ボロボロになった身体の痛みを忘れてしまう程だった。


マカリオス王国の一室にカラの遺体は安置されていた。

汚れや血は拭き取られ、何時もの様に美しいカラ。まるで眠っているかの様だ。


カラを回収して来てくれたのはガーゴイル部隊だ。俺は礼を言った。

カラとは転生初期から色々有ったのだ。

そして、今では直轄の飛行部隊を纏める最も頼りになる部下。

マカリオス王国戦への派遣を判断したのは自分だ。

その結果、優秀な可愛い部下を失ってしまった…正直、後悔しかない。

あの時、森の国に残るよう断固拒否しておけば、彼女は今も存在し続けていたのだ。

自分の判断力の無さ、自分の中の甘さ…最早、自分の存在自体が許せない程に激しい後悔と虚無感をグルナは感じていた。


《グルナはん?》


空間収納スキルを持っているファムは、森の国から回復薬を持ってマカリオス王国へ派遣されていた。


《カラちゃん、穏やかな顔やな。

きっと嬉しいんやで?少しでもグルナはんの役に立てた事が》

「あぁ、カラは優秀だった。しかし、こんな結果になったのは俺の責任だ。俺が殺したようなものだ…」

《アホちゃう?そんな事ないやろ。グルナはん、もう時期カラちゃんの魂は冥界に渡るで…早く渡って欲しい》

回復薬を振り掛けながらファムが呟いた。


「ファム?何言ってんだ?」


早く冥界に渡って欲しい?カラの魂に?

それは戻って来ないって事じゃないのか?

俺はファムの言っている意味が分からなかった。


《カラちゃん、戻っておいで》


その時、ファムのイコル神々の伝令(ケリュケイオン)が発動した。

その能力は、死に行く者を安らかに冥府に送り、死んだ者は生き返らせる。


カラの(コア)が動き出し、心の絆が再び繋がったのを感じたのだ。

(カラの手が温かくなっていく…)


呼吸をし、瞳を開くカラ。

《グルナ様…》


俺はカラを抱きしめた。

もう二度と、大切な部下を失いたくない…

自分のミスで、1度は掌から落としてしまった命。

その命を掴む様に、その存在を確かに感じる様に抱きしめていたのだ。


《グルナ様…苦しい//》

「もう…絶対に死ぬな!!」

《……はい!//》


因みに、カラが最後に見た神獣はエキドナが創り出した魔物だった。

アルトミアの治療を終えたエキドナは、カラの危機を察知し、膨大な魔力を注ぎ込んだ魔物を送り込んだのだ。

それは、ヒュドラ。

9つの頭を持つ邪悪なドラゴン。首を切断しても即座に再生する生命力を持ち、その内の1つは不死身。

解毒不可の猛毒を含んだブレスを吐き暴れ狂うヒュドラに北の連邦国が送り出した魔導機動部隊は壊滅させられていた。

今も、マカリオス王国軍と共に北の連邦国国境付近で睨みを効かせている。


………………………



待ち構えるオルフェ達の視界に巨神族達が現れ始めた。

強力な魔力を発する個体が最後尾に居る様だ。


「パーシス、最後尾に指揮官が居るようだ。

将無き集団は軍にあらず。俺はアイツを仕留めるぞ」

「他は任せろ、終わり次第俺達も合流する。死ぬんじゃないぞ」

「ケルベロス!殲滅せよ!」


必ず敵将を倒し国に迫る脅威を排除するのだ。そして必ず生きて戻り、刹那に逢いに行くのだ!決意を胸にオルフェは最後尾を目指し出陣する。

ヘルモス王国対巨神族の総力戦が始まった。

アルトミアの様な超大規模殲滅魔法を使える者は居ない、全兵力を総動員して徹底的に殲滅するのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ