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魔王種  作者: のんびりMUCC
ギガントマキア編
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第52話 マカリオス王国VS巨神族 前編

アルトミアを援護する為に俺達はマカリオス王国へやって来た。


《艦隊の方は片付いた様じゃな、援軍感謝するぞ!》

「後始末が終わったら一個旅団程度だが、派遣する様指示してある。

巨神族は今どんな感じなんだ?」

《既に国内に侵入しておる。

今は妾直轄の部隊が交戦しているが…正直分が悪い。

ソフィアには国民の受け入れを要請しておる。時期、住民の避難が始まるだろう》


王都も無事では済まないと予想しているのか…

ヘルモス王国へも巨神族は迫っている。

これ以上援軍は期待出来ない、ヘルモス王国かマカリオス王国このどちらかが陥落してしまえば全てが終ってしまうだろう。


凡そ五千の巨神族。

何としても此処で退けなければならない。



…………………………………



マカリオス王国領内


北の連邦国が復活させた巨神族の長。

ギガス族の族長クレイオス。

(しかし、どうなっておるのだ世界は…

ワシら一族が封印された後、天空の神々から力を託された”選ばれし者達”が世界を統治しておったはずだが…まだ人間と争っていようとは)


クレイオスは封印された初期の頃、山中に封じられたものの辛うじて意識は保っていた。

天空の神々は新たな統治者として、自らの力を分け与えた者達数名を、この世界に誕生させたのだ。

人間は欲に塗れた者も居る。

神々は人間に統治させるべきではないと判断したのだろう。


(だが、ワシらの封印を解き支配下に置くだけの技量を持つ人間が居るのならば、”選ばれし者達”が手を焼くのも納得じゃな…)


巨神族は操られている事を良しとしてはいない。

しかし、オルガの呪術は巨神族の抵抗を許さないのだ。全力で抵抗すれば何とかなるかも知れないが、今回は人間の茶番に付き合おうと考えていた。

見てみたいのだ。

自分達の後継者として、世界の統治を任された者達を。

そして、統治者として相応しい者達かを見極めなくてはならない。


(フフっ、天空の神々から怒られてしまいそうじゃな…)



………………………………………



北の連邦国首都


「ミダス、森の国へ向かった艦隊からの連絡が途絶えたぞ」

「壊滅したとでも言いたいのか?そんな訳ねぇだろ!結界の強度も火力も最高水準だぞ!魔物狩りが忙しいだけに決まってる!」

「だといいがな…」


オルガは感じ取っていた。

森の国へ送り込んだ艦隊を指揮していたコスタスとの心の絆が切れたのだ。

呪術を刻み込んで支配下に置いている者とは心の絆が繋がる。

その絆が切れる時、それは呪術を解除されたか、若しくは対象が死んだ時なのだ。

ミダスの言う最高水準とは、所詮は人間の常識に照らしてなのである。


送り込んだ兵力は、2つの艦隊合わせて約200万名。

ドワーフ国へ向かわせた艦隊まで壊滅すれば、損害はマカリオス侵攻作戦の比ではない。

幸いにも、セルジオスとの絆は断たれていない、ならばマカリオス王国で交戦している巨神族を援護しマカリオス完全占領をもって早期に終戦宣言をするのも選択肢ではある…


オルガは自分の考えを振り払う。

「ふっ、馬鹿なことを…」

そう、今更中断など出来ないのだ。


「ミダス!魔導機動部隊を進軍させるのだ」

「了解だ!最後の最後まで温存しとくかと思ってたが案外早く決断したな!」


北の連邦国国境付近の軍事基地から装甲車輌が動き出したのだ。


………………………………


日が暮れて辺りはすっかり暗くなっていた。だが、動きが止まる気配は無い。


北の連邦国から地上部隊が進軍を開始した。

夜だが、その動きはカラ監視能力で直ぐに把握出来た。

巨神族はアルトミア直轄部隊を壊滅させ、王都に向かって来ている。

その地上部隊が合流する前に何とか巨神族との戦闘を終わらせなくてはならない。


《カラよ、お前は大規模殲滅魔法が得意と申しておったな?だが、お前だけの専売特許ではないぞ?妾も得意じゃ》


アルトミアはプティア王国での人質救出作戦の映像を見ていた。

その時、カラの魔法を大絶賛していたのだ。


《しかしな、妾の魔法は更に上位…

超大規模殲滅魔法じゃ!》

(カラよ、お前は更に強くなる。

恐らく、妾を上回る逸材じゃ、その力は今後ディーテや森の国を守るだけでは無い。この世界を守る鍵となろう。

何としても、この戦いを生き延びるのじゃ)


カラは察していた。

アルトミアは教えようとしているのだ

魔法が発動した後、状況がどう変化するかは分からない。

相手は神と同等の力を持つ巨神族、アルトミアの魔法さえ通用しないかも知れない。

だが、通用するかしないかは問題では無い。

アルトミアは間違いなく自分より上位の存在、そのアルトミアの魔法を目に焼き付けるのだ。


巨神族の姿が見え始めた、それを眺めながらアルトミアは思うのだ。

ディーテ現れてから、コルヌコピア王国のソフィアと交流する機会が出来た。

お陰で、住民が避難する事が出来たのだ。

その情報をくれたディーテに、住民を受け入れてくれたソフィアに感謝している。

避難が遅れれば”これ”は使えなかっただろう。


遂に、アルトミア最強の超大規模殲滅魔法が発動する。

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