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魔王種  作者: のんびりMUCC
ギガントマキア編
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第48話 避難所建設

部隊の再編も大事だが、住民や森の国に滞在している者の安全確保も課題だ。

森の国に訪れている者の命は出身国に代わり森の国が全力で守る。


集会所で各種族の族長と久しぶりのアレスも交えて会議を行った。


《ディーテ様!グルナ殿!お久しぶりでありますッ!!》


アレスはすっかり改心した様だ。


《ねぇアレス、あの馬車は何なの?》


エキドナも気になった様だが、実は俺も気になっていた。

アレスの乗ってきた馬車だが、トゲや鉄格子など満載…分かりやすく言うとマッドマックスだ。


《あれが漢の乗り物よ!魂そのもの!!激渋だろ?》


無視して話を続ける事にしよう。

今回の議題は避難所の建設予定地の選定と施工についてだ。

現在、各種族のテリトリーにも商人や観光客が訪れている。その中で心配いらないのは、エキドナのテリトリーとアレスの支配地域だ。

エキドナのテリトリーは湿地帯にある巨大な洞窟を改装していて天然の要塞になっているのだ。

要塞と言っても内部は光る謎の鉱石やお洒落な家具などが有り、部屋として改装出来るスペースは十分。高級なホテルと化している。

収容人数は1500名程大丈夫らしいので徐々に改装を進めてもらう事になった。


アレスは、ミノタウロスが魔法で作った地下迷宮を拠点としている。

迷宮内部は広大で部屋を追加するのは簡単らしい。5000名程は受け入れ可能な空間との事だ。

ちなみに迷宮の維持はミノタウロス100名程が交代で魔力を放出しながら維持しているそうだ。入口を消すことも出来るらしく、完全に外敵を遮断出来る優れ物なのだとか。

これは活用させて欲しいと思ったが、避難所を維持する為だけにミノタウロス達を移住させる事は出来ない。

アレスの支配地域は森の東側の守りに必要なのだ。

他の方法としては街に避難用のゲートを作ってエキドナのテリトリーとアレスの迷宮を繋ぐのが現実的かも知れないと思ったが、ゲートは一気に大勢が通る事は出来ないという問題があったのだ。


狙われるとしたら間違いなく首都だ。避難者はかなりの人数になる。

セレネの防御があるので、ある程度の攻撃は問題無いと思うが念には念を入れておくべきだろう。


エキドナとアレスにはゲートを設置させてもらうが首都には15000人が避難出来る避難所を建設する事に決まった。

戦争の規模が大きければ大きい程、避難生活も長くなる。

換気や水、炎といった問題は魔法で何とかなるので15000人が半年は生活出来るだけの保存食の確保を併せて進めていく。


避難所は森中央の地下に建設する事になり、街の要所要所に入口を設置する。

入口を通って地下を進むとゲートがあり、1つのフロアに辿り着く。そのフロアは3000人を収容可能となっており、更に進むと更に地下のフロアへと続く通路があるのだ。

ちなみにプライバシーの問題も出ると思うので最初から最大5人が暮らせる部屋や個室などを準備する。

そんな感じの空間が地下5階まで続いている

各フロアには食料庫があり、違う階まで食料を取りに行かないといけないという労力は無い。

勿論、敵の侵入を許してしまった時はフロアへ続くゲートは封鎖出来る様に細工をしてあり最下層のフロアには地上への脱出用ゲート設置予定だ。

しかし、その様な状況になってしまった時は残念ながら森の国は国家として機能していない状態だろうな。


平時から継続している戦闘訓練にも熱が入る。

上杉やカラ、セレネも再編を終え、訓練を開始しているが、やはり気持ちは同じようだ。


徐々に保存食が出来上がり始めた。

干し肉、蜂蜜、梅干の様な物、乾燥させた野菜など様々だ。

アネーシャからも提案があった。

ドライアドは貯め込んだ魔力を使って、栄養満点な木の実を実らせる事が出来るらしい。

それを乾燥させれば長期保存出来て1日1粒食べれば十分事足りるそうだ。

早速、用意してもらう事になり、食料備蓄の問題も片付きつつあった。


1ヶ月後


《グルナ様!北の連邦国の動きが活発になっています!》


始まって欲しくなかったが、その時は来てしまった様だ。


………………………………………


北の連邦国


「オルガ!いよいよだな!船は強力な万能結界とCIWS(接近防御火力システム)完備だ!落とされる心配はねぇ!」


飛空艇は鉄壁の防御で守られている。

地上は巨神族と強力な魔導兵器に蹂躙され尽くすのだ。


「どれほど、この時を待った事か…」


今、皇帝オルガの心には不安という文字は存在しない。

在るのは、世界の全てを支配するという明確なイメージのみ。


「出撃せよ!!」


この世界の全て、そして各々の想いを賭けた戦いが幕を開けたのだ。

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