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魔王種  作者: のんびりMUCC
いい国作ろう!編
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第35話 コルヌコピア王国と街の変化

会談の前日に俺達はコルヌコピア王国に着いた。

早速、城に向かうのだが、城下町の一角に人気の無い通りがあった。


『グルナ、何でお店開いてないんだ?』

「さぁ何でだろうな」


何となくだが分かる。

飲み屋街というやつだ。

若干…いや、かなり気になる。ディーテが居ない時にソフィアに詳細を聞かなくてはなるまい。

だが勘違いしないで欲しい。自分の為ではない、あくまでも街の皆の衆と観光客の為なのだ。


城に着くと家臣が迎えてくれ、部屋に案内された。

その後ソフィアと会ったのだが…


《ディーテ!久しぶりじゃな!もーーー何処で何をしてたのじゃ!!

ドワーフの所から帰る前にコルヌコピアに寄れと言ったのを無視しおって!!

今日は一緒に寝るぞ!》


予想以上にお気に召していたようだ。

そもそも、何処で何をしてたか知ってるはずなのだ。


早速、大きな部屋で会談だ。

家臣達も集まっている。


《先ずは、プティア王国での一件について詳しい話が聞きたいのう》


話すより見てもらった方が早い。

用意してもらった水晶にムックの録画映像を写し見てもらった。


家臣達がどよめいている。


プティア王国上陸作戦での民間人の死傷者は0。

ミダスは取り逃したものの、人質となっていた王族達はかすり傷一つ負う事なく救助されている。文句あるまい。


《ディーテ!お前の国の戦力はどうなっておるのだ!

魔王を配下にしておるのか!!》


そっちだったか…

魔法防御結界を張った軍隊ならどうだか分からないが、カラの殲滅力は凄まじかった。


《ディーテよ、我が国と仲良くしたいか?》


『ソフィア、私はな

街のみんなと人間が仲良くして、お互い行き来出来る国にしたいのだ。

この国の美味しいゴハンをみんなにも食べさせてあげたいのだよ』


《我が国は北側を魔王の国と接しておる。

南側に魔王の種の国…仲良く出来るものなら仲良くしたいがな。

妾は安全保障条約を締結すべきと考えておるが、意見のあるものは述べよ》


大臣達は意見交換している。


事前に協議はしてただろうが、作戦の映像と実物の魔王種を見たら温度差は発生するだろうな。

だが、大臣達より問題なのはディーテだ。

よく考えてくれ!安全保障条約を結ぶという事は、他国からは軍事同盟国とみなされる。

北にあるという魔王の国が侵攻してくれば俺達はコルヌコピアと共に魔王と戦うことにもなるのだ。


『私はいいぞ!』


(ダメだったーーーー!!!)

もう少し入れ知恵しとくべきだったと後悔したが後の祭りだ。


『でも、住民が魔物を受け入れてくれるまで時間が掛かりそうだから、じんわり進めていきたいぞ』


ディーテ流石だ!

そう。安保に関しては、じんわりがいいのだ。


《此方も貴族共を納得させなくてはならぬ。すぐには無理じゃ。

お前の言う通り住民も混乱するであろう。

先ずは友好国として通商条約を締結したい。どうじゃ?

お互いの国民が行き来して交流を深めてくれれば話も進んで行くだろう》


『勿論いいぞ!』


「………。」


何かおかしい…と思っていたが、違和感の正体が分かった。

ディーテが何か言う度、ソフィアの目は溺愛するペットを見る目になるのだ。


こうして後日、友好国宣言をする事になり、夜は晩餐会が催された。

その後


《グルナよ、ディーテは妾と寝るぞ!良いな!

お前は街の酒場に行って羽を伸ばすがいい、代金は税金で払うぞ!心配するな!》


心配では無い、申し訳ないのだ。

ディーテは無理矢理連れて行かれたが問題無いだろう。

店は指定されたが楽しんで来ようと思う。

酒処 セーラスという店だ。


《キャーー♡お酒強いーー!!♪》

「そう?」

ゴクッゴクッ!プハァ!

《キャーー♡》


翌朝。


途中から何も覚えていない…どうやって部屋まで帰ったかさえ思い出せないのだ。

こっそりムックに聞くと、ムックは刹那とおしゃべりを楽しんでいたそうだ。

起きて待っていたが何時まで経っても帰って来ないので探しに行ったら路上で倒れてる俺を発見。

刹那と城まで運んだそうだ。

非常に申し訳ない。


『グルナ…戻ったぞ…』


すごい隈だ…

ディーテはかなり寝不足で全身筋肉痛になっている様だ。

何が有ったかは聞かない方がいいだろう。


色々あったが、街に戻った。

留守にした数日で問題が発生していた。

人口が増えていたのだ。

というか、見知らぬ種族も居る。


増えたのは、ゴブリン約1500名、北の連邦国で迫害を受けていたという狐の獣人達約1000名、プティア王国に住んでいたセイレーン約500名、ハーピー約1000名。

狐の獣人達は船で森まで来たそうだ。


「ディーテ…どうする?」


『賑やかでいいと思うぞ』


「…………。」


とにかく住居が不足している。

また建設ラッシュだ。

ハーピーは森に住んでいたらしいが山の上に居たので誰も知らなかった様だ。

広い森なので、まだ未知の種族が居るかも知れない。

ちなみにハーピーの卵は食べれるらしい。


「えー!いいよ!!大体お前ら自分の卵を食べるってどう言う神経してるんだ!」


《だって毎日生まれるんだもん!》


鶏と同じらしい。

人間の国では、そこそこの値段で取引されてる模様。

有精卵?は大切に育てるそうだ。


「毎日1000個か…アリだな」


労働力と特産品の原料を確保した俺は、街の特産品作りに乗り出すのであった。


…………………


海岸にて。

「上杉!採れたか!?」

《グルナ様!大漁です!!》


何をしてるかと言うと、海藻を採っていたのだ。

昆布の様な海藻だ。

コルトには醤油の様な調味料と、”ある物”を準備するよう指示をしてある。


昆布の様な海藻で出汁を取る、かなりいい出汁が出る。

かつお節も入れたいが無いものは仕方無い。

出汁に砂糖と塩、醤油?を入れ…卵を割入れる。

フェレットに作ってもらった長方形のフライパン。

卵を流し入れ巻いていく。

箸で巻くのではない!手首で反すのだ!

そして卵を追加…それを数回繰り返すと、だし巻き玉子の出来上がりだ。


それで終わりではない。


食パンの様なスライスしたパンに野菜と一緒に挟み…たまごサンドの完成だ!!


そう、街に喫茶店を作ろうと思うのだ。

観光客も住民も利用出来る憩いの場だ。

コーヒー豆の様な実はノームが探しに行っている、時期見つかるだろう。


次はプリンだ。

『いい匂いがするぞ!!』

ディーテが見付けた実はバニラエッセンスモドキとして加工されたのだ。

出来上がったプリンをファムに試食してもらう事にした。


《うまっ!!?グルナはんコレ売れるで!!》


完璧だった様だ。

保冷する方法を考えて、近くの国に卸したいものだ。


《グルナ殿、出来たぞ!》


コルトに頼んでおいたのは酒とジュースだ。

洞窟に生えていたホタル草の光っている部分を採取して1粒の半分をウイスキーの樽に入れておいたのだ。

ほのかにフルーツの香りが漂い、まろやかなウイスキーになっていた。

魔力も回復し、疲労回復効果もある、胃に負担も掛けない。完璧だ。


もう一方は粉末にして水で薄めたものだ。

これにクエン酸の様な粉と重曹の様な粉を極少量入れると…ソルティライチスパークリングと言ったら伝わるだろうか?

そんな感じの炭酸飲料が出来上がった。

ナトリウムが発生するのでいい感じの塩気だ。

此方も魔力が回復する機能性飲料になった。


街のみんなの意見を聞いて、好評なら製品化だ。

商品名も考えなくてはならない。


こうして少しづつだが森の特産品作りが進んで行ったのであった。




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