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魔王種  作者: のんびりMUCC
プティア王国編
25/104

第23話 活動開始前夜

町に戻って数日が過ぎた。

そろそろ各種族の代表がやって来る頃だ。

セイレーン族は既に到着している。

以外とご近所さんなのだ


«こんな所に町を作っておったか!»


先ずはケンタウロスの族長がやって来た。

その後も、ハイエルフの馬車に乗ってエルミア、エキドナとメデューサが到着しキマイラ族も少し遅れて到着した。


「メデューサ族は初めて会うな、俺がグルナだ。よろしく頼む。こちらが魔王種ディーテだ」


『初めまして!みんな、協力ありがとう!力を合わせて被害を防ぐぞ!』


「長旅で疲れただろう。完成したばかりの温泉があるんだ、先ずは疲れを癒してくれ」


早速、温泉宿を案内する。

かなり好評だったが、特に評判が良かったのは、やはり露天風呂だ。

とにかく広いのだ。

内湯は純和風の落ち着いた雰囲気だが、露天風呂は町の景観に合わせて海外のスパリゾートの様な作りになっている。


風呂上がりには準備した浴衣を着てもらい。

自由に町を見てもらった。

浴衣を着たキマイラが可愛らしく見えたのは、ここだけの話だ。


夕食の前に会議を行う。


「今日は集まってくれてありがとう。

森の全種族の協力が得られて非常に心強い。早速なんだが、各種族からどの程度の戦力を派遣出来るか確認しておきたい」


内訳は


ケンタウロス族250名

ラミア族150名

メデューサ族250名

キマイラ族150名

セイレーン族100名

ハイエルフ族からはハイエルフ10名と配下のエルフ族100名


この町からは


オーガ族とゴブリン族の混成部隊150名

カラとその配下のガーゴイル10名

後方支援として水の精霊とムックの分裂体、それに大地の精霊とセレネの風の精霊


以上の兵力で海岸線の哨戒活動と上陸された際の戦闘作戦を行う。


海岸沿いの森の中に一定間隔でおよそ20ヶ所待機所兼休憩の為の簡単な施設を建設し、町と行き来する為のゲートを設置してある。

これは万が一の時の退路でもあるのだ。


セイレーン族とガーゴイルは上空から不審船が航行していないか警戒してもらう。

不審船を発見した場合は、直ちに森で待機している混成部隊に着岸予想地点を連絡。

連絡を受けた地上の混成部隊は速やかに移動し、脅威の排除を行う。

海を見渡せる高台10カ所には弓矢の扱いに長けたエルフ族とラミア族を配置。

足止めや海岸での戦闘をサポートしてもらう予定だ。

魔力を込めた矢は威力も飛距離も半端ではないのだ。


「こんな感じで哨戒活動を行おうと思うが、何か意見は無いか?」


ケンタウロスの族長が口を開いた。


«戦闘になった場合、身柄を拘束する方向で戦うのか?

それとも、皆殺しにする前提で迎え撃つのか?»


これは重要だ。

殲滅では無く、拘束となると難易度が一気に上がるのだ。

拘束する事に固執して此方に被害が出ては意味が無い。敵の戦力が不明で、尚且つ攻撃手段も不明なら…最悪、被害を拡大させてしまう結果も予想出来る。


「…………。

可能な限り拘束する方向で考えている。殲滅するのが現実的だが、問題は此処が何処の国にも属していない点だ。

プティア王国が森に報復攻撃したとして、周辺国は何かしら反応するだろう。

それはプティア王国が森を実効支配する事に対しての懸念であって、俺達への報復攻撃に対してでは無い」


«……………»


「プティア王国は現在、鎖国状態にあるらしい。

森周辺の治安維持という名目で周辺国と共同作戦をするのも難しいだろう。仮に実現したとしても、かなり時間が掛かるはずだ。

プティア王国単体での大規模な報復攻撃は現時点では考えにくい」


«つまりどういう事だ?»


「このまま放置すれば狩られ尽くすかも知れない。

抵抗すれば、報復があるだろう」


『でも、みんなが連れ去られるのを黙って見てるなんてイヤだぞ?』


「………今、此処には森の代表が集まっている。

俺達の主権を主張するタイミングだとは思わないか?」


«……………»


エキドナが口開く。

«国を興すって事?»


「そうだ。

数百年前、亜人も人間に迫害を受けていたが現ドワーフ王の尽力により、亜人の地位は向上した。

結果、人間の国の行き来どころか住む事も可能になっている」


«王様は誰がするのかな?そこの可愛い女の子かしら♡私はディーテちゃんで文句無いよ♡メデューサもOKだってさ»


«!?»


«我が一族はグルナ殿に敗北し忠誠を誓ってる。文句はねぇよ»


《ハイエルフ族は既にディーテ様の配下ですわ♪》


«セイレーン族は従うよ?»


«ふー…、一族を繁栄させるのが儂の役目。こうやって全ての種族が集まるなんて前代未聞。

それを実現した魔王種ディーテと、その副官に賭けてみるのも悪くない»


「国の件は、後日具体的な話をしよう。

先ずは、不審船対策だ!」


その夜、各種族の側近達も交え宴を催した。

バラバラだった森の種族は纏まりをみせ始めたのだ。



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