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魔王種  作者: のんびりMUCC
プティア王国編
23/104

第21話 森の種族達 3

最後の種族キマイラ族のテリトリーに着いた。

甚内が焚き火を始めた。

キマイラ族は頻繁に移動するらしく、探すよりおびき寄せた方が早いらしい。


《此処は既にキマイラの縄張りですじゃ。直ぐに集まって来ると思います》


暫くするとキマイラが現れた。

ライオンとヤギの頭、尻尾は蛇だ。


«オーガ族の老いぼれかよ!何の用だ?此処は姥捨山じゃねぇぞ!帰んな!»


(口悪いな…)


「俺はグルナ、今日は話がしたくて来たんだ」


«話がしたければ、力ずくで話を聞かせたらいい…嫌がろうが徹底的にぶん殴って大人しくさせるんだ。方法はそれしかねぇぞ!»


周回はキマイラに包囲されている。

《グルナ様!此処は私が引き受けますじゃ!》


「いや、俺がやる」

「無理矢理…力ずくで話を聞かせる。悪くないな」


《グルナ様、キマイラは攻撃力も防御力も桁違いですぞ!素手で勝てる魔物ではありません!》


闘神化…俺の固有スキルだが、身体能力の強化は勿論だが、それだけでは無い。

武具化。

見た目が変化する訳では無い。

イメージした効果が発生する…例えば重さ200㎏のハンマーを時速500kmで振り下ろせたとしたら?

例えば、音速を超える速度で繰り出した蹴りが良く手入れされた日本刀の斬れ味を帯びていたら?


タダでは済まない。


迫り来るキマイラ。

大振りだが、とんでもない速さの前足の一撃。

まともに食らえば即死だろう。

(何とか躱せた…が)

飛び上がり追撃してくるキマイラ。

巨体だが早いのだ。しかも上からの攻撃は対応しにくい。相手が怪力故に下手な反撃は命取りなのだ。躱し続けるしか無い…訳が無い。

着地したキマイラの重心が前足に移ったのを俺は見逃さなかったのだ。

キマイラの全体重が前足に掛かった瞬間を逃さず…


渾身の右下段回し蹴り


前のめりに崩れるが尻尾の毒蛇が迫る…

が、掴み取りへし折る


五月蝿いライオンの顎を蹴り上げ黙らせる。


「お前ら、コレは初めてだろ?」


ヤギの方に裸絞…ゴキッ!折れたのだ。


左前腕骨……完全骨折

尾椎……………複雑骨折

下顎骨………粉砕骨折

頚椎損傷


重症だ。


《…!!!》

(グルナ様…まさか素手で倒してしまうとは!)


「さて、話を聞いてもらおうか…」

(群れで襲いかかって来るなよ?頼むぞ?)


««我が一族は貴方様に忠誠を誓います!»»


(どうしてこうなった……)


「お、おう…じゃあコイツを手当してから話をしようか」


…………………


「…という訳で、海岸線を警備しないといけないんだ。力を貸して欲しい」


※エルミアとカラはキマイラを治療中


«喜んでお供しますぞ!!»


「じゃあ後日、町に来てくれ!」


«はっ!»


キマイラは炎も使うらしいが、俺が丸腰だったので使わなかったそうだ。

意外と男気があるのだ。


結果オーライだが、まぁいいだろう。

こうして俺達はキマイラ達の協力を取り付け、森の全種族で海岸線を守る計画は一歩前進したのだった。

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