番外編 いい町作ろう!其の1.5
ある日の夜。
俺はドワーフ、オーガ族、コブリン族の男のみを集会所に集合させた。
これから始まる重要な観光資源についての会議を行う為だ。
「よし!全員揃ったか?」
《グルナ様、全員揃っております!》
「まずは、町の施設や住居の建設ご苦労であった。皆のお陰で滞りなく作業を進める事が出来た。礼をいう」
「そして今日集まってもらったのは他でもない、今後の開発計画に関する重要案件についてだ。以前からこの町の観光資源の1つとして温泉宿の建設を計画していた」
「この温泉というものの素晴らしい点として疲労回復、リラックス効果、美肌効果、神経痛から関節痛まで効果は様々だ。
是非、温泉を導入したい!
しかし、温泉を導入すべき理由はこれだけではないのだ!
俺とドワーフ王パーシスはその昔、遠い異国の島国で温泉に出会った。
そして、その温泉には男子専用の温泉、女人専用の温泉…そして混浴の温泉があったのだ!!」
「上杉!質問はあるか!」
《混浴とは一体どのようなモノなのかご教示ください!!》
「いいだろう!混浴とは即ち、男女兼用の湯船なのだッ!!!」
《《!!!?》》
「ここまで話せば、何故に男子のみを集めたか理解出来るだろう。これは男のロマンなのだよ諸君。
この中で混浴風呂の施工に反対の者はいるか!!!」
シーーーーン。
「居ないようだな!我々の夢を叶える為に、着工後は温泉を引き込むインフラなど後回しだ!速やかに…最速で湯船を作るのだ!
そして我々の夢を現実のものとするのだ!
良いな!同志諸君!!」
「ん?」
みんなの顔が青褪めている…
(あれ?背後に殺気が…)
『こんな時間に会議とは熱心だな。刹那、此処に集まっている痴れ者共を始末せよ』
「ディーテ!冗談だよ冗談!あはは」
《さようなら…無限牢獄》
ボロ雑巾にされ意識を失った俺達は縛り上げられ丸1日晒し者にされたのであった。
ガバッ!
「ハァハァ……………」
……という夢を見たのだ。
(これは予知夢だ…回避しなくては…)