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魔王種  作者: のんびりMUCC
終末戦争編
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第99話 その後

サタンとの死闘から数年が過ぎ、世界も以前の姿を取り戻しつつあった。

パーシスの能力で月への神殿や、各国の城等の主要な建物が復元出来たのだ。

月の神殿から戻って来た刹那は”森羅万象”で豊かな自然を蘇らせ、更地になってしまった場所は各国の王達が此処ぞとばかりに街や村を再開発し、以前よりも快適で素晴らしい街並みへと変わっていた。

勿論、森の国も例外では無い。

俺は、精霊や森の種族達と共に汗を流し復興に取り組んだ。

観光立国である森の国は、復興を終えた各国の住人達が癒しを求めてやって来ている。


《グルナはん!北の連邦国で商談やさかい、1週間程留守にするで!》

「うん、留守中は任せろ!売りまくって来てくれよ!」

《ほな行ってくるわ!》


北の連邦国とも国交が正常化し、今では互いに行き来する様になった。

人間至上主義だった時の事を思うと、想像も出来ない変化だ。オルガはよく頑張ってくれたのだ。


更に1ヶ月後。


「ディーテ!早く起きろ!間に合わないぞ!」

『寝過ぎた!!アワアワ』

《ディーテしゃま!後30分でしゅ!!》


ディーテは興奮で眠れず夜遅くまで起きていた。

何故眠れなかったかというと、今日は森の国の洞窟教会で結婚式が行われるのだ。


洞窟内には各国の王族達や幹部が集まり、主役の入場を待っている。

入場して来たのは、オルフェと刹那。

悪そうだが男前のオルフェとウエディングドレスを着て更に美しさを増した刹那…凄く幸せそうな顔をしている。


『刹那…綺麗だな…』

「あぁ、何より幸せそうだ」


復興の目処がたったある日、オルフェと刹那がディーテの元を訪れた。

遂にオルフェは覚悟を決めたのだ。


《ディーテ!刹那を俺にくれ!!》


刹那と共に膝をつき頭を下げるオルフェに


『…ダメだ!!お前に刹那はやらん!!帰れ!!』

《!!?》

『冗談だ。刹那を幸せに出来るのはオルフェだけだからな!頼むぞ!』

(冗談かよ…オルフェ涙目になってるじゃねぇか…)


ディーテは頑固オヤジ定番のセリフを言い放ち、1度落としてから結婚を認めたのだ。

刹那は王妃となり、オルフェと共に歩んで行く。

俺は、前世で兄の結婚式に出席出来ずに死んでしまい後悔したが、この世界で実の兄に当るオルフェの結婚式に出席し祝う事が出来た。感無量だ。


式の後、ディーテから結婚を迫られたのは言うまでもない。

俺は数日間に渡って結婚を迫られ続けたが、刹那結婚の余波は別の所にも影響を与えていたのだ。

セレネとカラ、そしてアレクシアである。

俺とディーテの結婚が噂されだした後、この3者は第2夫人の座を賭けて度々争っていたのだ…

俺は元日本人だから一夫多妻制にはやはり抵抗がある。争っているのは耳に入っているが、知らないふりを通すのがいいだろう。

ちなみに、俺とディーテも結婚する事になった。決して圧力に屈した訳では無い。

式は半年後だ。


こんな感じで順調に物事は進んでいた、そんなある日。

天空の神々から月の神殿に招待されたのだ。

俺を転生させた神にやっと会えるのだ。


…………………………………


月の神殿。

そこは神々の住まう場所。


巨大な神殿で待っていたのは、久しぶりの世界の意思(超絶美人なお姉さん)。案内された部屋には天空神ゼウスと思しきオッサンが待っていた…


《おー!よく来たな!!俺の分身よ!!》

(…分身?うわっ、酒くせぇ…呑んでやがる)

「初めましてなのかな?グルナです」

《気を使う必要はないぞ?俺は神だ!全て許す!笑》

「……………。」


予想通り、このオッサンは天空神ゼウス。

聞きたい事は山ほどある。


《何でも聞くがいい!ガハハハ!》


まずは俺達の存在についてだ。

俺を含めて、魔王の種が宿っていない者の中に神の血(イコル)を操る者が居るのは腑に落ちない。

さっきの分身ってのも意味が分からない。

神様曰く、魔王の種が宿る者は有力な候補者…ただそれだけだそうだ。

なので、俺やセレネ、カラ、ファム等が能力を発現し生き残るのは大穴なのだそうだ。

(競馬かよ…)

基本的には魔王へと進化した者や魔王の種が宿った者のサポーターとして活動するはずなのだが、俺に至ってはサタンを撃破する快挙を成し遂げた。

神様も驚いたそうだ。


《分身は分かりにくかったな!劣化版だ!》

「………………」


問題発言だが、そのまま捉えていいらしい。

俺達は神々の子供ではない。

神様が自分の能力の一部を付与して創り出した分身体なのだ。

性格や見た目はあまり継承しないらしいが、経験を積むことで力は神々に近づくらしい。


《疑ってるな?これを見よ!!》


ゼウスは粘土を取り出し、何かを作っていく。

出来上がったのは、ものすごく下手くそな犬か猫分からない”何か”だ。


「…何これ?キモ…」

《…言うな、神も傷つくのだぞ?まぁ見ておれ》


粘土でできた”何か”は徐々に変化し、毛が生え…

そして、それは漆黒のムックへと姿を変えたのだ。


「真っ黒なムックだ!!」

《お前達も、こんな感じで創ったのだ!》

「………俺達も粘土だったのか……」

《ん?ダメだったか?》


衝撃だ…まさか粘土だったとは…

ちなみに、漆黒のムックは俺にくれるそうだ。

ショックのあまり地上に帰りそうになったが、まだ聞きたいことはあるのだ。

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