表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王種  作者: のんびりMUCC
序章
1/104

第1話 死亡そして新たな目覚め

素人です。

初めての執筆、投稿なので至らない点が多々あると思いますが、ご容赦を。


ご指摘・アドバイス、もちろん感想もお待ちしております。

仕事が忙しい為、投稿は不定期になります。

よろしくお願いします!

いつからこうなったのだろう。


いきなり後悔している俺はカルビを食べるとすぐに胃もたれする、35歳社畜だ。

柔道、空手、キックボクシング、護身柔術等など、今考えても何故?と思う事に青春のほとんどを捧げ。

大学を卒業後は超大手とは言えないものの、奇跡的に、それなりの会社に就職。

ある程度何でも人並み以上にこなせた俺は、異例の速さで出世し2度目の奇跡を起こす事に。

ある日、とある中小企業からオファーが来た。

ヘッドハンティングってやつだ


日本の匠の技術や新たなパワーブランドの原石は中小企業に眠っている!

という幻想を持つ俺は、同棲中の婚約者に相談。


「私はあなたについて行くって決めてるから」ニコッ


事業内容は興味深く、自分の知識や経験が今以上に必要とされ活かせる。

数ヶ月後、俺は新天地へ。

辺鄙な所だとは聞いていたが、予想以上だ。

まぁ、静かな場所も悪くない…

はっきり言ってド田舎だ。


問題は新しい職場。大きな企業で働いて来た俺は唖然とした。

事業所は新築だ。

つまり事業所の立ち上げ、0からのスタートだったのだ。

それだけならまだいい。


転職するまで、いや出勤するまで考えもしなかった問題があったのだ。

転職先の企業としてのレベルだ。

必要最低限以下の従業員数、事務員不在、発注書の1枚も無い惨状。


俺は奔走した。

従業員の教育から備品の買い出し、一般事務から営業配達。

ありとあらゆる業務を丸投げされた俺は、休みもまともに取れず、婚約者は嫌気が差して実家に帰り別々の道を歩む事に…

(あなたについて行くって決めてるから//って言われてた頃が懐かしい…)


完全に盲点だった。

こんな巫山戯た企業もある。


目眩を感じ、視界が突然ブラックアウト。

目を開けると見知らぬ天井…

どうやら病院の様だ。


「何だよ!病院かよ!!散々コキ使われたんだぞ!!異世界転生とかして第2の人生を自由気ままに生きる!とかだろ!」


と厨二病みたいな事を言いつつ、ふと横を見ると、俺が寝ている…


「…!?」


過労で死んでいた。


「マジかよ…」


でも何故か、とても冷静だ。


「兄貴の結婚式には参加出来なかったし、俺自身結婚も出来ないまま終わっちまったぞ…」


意識が薄れて行く…

まぁ、人生なんてそんなもんか!

異世界転生を期待する前に、先ずは天国か地獄か!ココが大事だ。


「神様…俺社畜やってたんです…せめて天国行きでお願いします…」


目が醒めた。

木々の間からは太陽が眩しく輝いている。

眩しい太陽と雲ひとつ無い青い空青い空。俺は望み通り天国行きになったようである。

(地獄に青空はあるまい!)


「神様!サンキュー!!」


『おーい!大丈夫かー!?』


「……え?何?」


目の前には見慣れぬ服装のおじさん…


『気が付いたみたいだな!死んでるかと思ったぞ』


神様か?すごく嬉しそうだ。


「すいません、ここは死後の世界ですよね?」

『ん?何言ってんだ!此処はヴィエン王国のパマスだぞ!』

「…詳しく聞かせてもらっていいですか?」


このシジィ何言ってんだ?と思いつつ話を聞くと、どうやら此処は地球の日本国ではなく、俺の知らない世界のようだ。

(不味いな、嘘ついてる様には見えん…)


『にぃちゃんは此処で何してたんだ?』


にぃちゃん?何となく若返った様な気がするが…それはいいとして何してたも何も、今目覚めたとこなのだ。

(何がどうなってるのかさっぱりだ…余計な事は口走らない方がいいかもな…)


「…実は、何も思い出せないんです。どうやって此処に来たのか…自分の名前さえも分からない…」

『しょうがねぇ!街まで連れて行ってやるよ!俺はほっとけねぇ質だからよ』

「ありがとうございます」


『俺はジークってんだ!よろしくな!』


街が見えて来た。

中世のヨーロッパ…の田舎町って感じの街並み。

ちらほら尻尾が生えてる人も居る。まさに異世界だ。しかし、記憶喪失の設定にしてしまった俺は非常に困った。

住所も名前も分からないと言わなくてはならない。何より貧乏だ、現在の所持金は0…無一文だ。


宿屋は防犯の都合上お断りされた。当然だな。

ジークが領主に事情を説明しギルドの空き部屋を使わせてもらえる事になった。

仕事はギルドの雑用だ。

草むしり、買い物、掃除…日銭をもらえて夜だけ食事が無料!中々の好待遇だ!


いつもの様にギルドで迎える朝…

冒険者達の様子はいつもと違った


『ひと月ぐらい前に魔王が倒されたらしいぞ!』


「えっ!?魔王!?」

(魔王とかいるのかよ!俺がこの世界に来たのが2週間前ぐらい…)


『お前、魔王の事も忘れてたのかー?』

「うん、何にも覚えてねーよ」

『どおりで魔物が少ねぇハズだよなーワハハ!』

(情報入るの遅っ!でも魔王居ない=平和になったって事だよな?)


夕食を済ませ部屋に戻る。

流石に気になる事が多すぎる。ボロが出ない程度にジークに色々聞いてみる事にしよう。


『よう!元気に働いてるか?』

「お陰様で、食事にもありつけてるよ」

『それはよかった!まぁ上がれよ』

「今日は色々聞きたくて来たんだ」


ジークの話では、この世界は11の国があり魔王が4名居るらしい。


「4人も居るのかよ!」

『最近まで5人な』


『でもな、魔王は倒しても何処かで新しい魔王が生まれて常に5人に戻っちまうんだ…』

(何この負のループ…)

「そうなのか…色々ありがとな、明日も早いしそろそろ戻るよ」


『おう!明日も頑張って働けよ!』



部屋に戻り横になる。

少し気になる事があるのだ。

たまに頭の中に声が聞こえる時があるのだ。


⦅あと5日⦆


こちらの世界で目覚めた頃からだ…気になるが考えても分からない。

何故か夜は死んだように眠ってしまう。

まるで体力の限界までトレーニングした時みたいだ。

これは仕事で疲れた訳ではない。何か違う原因がある様な気がするのだ。


⦅あと1日⦆


その日、この世界に来て初めて夢を見た。

目の前には超絶美人の女性

羽は無いから天使じゃないだろう。しかし、見た目は長く銀色に輝くストレートで紫の瞳…個人的には文句無しの天使だ。


⦅あなたの名前はグルナ…明日、この街を旅立つのです。

時期、魔王の種が芽吹くでしょう。

半神として生まれ変わった貴方の人生は既に動き出しているのです⦆

(半分神様って事か?…この人いきなり何なんだ?)


夢の中なのに意識ははっきりしている。


⦅また会いましょう⦆


目が覚めると朝になっていた。

(何なんだ…あの夢は…グルナ…俺の新しい名前か、街を旅立つか…金も多少貯まったし街の外には興味がある)


ギルドの受付で名前を思い出した事を告げ、もっと思い出すために旅に出ると伝えた。

冒険者登録をすると色々便利とのこと。

登録をしてもらい、みんなに挨拶、調味料やらちょっとした道具を買ったり貰ったりした。

最後はジークに挨拶だ。


「ジーク、色々世話になったな!ありがとう」


『グルナ…また遊びに来いよ!それとな、魔物は減ったが居なくなった訳じゃねぇ』


『餞別だ』


美しい反り、刃紋が輝いている。かなり上等な刀だ。


「こんなのもらっていいのかよ?」


『俺は城の兵士が持ってるようなロングソードが好きだからな!その剣は好みじゃねぇんだよワハハ

それと少しだけど持って行ってくれ』


剣と銀貨を貰った。いい奴だ。


『森を抜けると王都があるぞ!冒険者登録証があれば入れる!歩きだと3~4日掛かるが道中にいくつか街がある。頑張れよ!』


「サンキュー、また遊びにくるよ」


ジークと別れ、街から出た。良く考えれば、目覚めてから街の外に出たのは初めてだったのだ。

森の中だが、車が通れるぐらいの道がある。

迷うことはなさそうだ。暫く歩くと木々の間に川が見えた


「川…少し休憩するか」


キレイな川だ。この世界に来て初めて目にするものばかり、しかも時間に縛られる事も無い。のんびりしようと思う。


⦅始まりました⦆


突然、頭の中に声が響いた。


「体が熱い…痛い…!!」


俺の意識はそこで途切れてしまった。

突然、死を感じる程の激痛に襲われた俺の視界は、またしてもブラックアウト。


その後、俺の異世界生活は更なる変化を遂げるのだが、それを知らない俺は第2の人生がスタートしたばかりなのに、また殺すつもりか!と神様に文句を言いながら意識不明になったのであった。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ