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61 次の日

 次の日になってもセラは目覚めなかった。学園にはエディが伝え、セラは暫く休む事になった。昨日の出来事は国王陛下にも伝えられ、医務官が呼ばれた。


「セラの様子は?」

「眠っているだけで。身体に影響はありません。ただ……」

「ただ?」

「魔力が非常に減少しております。セラ様が倒れる前に何かありませんでしたか?私に言いにくい事があれば、老師をお呼びいたしますか?」


 オルフェは少し考えたあと、医務官に言った。


「そうだな……老師を呼んでくれ」

「分かりました。では私はいったん戻って、老師をお呼びいたします。もし、セラ嬢が目覚めた際はこの薬を飲ませてあげて下さい。体力を回復させるものです」

「分かった。今日中に来る様に老師に伝えてくれ」

「畏まりました」


 そう言うと医務官はすぐに出て行った。




◇ ◇ ◇




 暫くすると老師がすぐにやって来た。


「全く、老いぼれをこき使いよって……セラはどこじゃ?」

「すみません……セラはこちらです」

「ふむ」


 アトスも先程の医務官同様に、セラを診た。


「ふむ、眠っているだけだな。どこも問題は無い」

「そうですか……」

「で、何があったんじゃ?」

「はい。実は」


 ここまでの経緯をオルフェは話し始めた。アトスはオルフェが全て話しを終えるまで黙って聞いていた。


「殿下」

「はい」

「この事を知っている者は?」

「その場にいた、友人たちだけです。信頼出来る者たちなので、誰にも話していません。そして、今話した老師だけです」

「陛下にも言っておらんのか?」

「はい。一応、老師に確認を取ってからと思いまして……あまり人に広げるものではありませんから。例え親でも……ね」

「ほほう……」


 アトスはオルフェの考えに感心した。今までのオルフェは少し頭の良い子供……という事だったが、ここにきて王の風格を見せてきた。アトスは次世代が育っていく様子に嬉しさが込み上がった。


 アトスは取り敢えずその事は置いといて話を進めた。


「なる程の……分かった。結論から言うと、セラは精霊の愛し子と呼ばれる。数年に一度……いや、数百年、数千年に一度現れると言われている。今となっては伝説で信じられとらんがな」

「精霊の……愛し子……」

「古い文献を調べてみると良い。詳しくは書かれとらんかもしれないが、無いよりは良かろう。儂から陛下に伝えておく」

「お願いします」

「司書にも伝えておくから、いつ来ても良いぞ」

「すみません。お願いします。今日はセラの傍に居ます」

「そうか、まぁそれが良いだろう。安心せい、セラは疲れて眠っておるだけだ。初めて自身の力を使って身体の方がついて来れなかったのだろう」

「そう……ですか……」


 そう言ってアトスは陛下にこの事を伝えるべく、城へと戻った。


「セラ……君は、何者なんだい……」


 オルフェの言葉は静かに消えていった。

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