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57 お願い

『あのね~』

『このがくえんのどこかにね』

『ぼくたちのゆびわがあるの』

『それをね、さがしてほしいの』

「でも、手掛かりが何もないと……」

『それならだいじょうぶ!』


 精霊たちはそう言うとセラの目の前に宝石を出した。


『これはね、さがしてほしいゆびわと、ついとなるいしなんだ』

『このいしが、はんのうすると、ちかくにゆびわがあるから』

『みつけやすいよ』

『ほんとうは』

『ぼくたちがさがしたいんだけど』

『いやなけはいがあるんだ』

『だからセラにかわりにさがしてほしいんだ』

『おねがいしてもいい?』


 一生懸命お願いをする精霊たちにセラはニコッと笑った。


「良いですよ。指輪を探せば良いんですね?何色の指輪ですか?」

『!!』

『ありがとう!』

『あのねきれいなあおいろなの』

『あとね』

『たいようのひかりにかざすと、おれんじにひかって~』

『つきあかりにかざすとしろくかがやくの』

『みつけたらまたここにきて』

『おねがいね~』


 そう言うと精霊たちは消えていなくなった。残ったのは精霊たちがセラに渡した宝石のみとなった。セラは自室に戻ると早速宝石を入れるアクセを作った。小さな宝石の為、元々付けていた白い水晶に合わせて取り付けた。明日から早速ネーヴェを連れて探しに行こうと思った。ネーヴェは白い水晶を見つけてきた経緯もあるから期待した。




◇ ◇ ◇




 次の日、オルフェたちと共に指輪を探す為、まずは初等部に来ていた。お昼を食べている時に昨日会った事を話してみたのだ。すると皆、協力してくれると言ってくれたので甘える事にしたのだ。


「ネーヴェ、何か見つけたら教えてね?」

「キュア」


 ネーヴェは今は子犬位の大きさでいる。本来の姿は初めて会った時に比べ大分大きく成長した。今は人が三人乗っても余裕な程大きい。自分の大きさを変えられるみたいで今は邪魔にならない様小さな姿でいる。他の皆の使い魔も指輪探しに協力する為、地上に出ていた。


 精霊たちのお願いはとても興味深い物だった為、精霊の研究をしていたベンジャミンがセラに沢山質問していた。ベンジャミンは将来、魔法塔で研究者として働きたいと言っていた。セラもそれを応援する為、自分が分かっている事は全て話していた。


「なるほどな……精霊については分からない事が多かったから、セラ嬢が協力してくれて助かったわ。ありがとな」

「いえ、こちらこそ。お役に立てれて良かったです」

「また、聞くかもしれないがその時はよろしく」

「分かりました」

「それにしても、まさか精霊に会えただけでなくてお願いもされるなんてね」

「クリス様、私たちもベンジャミン様に協力してみませんか?共同研究で、もしかしたらお役に立てるかも」

「それ、良いかもしれないな……クリス、エイベル、協力してくれないか?」

「別に構わないよ。俺は今ギルドに入って森とか色んな所に行ってるし、クリスは魔術研究してるから研究の幅が増えるかもな」


 三人は共同研究の話に盛り上がり、アメリアたちも三人に協力する事になった。セラはオルフェとエディ、ユリアと共に指輪を探す事になった。この場にいないソルトとアヴァンは他国の事を学ぶ為留学していた。


「さて、普通教室とかは見たから特別教室にでも行こうか」

「そうね、今日は建物だけ見て回りましょ」


 しかし建物を全て周ったがそれらしい反応はなかった。次の日もまたその次の日も、中庭や温室といった場所も周ったが見遣わなかった。もしかして学園の外にあるかと思っていると、学園の敷地内の一部に森が広がっている所があった。エーゼルがたまたまベンジャミンたちとの研究の為に学園の敷地を見ていた時に気付いた。見ていない場所はそこしかなかったので、見つかれば良いなと誰もが思った。


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