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56 昨日の事

 お茶会に皆を呼び昨日会った出来事を話した。皆驚きの表情を見せた。


「まさか、精霊が接触してくるとは……」

「オルフェ様すみません。あの時実は声をかけられたんです。でも一人で来る様に言われたので、危ないとは思ったのですが大丈夫な感じがしたので一人で行ってしまいました……すみません」

「本来ならそんな危ない真似はして欲しくないけど、セラは危険じゃないと判断したのだろう?ならセラの好きにすれば良いよ。でも、危険だと感じたらすぐに私たちに言うんだよ?」

「分かりました」


 そのあとはどんな精霊だったか、姿だったかを話した。セラも簡単な絵を描き楽しそうに話した。そしてお茶会の終わりの頃にエディが話しかけた。


「それで皆さんに相談……いえ、お願いがあるんですが……」

「エディ様、何ですの?」

「今日話した精霊についてはここだけの話にして貰いたいんです。殿下、殿下は陛下には報告して下さい。あとは陛下の指示に従います。セラも誰にも話してはいけないよ」

「分かりました。義兄様」


 皆に精霊を話した一週間後にアーレンに呼ばれローファスとエディと共に城にやって来た。


「すまないな、来て貰って」

「いえ」

「早速だが、オルフェに話した事をもう一度話してくれるか?」

「分かりました」


 そして、オルフェたちに話した事をアーレンに話すと、アーレンは手を顎に当てて考え込んだ。その様子を暫く眺めているとアーレンは今度は手を組んで口を開いた。


「セラ嬢は精霊についてどこまで知っているか?」

「本の物語に出て来るとしか……それまでお伽話だとしか思っていませんでした」

「ふむ、そうだろうな。それが普通の常識だ。しかし、精霊は存在する。精霊が見える者は殆どいないが感じる事が出来る者は少ないがいる。セラ嬢の様に見える者はいない」

「そうなのですか……」

「セラ嬢」

「はい」

「この事は誰にも言ってはならん。精霊の存在を知っている者がその存在を見る事が出来るセラ嬢を利用しようとする者が必ず現れる。そうなれば、どんな事になるか分からない。君を守る為にもこれ以上知られない方が良いだろう。私たちも全力で君を守る為に力を貸そう」

「……ありがとうございます」

「セラ、大丈夫。俺たちが着いているから」


 不安そうにするセラを落ち着かせながら、今後について話し合った。セラが精霊から聞いた情報を確認した。これから大変になるという事は何かが起こるという事だ。精霊は、嘘はつかないという事からその対処はどうするか考えた。


 結論からエディとオルフェが基本的に一緒にいる事で落ち着いた。三人で一緒にいる事が出来なくても、二人のうちどちらかがセラといる事、二人がセラについていられなくとも、エーゼルたちに頼みセラを一人にさせない様にするしかなかった。


 その夜、セラは星空を眺めていた。昼間の事があり目が冴えてしまっていた。ずっとこうしていてもいけないので少し散歩をする事にした。外に出ると夜風が気持ち良かった。寮の周りを歩いていると一か所明るい場所が出て来た。近くまで行くと精霊たちがいた。


『あっ!』

『セラだぁ!』

『こんばんは~』

『セラのへやにいかなくてすんだね』

『ね~』


 精霊たちがセラの周りを嬉しそうに飛び回った。セラは精霊たちが自分の部屋を訪れるつもりだった事に驚いた。


「私に何か御用だったのですか?」


 セラが理由を尋ねると精霊たちは口々に言った。


『あのね~?』

『セラにね~』

『おねがいがあるの!』

「お願い?」

『そう!』

『やってほしいことがあるの』

『きょうりょくして~』

『おねがい~』


 そう言うと精霊たちはお願いの内容を話し始めた。


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