46 婚約者
次の休みの日寮の前に城から馬車が来てエリーと共に乗った。城に着くと兵士に案内され城の一室に通された。暫くするとドアと叩く音がした。エリーがドアの方へ行き扉を開けるとそこにはローファスが立って居た。
「義父様!」
「セラ元気にしてましたか?」
「義父様も……どうしてここに?」
「陛下に呼ばれて来たんですよ」
ローファスはそう言うとセラの頭を優しく撫でた。アデルも一緒に来たかった様だがアリスが少し熱を出してしまいいけなくなってしまったと言う事だった。
「アリスは大丈夫なのですか!」
「大丈夫ですよ。熱があるだけで咳や食欲が無いと言う訳では無いので」
「それなら良いのですが……」
「アリスやイアンもセラに会いたがってますから会いに来て下さいね」
「分かりました」
ローファスと学園生活の事を話して居るとアーレンとアレーナ、そしてオルフェが入って来た。
「待たせてすまないな」
「いえ」
三人はセラたちの前のソファーに座った。突然呼び出されて何故呼び出されたのかセラは不安に思ったがアーレンたちの表情を見る限りそこまで心配する必要もなかった様だ。
「では本題に入ろうか」
「何の話でしょうか?」
「あぁオルフェとセラ嬢の事だ」
「二人の?」
「実はセラ嬢をオルフェの婚約者にしたいと思っている」
「殿下の!?」
「そうだ」
話を聞くとオルフェにはまだ婚約者がいなかったらしい。この歳でまだいないのには訳があった。婚約者候補も多数考えていたがオルフェが強くセラ以外には考えられないと断っていたそうだ。セラが婚約者にならないのであれば養子を取る事も考えていたそうだ。
「どうだろうか。セラ嬢が断るのであればこの話は無かった事でも良い」
「私は……」
「まぁ急な話だ。無理強いはしない」
「いえ、オルフェ様……殿下に私が相応しいとは……」
「相応しい、相応しくは関係無い。大事なの自分の気持ちだ。セラ嬢はどうしたい?オルフェと婚約は嫌か?」
セラは暫く悩んだ末口を開いた。
「私は……オルフェ様が好きです。でも私の過去が知られれば殿下の汚点に欠点になりませんか。ですから私は……」
「セラ嬢」
今まで黙って聞いていたオルフェが口を開いた。
「私はセラ嬢が汚点になるとは思いません。いつも努力し周囲を認めさせ自分の地位を確立しているのは紛れもないセラ嬢の努力の賜物です。それにあれの事は当人同士の問題だと思っています。他の者に言われる筋合いはありません。……どうか私の婚約者、大人になり結婚して共に生きてくれませんか?」
オルフェの突然の告白にセラは驚いた。まさか自分の事を好きだとは思は無かったのだ。セラはオルフェの顔をじっと見つめた。真剣な表情のオルフェに自分の事を真剣に考えてくれている事が分かったセラは決意をした。
「はい……」
「えっ」
「私で……良ければ……あの、よろしくお願いします」
セラの言葉に初めこそオルフェはポカンと呆けていたがすぐに歓喜の声を上げた。
「本当かい!本当に婚約者になってくれるかい!」
「はっはい!」
「ありがとう、セラ!」
そう言うとオルフェはセラに抱き着いた。驚きのあまりセラは固まった。周りも驚き暫く皆固まっていたが一早く正気を取り戻したローファスはオルフェを引き剥がした。
「殿下?セラの婚約は認めましたが抱き着く事は認めて居ませんよ?」
「公爵、セラ嬢とは婚約したのです。抱く位は当然かと」
セラは二人の様子を見ながら顔を真っ赤にした。その様子をアーレンとアリーナはにこにことしながら見ていた。
こうして無事オルフェとセラは婚約者となったそして五年の月日が流れた。




