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45 男子生徒

 ルーンと共に図書館へやって来たセラは早速本を読む為に本を選んでいたがずっと傍でルーンが話しかけていた。図書館なのだから静かにして欲しいと思ったが話しかけると嬉しそうにそれ以上に話しかけて来る為黙るしかなかった。


「あの本を読むので静かにして貰えませんか?」


 本を読む時になっても話しかけて来る為セラは仕方無く黙って貰える様に話しかけた。


「そんな事言わずに話をしましょう」

「ここは本を読む所です。読まないのであれば出て行って貰えますか?」

「ならこんな所早く出て一緒にお茶をしましょう?」

「こんな所?本は先人たちの考え方や小説や物語など様々な見聞を深められる場所です。それをこんな所?ふざけないで下さい。私は本を読みにここへ来たのです。本を読まないのであれば出て行って下さい。邪魔です」

「それはすみません。言い過ぎました……しかし今日は休息してはどうですか?休息も大事な事ですよ?」


 セラがはっきりと邪魔だと言っているのにも関わらず話を聞かないルーンに嫌気がさしてきた。この状況をどうしようかと考えていると後ろから声を掛けられた。


「何をしている?」

「オルフェ様」


 声を掛けてきた人物はオルフェだった突然の王太子殿下の登場にルーンは驚きたじろいた。


「王太子……殿下……」

「あぁこの学園にいる間は他の者と同じだからそこまで畏まらなくて良いよ。それより何をしているのかな?」

「彼女をお茶に誘っていただけですよ?」

「その割には嫌がっていた様だが?」

「そんな筈無いじゃないですか!今彼女の了承を得た所ですよ」

「なっ!」


 断ったのにも関わらず了承された事にセラは憤りを感じた。嘘を付かれたのでオルフェにそう伝えようと口を開こうとしたら先にオルフェが口を開いた。


「不愉快だ」

「えっ?殿下?」

「お前嘘を付いたな?」

「そんなっ!殿下に対して嘘なんて」

「先程までの話聞いていないとでも思ったか?」

「えっ……」

「セラとの会話ずっと聞いていた。セラはお前の誘いを断っていた。なのにお前はしつこく付き纏っていたな?」

「そっそんな事していませ……」

「黙れ。それに他の生徒からも苦情が来ている。これからお前はこの学園では無くヘトラ学園へ向かって貰う」

「ヘッヘトラ学園!そんな!」


 ロスタリア学園が表向きの学園ならばヘトラ学園は裏の学園だ。ヘトラ学園は問題児が集められる学園でこのロスタリア学園で問題を起こし学園に居られ無くなった生徒の救済措置として作られた。そこで根性を叩き直され問題無しと判断されればロスタリア学園へ戻る事が出来るが大抵の生徒は戻って来れずヘトラ学園から出える事は出来無かった。


「そんなお許し下さい!」

「もう決まった事だ。これからの行いを正す事だな。そうすれば確率は低いが戻って来られるしな」


 オルフェがそう言うと、それを合図に教員たちが入って来た。そしてルーンは両脇を抱えられて引きずられる様にして連れて行かれた。


「オルフェ様ありがとうございます。助かりました。ずっと付き纏われて迷惑していたので……」

「良かった。セラが他の男子生徒とこの図書館へ向かうのを見た時気が気じゃなかった……」

「オルフェ様」

「でも何事も無くて良かった。これからは一人で居ちゃ駄目だよ?」

「はい……」


 何故一人で居ては駄目なのか疑問を持ったがオルフェの言う事は何かしら理由があるので言う事を聞く事にした。


「これから毎日迎えに行くから教室で待って居て」

「毎日ですか!大変なのでは?」

「全く?セラと一緒に居られるなら苦では無いよ」


 そうして翌日からオルフェが迎えに来てくれる事になった。オルフェの他に偶にエディやユリアなど他の人も一緒に来てくれる事もあった。


 そしてある日の事、城の使者が来て城へ来る様に伝えられた。


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