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40 小竜について

 翌日他の皆も集まって小竜のお披露目となった。


「先日卵から産まれた小竜です。名前はネーヴェです」


 小竜を抱き上げて皆に見せると目をキラキラさせて興味深そうに見つめていた。


「私のヒルエも可愛いですけど、セラの使い魔も可愛らしいですわね」

「でも産まれたばかりと言う割にもう既に大きいわね」

「そうなんです。私もびっくりしています」


 それから図書館に移動し竜について調べる事になった。


「ここからが竜にまつわる記述が書かれている資料だ。皆手分けして調べよう」


 エディがそう言い各自資料を選び始めた。セラも小竜と共に資料を探し始めた。沢山書物がありどれから手を付けて良いか分からなかった。取り敢えず手前の方から調べて行く事にした。


「えーっとまずはこれから調べましょうか」

「キュアッ!」

「えっ……ネーヴェ?これじゃないんですか?えっこれですか?」


 最初に手に取ろうとした本をネーヴェはその本じゃないと言っているみたいに邪魔をした。そしてこの本だと言う様に教えた。ネーヴェが教えてくれた本を手に取り皆が居る元へ戻って行った。


「セラ、何か良い本見つけた?」

「ネーヴェがこの本を見つけてくれたんです」

「随分古い本ね……」


 セラが、ネーヴェが選んだ本は表紙がボロボロで題名も掠れていて読めなかった。古い本であった為簡単に破けそうであった為慎重に読み進めて行った。読み進めて行くと気になる記述を見つけた。


「これは……」


 その記述を読もうと思った時声を掛けられた。


「セラー!そろそろ閉館の時間だよー」

「早くしませんと迷惑が掛かりますわよ」


 エーゼルとアナベルが呼ばれ仕方なく本を閉じた。本を持ち司書に借りる手続きをしようとしたら可笑しな事が起こった。


「あれ?この本……この図書館の本じゃないね……」

「えっ……」

「この図書館に置いてある物は全て登録がしてあるんだ。だがこの本は登録がされていない。誰かが持ち込んで置いていくしかないんだが……」


 悩んでいる司書に対してエディが質問した。


「何か問題があるのか?」

「あぁ、この図書館に持ち込まれた物は基本的に置いて置けないんだ。つまり登録していない物があると全て弾かれる様に術式が組み込まれている。例えばここに忘れ物があったとする。するとその忘れ物、もしくは意図的に置いて置かれた物は元の持ち主の元へと転送される仕組みになっているんだ」

「つまりここで失くした物は戻って来るという事か?」

「その通りだ。それは午前零時に毎日発動される。つまりその古い本は今日置かれた物という事になるんだが……」

「ならここに置いて置けば元の持ち主の元へ転送されるんじゃないか?」

「そうなんだが、今日はお前さんたち以外に利用者は居ないんだ。昨日もここに来た者は居ないから忘れ物なんてある筈が無いんだ……」

「それは……」


 古い本を見つめ皆が不思議に思って居るとネーヴェが古い本を見つめ鳴いた。


「キュアッ!キュアッ!」

「あっ……駄目ですよ、ネーヴェ。大切な本なんですから」

「キュルルル」

「ネーヴェ……」


 先程まで大人しくして居たネーヴェが、急に暴れ出して驚いて宥めて居ると司書が優しくネーヴェの頭を撫でた。


「ふーむ……本当は駄目なんだが、この古い本お前さんにやるよ」

「えっ!」

「この本はお前さんが見つけた物だし、何しろこんだけ古い本だ。普通は肌身離さず持っているか大切に保管する筈だ。それがここにあると言う事は何か意味があるかもしれん。まぁ持ち主が見つかったらそん時知らせるから返してくれ。それまではこの本はお前さんの物だ」

「ですが……」

「司書の俺が良いって言ってんだ貰ってくれ」

「では……ありがとうございます。大切にします」

「おう、そうしてくれ」


 こうして謎の古い本はセラの物となった。セラが本を受け取ると先程まで鳴いて暴れていたネーヴェは大人しくなった。


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