38 小竜の名前
翌日目を覚ますと小竜がセラの枕元で眠って居た。
「キュー……キュルルルルル……キュー……キュルルル……」
気持ち良さそうに眠る小竜の頭を優しく撫でてやると小さなあくびをして起きた。
「おはようございます」
「キュア!」
小竜に挨拶をすると嬉しそうに返事をした。セラが着替えをする為にエリーの元に行くと小竜も一緒に付いて来た。産まれてから小竜はセラの後ろを付いて回って居た。どこへ行くのにも一緒だ。
「小竜さんこっちです」
「キュアッ!」
小竜が付いて来れる様にいつもより速度を落として歩いて居た。廊下で散歩をして居ると前の方からエディとアリスが歩いて来た。
「ねぇたま!」
「義兄様、アリス、おはようございます」
「おはようごじゃいます」
「おはよう。セラは小竜の散歩かい?」
「はい」
小竜を抱き上げてエディたちの元へ向かう。アリスは小竜見たのが今日が初めてだった為、興味津々で近付いた。
「キュルルル」
小竜がアリスに向かって鳴くとアリスは嬉しそうにはしゃいだ。小竜の尻尾を握り引っ張ったりしていたが小竜は少し顔を顰めたがアリスを突き飛ばす様な事はせずなすがままになっていた。
「アリス、それでは小竜が痛いよ。こうして撫でて上げるんだ。握ったり引っ張ったりしてはいけないよ」
「りゅうしゃん、いたいいたい?」
「そうだよ。アリスも転んだら痛くて泣いちゃうだろ?」
「うん……りゅうしゃんごめんね。なでなでしたげる」
小竜は今度は顔を顰めずに気持ち良さそうに目を細めた。
「良かったですね。小竜さん」
セラが嬉しそうに言うとエディが聞いて来た。
「小竜だと種族の名称だから名前を付けて挙げたら?小竜も懐いてるし付けても問題は無いと思うよ」
「名前……小竜さん、名前を付けても良いですか?」
「キュキューイッ!」
嬉しそうに答える小竜にセラは名前を付けて挙げる事にした。
「うーん……まだ考えているのでもう少し待ってて下さいね」
「キュアッ」
そうして名前を考える為、邸の図書室に来た。ここでなら良い名前が浮かぶと思ったからである。
「ここなら色んな事が分かりますし良い名前を付けますね」
「キュア」
そうして色んな本を読みながら夜まで考えていた。夕飯の時間になりセラは食堂へと向かった。
「セラ様、名前は決まりましたか?」
「はい。でも今は内緒です」
「あら……教えて下さいよ」
「ふふっ、駄目です」
食堂に着くともう既に皆が待って居た。
「セラ、この時間まで図書室に居たのですか?」
「はい」
「良い名前は考えられました?」
「はい。名前は決める事が出来ました」
「食事を終えたら教えて下さいね」
「分かりました」
食事を食べ進め最後のデザートを食べているとアリスが声を掛けてきた。
「ねえたま!こりゅうのなまえはなんていうの?そろそろおしえて!」
「アリスまだ食事中だから後でにしましょう?」
「だってきになるんだもん。おかあさまもそうでしょ」
アリスがそう言って居るのを見てセラはニコッと微笑んだ。
「アリスが待ち切れ無い様なので言いますね」
小竜を呼んで自分の膝に乗せると小竜の頭を優しく撫でた。
「この子の名前はネーヴェです。ネーヴェこれからよろしくお願いします」
「キュアーーーー」
小竜改めネーヴェは嬉しそうに鳴いた。




