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37 白い獣

冬休みに入りエディとセラは邸に戻って居た。勿論卵も一緒だ。卵を持ち帰ると皆に驚かれたが理由を説明した所卵を置くスペースと部屋をずっと一定に温度が保たれる様に魔術具を置いて貰った。


「これなら今の季節でも部屋が寒くなる事はありませんよ」

「ありがとうございます」


 アデルと共に部屋に居るとイアンがやって来た。


「ねえさま、ぼくもたまごさわっていいですか?」

「えぇ、ぜひ触って下さい」

「わぁ!」


 イアンが嬉しそうに卵を撫でる。すると卵が微かに揺れた。


「ねえさま!たまごがっ!」

「えっ?」


 見ると卵がゆらゆらと揺れていた。


「卵が揺れてる……」

「もうすぐうまれてくるんじゃないですか!」

「まぁ大変!ローファス様に言って来なくては」


 慌ただしく出て行くアデルを見た後、もう一度卵に向き直った。


「やっと生まれるんですね。ふふ、あなたはどんな姿をして居るんですか?」


 そう卵に問い掛けると答えるようにまたゆらゆらと小さく揺れた。


 卵が動いてから三日が経った。だけどそれ以降は何の変化も無かった。


「いつ生まれてくるのかしら……みんな後少しと言っていたけれど……」


 卵を優しく撫でて居るとエディが入って来た。


「義兄様」

「セラ卵の様子はどうだい?」

「いつも通りです……いつ産まれて来るのでしょうか……私が何かいけないんでしょうか」


 悲しそうな顔をするセラにエディは頭を撫でた。


「大丈夫。そんなに心配しなくても無事に産まれて来るよ。今は多分力を溜めて居るんだと思うよ」

「力を溜める?」

「使い魔は元は魔物だから魔力を十分に溜め込んでから卵から産まれるんだ。でも卵が揺れたって事はもうすぐ産まれて来る合図になっている。後少しだからもう少し待って居よう」

「はい」


 そこからさらに三日が経ちついにその日が来た。


 その日はとても寒い日だった。この日はソファエト祭り。丸鳥を焼いて星に願いを込めながら丸鳥を切り分け、今年一年を感謝しながら過ごす日だ。それは貴族も平民も関係なく同じ祝いをする。外は昨夜から続いた雪で五十センチは積もっていた。セラはエディーたちと外で暗くなるまで外で遊び続けた。


 「さぁそろそろ丸鳥を切りましょうか」


 夜が深まりセラの邸でも使用人を交えてパーティーをして居た。パーティーも終盤になり丸鳥を切り分けようとしていた。


「––––––––––––––––」

「?」


 聞きなれない音にセラは驚いた。だが他の人は気づいていない様子だった。もう一度耳を澄ますと確かに聞こえてくる。


「義父様……」

「どうしましたセラ?」


 いつもと様子が違うセラに丸鳥を切り分ける手を止めて手を拭いた。


「声が聞こえるんです」

「声?」

「はい。こっちです」


 そう言うとセラはホールを飛び出した。セラは何故かすぐに行かなくてはいけない、そんな気がして急いで声のする方に向かった。声のする方向に向かうと一つの扉に辿り着いた。そこは卵のある部屋だった。急いで扉を開けるとそこは昼間なんじゃないかと思う位明るかった。それは卵が光り輝いていた。


 セラは眩しさに耐えながら卵の傍によるとより強く卵が光り輝いた。眩しさに耐えきれず目を瞑るとピシピシっと音がした。


パンッ


 破裂音にびっくりし目を開けると卵は消えて代わりに白い獣が居た。


「きゅう」


 白い獣は一声鳴くとセラに飛び着いた。


「わわっ」


 支え切れず尻餅を付いた所にローファスたちが到着した。皆驚きの表情を浮かべて居る。


「義父様」

「これは……それにその魔獣は……」


 皆が驚くのも無理は無い。そこに居た白い獣とは竜の事だった。


ストックしていた話が切れてしまったので来週から一話ずつとなります。

コロナで大変だと思いますが手洗いをしっかり、他人が触れたものは触らない。これだけでも予防になるので皆さん頑張って行きましょう!

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