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33 使用人

 部屋に戻った後は授業の復習をし、エーゼルと二人で夜深くまで話し込んだ。


 朝日が差し込み日の光で目が覚めた。いつの間にか寝落ちしてしまったようだった。エーゼルは隣でまだ寝て居た為、起こさずに顔を洗いに行った。顔を洗った後、教科書の用意をして居ると扉のノックが聞こえた。


「はい」


 返事をすると扉の外から女性の声が聞こえた。


「失礼します。エーゼル様の部屋で間違いは無いでしょうか?」

「そうですが……あなたは?」

「失礼しました。エーゼル様の侍女のトア・テンリールと申します。ここを開けて頂けませんか?」


 そう言われてセラは戸惑った。幾らエーゼルの知り合いだからと言って自分が知っている訳でも無いので待って貰う事にした。


「すみません。少し待って貰えますか?」

「分かりました」


 そしてすぐに眠って居るエーゼルを起こした。


「起きて下さい。エーゼル、トアと言う侍女が来てますよ?」

「うーん、トアが?」

「はい。私は会った事は無いので判断して貰えますか?」

「分かったわ。トア、聞こえる?」


 エーゼルがトアに声を掛けるとすぐに返事が返ってきた。


「おはようございます。お嬢様、トアです。旦那様の命により私が来ました」

「どうやら本物ね。今開けるから待って」


 そうして扉を開けると、少しウェーブのかかった金髪の女性が立って居た。


「あなたが来たのね。遠くまでご苦労様」

「お嬢様の為ならどこへだって行きますよ」


 二人が話をして居ると扉の向こうから声が聞こえてきた。


「お嬢様!」

「エリー!」


 エリーが来てくれた事でセラの身の回りはあっと言う間に綺麗になった。


「お嬢様が元気そうで良かったです」

「まだ二日しか経ってませんよ」

「それでもです。お嬢様は身体が弱いんですから、環境の変化でストレスが堪るんですから」


 それからトアとエリーが二人の準備をし食堂へと向かった。食堂に着くと生徒の他に執事や侍女も居た。


「ここの生徒は必ず執事か侍女が付くんですよ。それは貴族に限らず平民も付きます。貴族は私たちのように自分の邸から来ますが平民の子たちは普通は居ないので執事と侍女の学園から来るんです」

「執事と侍女の学園もあるんですか?」

「ありますよ。私もその学園を卒業しているんです。私も学生時代はここで実習をして居ました」

「勉強と両立って大変じゃありませんでした?」

「そうですね。大変ではありましたが同じ敷地内でしたし授業も九時から十四時までと短いじかんでしたのでそこまで大変では無かったですね」


 そうエリーが言うとエーゼルが羨ましそうにしていた。


「えぇ!良いなぁ。そんな早い時間で帰れるんだぁ。私も侍女になろうかなぁ」

「そんな事ありませんよ。確かに早く授業は終わりますが、その後すぐに課題を終わらせて担当の生徒の所に行って世話をするんですから」

「えぇ……それは嫌だなぁ……」


 そんな他愛の無い話をしながら朝食を食べて居るとあの三人が声を掛けてきた。


「ここ良いかな」

「ベンジャミン様……どうぞ?」

「ありがとう」


 そう言うと三人はセラたちの向かい側の席に座った。


「セラ嬢はそんなに少なくて足りるのか?」

「えぇ私はそんなに食べれないので……エイベル様はそんなに食べるのですね」

「まだまだ食べれるけどうちの執事がこれ以上は駄目だって言ってさ」

「当たり前です。旦那様からも食べ過ぎない様に気を付けるよう仰せ遣ってますので」


 そう言ったのはエイベルの執事だった。エイベルの執事の他に後ろに二人控えて居た。三人ともとても美形で目立って居た。


「セラ、食べ終わったし早く行こう」


 突然エーゼルがそう言い立ち上がった。


「ですが……」


 三人が座ったばかりなのにすぐに立つのは気が引けた為、躊躇って居るとエーゼルがセラの手を引いた。


「ほらほら教室行くよ」

「で、ですが……」


 そのまま手を強引に惹かれその場を後にした。残された六人はその様子を唖然と見ていた。


「やられたな」


 エイベルがそう言うと他の二人も頷いた。


「あの二人は僕たちの事をあからさまに避けてるからね」

「だよなぁ……まずは手に入れる前に友達にならないと、近づく事さえ出来無い」

「まずは信用して貰う事から始めるか……」


 三人の執事はそんな主人を見て呆れていた。


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