28 入学式
学園に着くと大勢の生徒が既に集まって居た。
「セラ、まずは受付をしましょう」
「はい」
受付の列に並び順番を待って居ると後ろが騒がしくなった。
「?」
思わず後ろを見ると沢山の女子に囲まれて三人の男子がやって来た。
「エイベル様よ」
「クリス様やベンジャミン様も居るわ」
「素敵~」
どうやらあの男の子たちは有名人のようだ。女の子に囲まれてちやほやされている。あまり近づかない方が良さそうだと感じたローファスはセラに注意を促した。
「セラ、あの三人には気を付けて下さいね。特に周りに居る女の子たちには」
「何故ですか?」
「それはいずれ分かると思いますよ。兎に角気を付けて下さいね」
「はっはい」
ローファスの圧に気圧されて頷いた。暫く並ぶとあっという間に受付の番になった。受付の男性に胸にアズカイルの花を付けて貰いクラスと座席を言われ講堂の中へ入って行った。
「セラの席はあそこです。私は後ろの席に居ますので」
「はい」
自分の席に行くとエーゼルを見つけた。
「セラ!」
「エーゼル!」
どうやらエーゼルも一緒のクラスだったらしくセラは安心した。
「良かった!セラも同じクラスだったのね!良かった!セラと一緒のクラスじゃなかったら、遠くのクラスだったらどうしようかと思っていたの」
「私もエーゼルと一緒のクラスで嬉しいです」
式が始まるまでの間二人で他愛のない話をした。続々と新入生が講堂の中へ入って来た。九時になり式が始まった。予定通り行われ、新入生の歓迎の催しから始まり、副学園長、学園長と続き最後国王の挨拶になった。この国では入学式と卒業式には国王が出席し挨拶をする習わしがあった。
「新入生の皆さん初めまして。私がこの国の王アーレン・ライト・ヒュードレインだ。今日から君たちはこの学園で生活し学んでいく。辛い事も苦しい事も沢山あると思うが君たちは一人では無い。共に過ごす仲間が居る。共に励み切磋琢磨しながら勉学に励んでいって欲しい。君たちはいずれ国の中枢や騎士団、商人になる者も居るだろう。自分の夢に向かって頑張って欲しい」
アーレンが片手を挙げ挨拶を終えると歓声が上がった。アーレンが壇上が降りるまで歓声は続いた。そして進行役の人がそれぞれのクラスに担任の名前を呼んだ。呼ばれた担任はクラスの前に立ち、全ての担任の名前が呼び終わるまで待った。呼び終わると今度はクラスごとに移動を開始した。セラのクラスはF組だったので暫く待つ事になった。人数が多い為移動まで時間が掛かったが漸くセラたちのクラスの番になった。
「では皆さん。これから自分たちが学ぶクラスに行きます。では一緒に来て下さい」
教師に言われ席から立ち一緒に着いて行く。生徒たちの後ろからその保護者たちも着いて行ったクラスに着くと教師が一人一人の名前を呼び席順を決めた。
「えーコホン。初めましてこのクラスの担当のベラ・ハーマンです。今座って貰った席は試験の時やホームルームの時以外は好きに座って頂いて構いません。今日の予定はこれで終了なので帰って頂いて結構です。明日から早速授業が始まりますので、昨日配布した教科書を忘れずに持って来て下さい。昨日の配布に来れなかった人は私と共に来て下さい」
そう言うとベラは目の前にあるプリントを魔法で一人一人に配った。
「今配布したプリントは一週間の時間割となります。失くさずに持っていて下さいね。では改めてご入学おめでとうございます」
ベラが最後にそう言うと教室を出始めた。何人かはベラの前に行き説明を受けていた。
「セラ」
「義父さま」
「これから寮に行きましょうか」
「あの先程話していたのですがエーゼルも一緒でも良いですか?」
「もちろんですよ。連れて来て下さい」
「はい!」
嬉しそうに駆け出しエーゼルの元に向かって行った。エーゼルの父ウェルも合流し一緒に寮へと向かった。寮に着くと簡単に説明を受け部屋へと向かった。部屋は二人部屋で相部屋となっている。部屋も全て決まっており運よくセラとエーゼルは一緒の部屋だった。
「ではセラ、荷物はここに置いておきますね」
「はい」
「私はこれで帰りますが、後からエリーも来ますので何かあれば言って下さいね」
「はい。休みの日には戻ります」
「楽しみにしてますよ」
そして寮の門の前まで行き別れを告げた。学園へ入った者は暫くの間は外出届は出す事は出来ないが、学園内でも退屈しないように娯楽と呼べる物が沢山ある。それで生徒たちはストレスを溜めずに生活する事が出来るのだ。
セラたちはその後部屋に戻り荷解きをしながら沢山話をした。セラは明日の授業が楽しみで仕方がなか
った。




