27 友達
出会ってすぐに仲良くなった二人は夕飯も一緒に食べる事になった。
「セラこっちの料理美味しいよ」
「ありがとうございます。これも美味しいですよ。どうぞエーゼル」
「ありがとう!」
二人で料理を分け合い楽しんだ。
「ローファス、私たちまでお邪魔して悪いな」
「いや、セラも新しい友人が出来て楽しそうですし、今日会えて良かったですよ。ウェル」
「言ってはあれだが……その子だろ?例の子は……」
「えぇそうです」
ローファスは親しい間柄の友人にはセラの事情を手紙に書いて知らせていた。ひそひそと小声でセラたちに聞こえないように話をしていると二人の楽しそうな話声が聞こえてきた。
「もう!セラったらいつまで敬語で話すのよ!友達なんだから気楽に話してくれて良いのに!」
「えーっと……これが癖になっているので……」
「むぅ……きめた!私、セラの話し方を変えて見せるわ!」
「えっ?」
「セラの敬語を無くしてみせる!友達に対する話し方にして見せるわ!」
何かを決心したように両手を握っている。その様子が可笑しくて声を上げて笑った。セラが笑ったのを見てエーゼルも声を上げて笑った。そしてお店を出た。
「じゃあまた明日ね。同じクラスに慣れると良いね!」
「はい、また明日。おやすみなさい」
「おやすみ~」
手を大きく振って別れを告げるエーゼルを見て、同じ様に小さく手を振り返した。暫くそうした後、それぞれの宿へと向かった。
「良かったですね。良い友人が出来て」
「はい。明日がとっても楽しみです」
「何かあればすぐに言って下さいね。一人で抱え込んではいけませんよ?」
「分かりました」
話をしながら今日泊まる宿まで着いた。貴族が泊まる宿なので部屋にトイレとお風呂が備え付けてある。
「今日はここに泊まりますよ。今日は疲れたでしょう。お風呂の準備は頼んであるのですぐに入れますよ。一人で入れますか」
「大丈夫です。入れます」
その後部屋に入りすぐにお風呂へ向かった。お風呂でゆっくり温まりお風呂場から出るとローファスが果実水を用意して待って居た。セラは果実水を受け取るとゆっくりとそれを飲んだ。
「お腹を壊してはいけませんからぬるめにしていますよ」
「ありがとうございます」
果実水を全部飲み終わるとベッドに向かいそのまますぐに眠りに着いた。馬車に乗って来たとはいえ長時間の長旅はセラを疲れさせるには十分だった。その様子をローファスは確認した後ワインセラーからワインを出し一口飲んだ。
「ふぅ……何とか学園に行ってくれるようで良かった。昨年はどうなるかと思ったが……あの子もセラとの相性が良さそうでよかった。まぁウェルの子だし心配はあまりしていなかったが……」
すやすやと寝息を立てて眠るセラを見ながら微笑んだ。ワインを一気に呷ると自分もベッドに入り眠りに着いた。
翌日セラよりも早く起きて準備を進めた。朝食の準備を宿の使用人に頼みセラを起こした。
「セラ起きて下さい。そろそろ朝食が来ますよ」
「ううん……義父さま……おはようございます」
セラは眠い目を擦りベッドから降りて準備を始めた。準備が終わる頃に朝食が来た。
「朝食の準備が出来ました」
「ありがとう。ここに置いてくれ」
「畏まりました」
近くのテーブルに朝食を置いて貰い席に着いた。
「九時に入学式が始まるのでそれまでゆっくりしてましょう」
「はい」
朝食で準備して貰ったのは果実水とサンドウィッチだ。セラは朝はあまり食べれないので、軽く食べられる物にして貰った。ハムとレタストマトが入った物とジャムが塗ってある物だ。
「美味しいです」
「これ位なら食べれると思ったので用意して貰いました。あまり食べれないからと言って、ちゃんと朝は食べないといけませんよ?学園に行っても寮の料理人に頼めば皆さんとは違うメニューで出して貰えるそうなので、無理して同じ物を食べなくて良いですからね。無理をして体調を崩してしまわない様に注意して下さい」
「大丈夫です。食べれない時は申し訳ないですが残す事にします」
「えぇそうして下さい」
そして出された料理を全て食べて果実水を飲んで時間までゆっくりした。
そろそろ出る時間になり荷物を持って外に出た。外に出ると昨日乗って来た馬車が待って居た。
「旦那様。お待ちしてました。いつでも出発出来ます」
「すぐに学園に向かう。そのまま出してくれ」
「畏まりました」
馬車に乗りすぐに学園へと向かった。セラは少しの恐怖と好奇心を持ちながら外の景色を眺めた。
「とても楽しみです」
「沢山学んできなさい」
ローファスとの少しの別れを惜しみながら会話を楽しんだ。




