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21.5 愛しきもの※オルフェ視点 (3)

誤字報告ありがとうございます。

何度も確認して投稿しているつもりですが間違えるものですね…気を付けます(^_^;)

 お茶会もそこそこに俺たちだけでロティリアガーデンを散策していた。


「セラ、疲れてない?」

「はい、だいじょうぶです。にいさま」

「疲れたら、すぐに言うんだよ」


 エディの家に養子となって数か月しか経っていないがセラを溺愛しているようで優しい笑顔をしていた。暫く歩いているとセラの様子が変わっていくのを感じた。


「どうしたんだい?セラ嬢。暗い顔をして……楽しくない?」

「オルフェさま……いいえ、でんか。このたびはほんとうにすみませんでした。なんとおわびすればいいのか」


 ずっと思い悩んでいたんだろう肩を震わせているセラに声をかけた。


「セラ……大丈夫。セラのおかげで俺はこうして生きているし、どこも悪くは無いだろう?それにセラの機転で無事でいることが出来たんだ。だからセラがこれ以上気に病むことは無いんだ」

「ですが……」

「謝罪は今受け取った。もしまだ気がかりならこれから俺とずっと仲良くして欲しい。俺はセラに感謝している」

「わ、たし……わたしは……」

「セラ……今は辛いかもしれない。だけど陛下もオルフェも、もちろん王妃様も君に感謝しているんだ。オルフェが言った通り気がかりならその力を国の為人の為に使っていけば良い」

「はい……はい!」


 緊張の糸が切れたのかボロボロと泣き始めたセラを抱き締め落ち着かせた。その後泣き止んだセラに目を冷やす為にハンカチを差し出した。アレーナたちの下に戻ると少し心配はされたが、俺たちの様子が柔らかくなったのを感じたのか注意はされなかった。その後セラたちと別れ城へと戻った。


「あなたのそんな表情初めて見ました」

「母上……」

「ふふっ……そんなにセラちゃんの事が気に入ったのかしら?」

「それは、母上の方では……?」

「そうね、あの子はこれから令嬢として伸びていくと思うわ。でもそれを差し引いても気に入っているでしょ」

「はぁ……えぇ、気に入りました。彼女は絶対に私が貰い受けます」

「あら」

「セラは必ず誰にも負けない令嬢として、私の王太子妃の候補に挙がります。彼女以外考えられません。絶対手に入れます」


 その様子にアレーナは驚きを隠せなかった。いつも詰まらなそうに一日を過ごしていた子が今は光に満ちたように生き生きしている。アレーナはオルフェに笑顔を向け頭を撫でた。オルフェは嫌そうに眉を顰めたがそのまま受けた。




◇ ◇ ◇




「王妃様に仰ったのですね」


 コレルにそう言われ頷いた。


「あぁ、言わなければ他の者になってしまう可能性があるからな。希望を言っておいて損は無い」


 そう言うとオルフェは含みのある笑顔をした。


「殿下……」

「なんだ?」

「その笑顔はセラ様に向けてはいけませんよ……」

「嫌われるようなことはしないさ。まぁこれからは時間を見つけて遊びに行くさ。来年は私もエディも学園へ入学しなければならないが、その翌年にはセラも多分入学するだろうしそれまでは会う事は出来ないが……」


 オルフェの言っているのは七歳から入学が決められている魔法学園の事だ。平民も入学する事が決められており、それは各家庭の金銭面によって学費が変わる。貧しい者は学費免除。貴族は高額な学費を請求される。これにより、ヒュードレイン国の学力水準は比較的伸び、また貧民街もまだ残っている所はあるが昔に比べれば随分と減ったのだ。全寮制の学園で長期の休み以外は家に戻る事は出来ないが外出届を出せば街などには外出が出来る。


「ですが長期の休みには会えるんですし、休日は手紙で遊ぶ約束をすれば一緒に街へ出かけられるじゃないですか」

「それも……そうだな。よし、早速今から手紙を出すぞ!」


 それから暫くしてセラから手紙が来た。文通を快く受け入れてくれ手紙のやり取りが始まった。最初は堅苦しかった文面もやり取りをしていくうちに柔らかくなっていき、今では自分の感じた事、考え方を

言い合える仲になっていった。


 絶対に君を手に入れる。そう思いながら今日も手紙を書いていく。


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