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21 和解

 お茶を飲み終わった後は大人と子供に分かれてそれぞれ交流することになった。アレーナとアデルはそのままお茶を楽しむことになり、オルフェとエディとセラはロティリアガーデンを散策することになった。


「セラ、疲れてない?」

「はい、だいじょうぶです。にいさま」

「疲れたら、すぐに言うんだよ」


 エディに言われて頷いた。その後は、三人で庭園を歩いていたがセラの様子が変わってきたことに気づいたオルフェが心配して話しかけた。


「どうしたんだい?セラ嬢。暗い顔をして……楽しくない?」

「オルフェさま……いいえ、でんか。このたびはほんとうにすみませんでした。なんとおわびすればいいのか」


 頭を下げ肩を震わせ怯えた様子のセラに、オルフェは初めこそ驚いたがすぐに優しい笑顔で、セラの頭を撫でた。


「セラ……大丈夫。セラのおかげで俺はこうして生きているし、どこも悪くは無いだろう?それにセラの機転で無事でいることが出来たんだ。だからセラがこれ以上気に病むことは無いんだ」

「ですが……」

「謝罪は今受け取った。もしまだ気がかりならこれから俺とずっと仲良くして欲しい。俺はセラに感謝している」

「わ、たし……わたしは……」

「セラ……今は辛いかもしれない。だけど陛下もオルフェも、もちろん王妃様も君に感謝しているんだ。オルフェが言った通り気がかりならその力を国の為人の為に使っていけば良い」

「はい……はい!」


 国王陛下であるアーレンにも謝罪はしたが、まだ心の中で(わだかま)りがあったがエディとオルフェのお陰で少し無くなった。その後涙が止まらなくなったセラにエディは頭を撫でてオルフェはセラを抱き締めた。




◇ ◇ ◇




「はい、これで目元を冷やすと良いよ。そのままで行ったら母上たちに心配かけてしまうからね」

「ありがとうございます」


 オルフェから濡れたハンカチを受け取るとそれを目元に当てた。ハンカチを当てるとひんやりしてとても気持ちが良かった。ハンカチを当てていると今度はオルフェが手をハンカチの上から(かざ)してきた。驚いて後ろに一歩下がるが手は翳したままだった。するとじんわりと温かさが伝わってきた。


「これで目の腫れは引いたと思うけど……うん、綺麗になったね」

「すみません」

「いや悪いのは私だから」


 そう言うとオルフェはセラの手を引いた。エディはその様子を恨めしそうに見ていたが、折角セラの気持ちが付いたのに水を差す訳にもいかず黙っていた。アレーナたちの下へ戻ると、戻るのが少し遅かった為心配されていた。


「あら?何か良いことでもあったの?」

「そんなことはありませんよ。少し話をしていただけです。ね、セラ嬢?」

「はい。いろいろとはなしができてよかったです」

「そう、なら良いのだけれど……ではそろそろお開きにしましょうか。セラちゃんまた会いましょうね」


 そう言うとアレーナとオルフェは城へと戻って行った。セラたちも二人が城に入るのを見送ると邸へと戻る為に馬車へと乗った。

馬車の中ではアデルが今日の出来事を聞いていた。


「殿下とは話が出来ましたか?」

「はい」

「それは良かったです。ちゃんとお話が出来たか心配でしたから」

「私が付いてますから平気ですよ」


 セラは疲れたのか、うつらうつらと眠そうにしていた。


「セラ疲れたでしょう。寝て良いのですよ」

「いえ、ねむくないです。おきてます」


 そうは言ってもやはり眠気に負けてしまい、そのまま寝入ってしまった。


「やはり眠ってしまったか…」


 ぼそっとエディがそう呟くと馬車に備え付けている毛布をセラに被せた。慈しむ様にセラの頭を撫でているとアデルが驚いた顔をした。


「あなたもそんな顔をするのですね」

「そんな顔?」

「そうですよ。そんな優しい顔をするのは初めてですよ。もちろんイアンに見せているのも優しいですが、それとはまた別の顔ですね。守りたいものが増えたからかしらね」

「母上……」


 エディは気恥ずかしくなり頬を染めた。その様子もまた新鮮でアデルはふふと笑った。セラが眠っているので馬車の中は静かになり自然の音だけとなった。


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