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13 交流

「ではセラまたの」

「あっ!わすれていました。これディランさんからおあずかりしたものです」

「おぉこれは……セラ、ディランに会ったのか。全く自分で来ず、セラに頼むとは……」

「ロティリアガーデンに老師と会う前に行って来たんです。その時にディランさんにお会いしまして」

「なるほどのぉ……」

「あの、それはなんですか?」

「うん?これはな、治療に使うものなんじゃ。ロティリアガーデンにしか手に入らない貴重なものでな。ディランにこれを頼んでいたんじゃ」

「そうなのですね」


 疑問が解けたことに満足し、アトスに別れを告げて部屋を後にした。


 邸に戻ると昼食が用意されていた。外の天気が良かった為、外のテラス席で食べることになった。料理は色んな種類が食べられるサンドウィッチだった。たまごにサラダにジャム、どれも美味しくぺろりと食べきれた。


「どれもおいしかったです」

「どれが良かったですか?」

「えっと……このレタスとトマトとハムが、はさまったのがいちばんおいしかったです」

「そうですか。また作って貰いましょう」


 紅茶を飲みながら一息ついているとエディが話しかけてきた。


「セラ。この後、散歩に行きませんか?ロティリアガーデンに行ったと聞きました。是非我が家の庭も見て下さい」


 そう言うとすぐにセラの手を引き庭園に向かった。初めは少し戸惑いを見せていたが、次第に自分の為にしてくれているので落ち着きを取り戻した。


「こっちのおにわもきれい……」

「ここは私たち自ら手入れしているんです。主に母上がですがね」

「かあさまが?」

「えぇ趣味なんです。ですので、セラも母上と一緒に手入れをしてみたらいかがですか?」

「やってもいいのですか?」

「えぇもちろんです。母上も喜びますよ」


 優しい笑顔を向け歩いていると後ろからイアンが走って来た。


「ずるいです!にいさま!ぼくもねえさまといっしょにいたいのに!」


 慌ててやって来たイアンの様子にエディと顔を見合わせ笑った。そんな2人の様子を見たイアンは頬を膨らませた。


「ひどいです。にいさま、ねえさま。そんなにわらわないでくださいよ!」

「はは、悪い悪い。で、イアンはセラと何をしたいんだ?」

「おへやでいっしょにカードゲームをしようかとおもっていたんです」

「カードゲーム?」

「いろんなあそびができるカードがあるんです!いきましょう、ねえさま」


 今度はイアンに手を引かれて邸の中へと入った。ある一室に入ると色んなものが置いてあった。


「ここは遊戯室になっていて様々な遊びが出来ますよ。こちらに座って遊びましょうか」


 テーブルがある席に座るとイアンがカードを置いた。


「ねえさまトランプしたことある?」

「トランプ?」

「トランプはねいろんなあそびができるんです。これでポーカーやりましょう!」


 トランプとポーカーの説明を受けると早速三人で遊び始めた。最初は慣れないセラの為に、エディがサポートしながら自分の手札も同時におこなう。


「Aのスリーカード!」

「フラッシュ」

「ワンペア」

「わぁにいさまにまけたぁ~」

「にいさま、そろいました!でもたくさんそろえるのってむずかしいですね」

「アランはまだまだだな。セラも何回もやれば強い役がきますよ」

「もっとやりたいです」

「では続きをしましょうか」

「こんどはぼくがかちます」


 その後、日が沈むまでトランプを楽しんだ。侍女と執事がやって来て、夕飯の準備が出来たと伝えに来た。それぞれ準備をする為に一旦自室に戻り準備をすることになった。


 準備が整い外へ出るとエディが外で待って居た。


「にいさま」

「一緒に食堂まで行こうと思いまして。迷惑でした?」

「そんなことないです!」

「では行きましょうか」


 廊下を歩いていると、アランもセラのことを待って居たのか自室の前で待って居た。三人で食堂まで行くと既にローファスとアデルが席に座って居た。


「早く座りなさい。頂きますよ」


 三人は急いで席に座った。席に座るとすぐに食事が運ばれてきた。昨日と同じようにセラには量が少なく栄養が高いものが配膳された。そのお陰で今日も食べ切ることが出来た。


毎日楽しく邸と城を行き来して過ごしていたが、ローファスと約束していた期間はあっという間に訪れた。


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