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●REC"俺の異世界物語"  作者: クー
1章 俺の無属性魔法
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7話 君との約束

「待って!!!!」


そう叫んだ時には屋敷のベッドの上だった。


「あの……リュウクくん、大丈夫?」


「あ、あぁ、大丈夫だ。」


どうやら俺は眠っていたらしい。

どれくらい経ったのだろうか。


「良かった……リュウクくん、3日も眠ってたから……」


「3日?!?!」


そう言うとレレはすすり泣きを始めた。


「お、おい、俺はちゃんと生きてるしなんも泣くことないだろ。」


「いいえ!先生として生徒は無傷で守り抜くものです!

それがこんな事になってしまって……

先生の失礼を許してね……?」


レレが俺のために涙を流してくれているのは、先生だからだそうだ。

いや、レミアもそこまで先生全うしろとは言ってないだろ。

危うく恋しかけるとこだった……かもしれない。


「先生まだ続いてたんだな……」


「リュウク!やっと目が覚めたって?

あなたまずはあの時どうやってあの量の矢をかわしたのか説明しなさい!」


突然、ララがそう言いながら入ってきた。

起きて第一声がそれかよ。ちょっと凹むぜ。

俺はあの時感じた感覚を全て話した。

ついでにさっき見た夢?のような話もした。

すると、


「信じられないような話ね。でも、もしそれが本当なら無属性にも魔法があるのかも……

この話はレミア様とルルにも話しておくわ。あなたは……」


「俺はレレに魔法について色々教えて貰おうかな。魔法の使い方とか分かれば、魔法を使える可能性が出てきたしな!」


「分かったわ。じゃあレレ、よろしくね。」


「任せてお姉ちゃん。私、リュウクくんの先生だから。」

こうして、レレ先生の授業が始まった。

まず魔法には階級があるらしい。

下から、下級、上級、準超級、超級がある。

自分の使える魔法の最高級が自分の魔法使いとしてのレベルとなるそうだ。

下級魔法はそれぞれの属性にちなんだ小さな魔法レベルのものを言うらしい。

超級にまでなると、国をひとつ消せるレベルのものもあるらしい。

もっとも扱える人がほんの一握りしかいないらしいが。

そして使える人も、使った後の反動が強いから使わない人が多いらしい。

なんじゃそれ。


そして魔力は使えば使っただけ増えると言う。

回復するときに上乗せされるらしい。

使いきってしまうと先程の俺みたいに瀕死になるらしいから限度はあるが。


「ちなみに私たちメイドはみんな準超級以上です。」


「それって凄いことじゃない?」


「準超級以上は王国内でも20人いません。」


「めちゃくちゃつえぇぇ!!!!」


彼女達の実力に驚いていると、


「リュウク。話があるの。」


レミアが入ってきた。


「どうした?……今回は何魔法か答えられるぜ?」


「冗談はよして。すごく大事な話よ。」


「オーケー。なんでも聞くよ。」


「ありがとう。実は私……命を狙われているの。」


「あぁー、命をねぇー、……って、ええぇぇぇ!!!!!!」


俺は驚きを隠せなかった。

実は国から追われる身とかなのだろうか……


「べ、別に悪い事したから狙われてる訳じゃないのよ??」


あ、あぁ、もちろんそう思ってましたとも。


「そ、そりゃそうだよな……レミアが犯罪とか起こしそうにないもんな……

で、なんで狙われてるか、理由聞いていい?」


「レミア様は、突然性格の変わった国王に他の王女たちと一緒にゲームに使われてるのよ。」


は???


「ゲームって、どういう事?」


「王はもう結構歳で引退を考えているのよ。

でも、王は娘しかいなくて不安だから強い子に王になって欲しいって言う名目のもと、王都近くに送り出したの。」


「なんで、それで命が狙われる話になるんだよ。」


「王は王女たちに懸賞金をかけたの。

命を狙われた状態でも、生きて行けなければ王にはなれないって。」


「なんだそのひどい話!!」


俺は酷く驚いた。

それは愛情の向け方が間違ってるとかそういう問題じゃない。


「今ララが言ったことは王都ではみんな知ってる常識なの。」


「なるほど……それでレミアが襲われた時も……」


誰も助けようとしないどころか、助けようとした俺を睨んで居たのか……


「大事な話はこれで終わりよ……気が変わった……?」


レミアが不安で泣きそう顔で俺をみる。

俺は優しく微笑み返しながら答えた。


「俺は無属性で、魔法も使えないかもしれないけど今決めた。」


「な、何を?」


「君を守り抜く。……この命に変えても。」


「「「「!!!!!」」」」

レミアはもちろん、周りのメイド達も酷く驚いた様子だ。


「な、な、なん、っ……」


「レミア。落ち着いて。」


「なんで、会ってまだ1日経ってないのに、そんなこと言ってくれるの……?」


その疑問は当然かもしれない。

そして、俺にも何故ここまで彼女の力になりたいのか分からない。

でも、レミアに初めて会ったあの日から何か運命的なものを感じているのかもしれないとは思っていた。

こいつが一目惚れってやつだろうか。


「俺にも分からないんだ。こんなの初めての感覚で……

でも……君を……レミアのためになりたいんだ。

その言葉は本当だ。自信を持っていえる。

君のために力を使わせてくれないか……?」


「っ!!」


レミアは言葉に詰まっている。


「……リュウクも…リュウクも、弱いんだから無理しちゃダメよ?」


じっくり時間をかけた後、涙目で、かつ、最高の笑顔でそう答えてくれた。


「おう!任せてくれ!」


「……リュウク、聞いてた?」


こう、周りの空気が軽くなったところで、ちょうど見計らったかのようなタイミングで、レミアの護衛の騎士、ヘルターが入ってきた。


「そろそろお昼になりますので、昼食と会議を始めましょう。」


会議??


「分かったわ。ありがとうヘルター。すぐいくわね。」


「では、食堂でお待ちしております。」


そう言って俺の部屋を出ていった。

お腹は空いているが(と、言うか3日も何も食べてない)、会議はよく分からない。


「ほら、リュウクも行くよ?

その……私を守ってくれるなら、リュウクも会議に参加してくれないと。」


そう言ってはずかしそうに笑う彼女に、俺は不覚にもドキッとした。

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