3話 メイドと王女様
俺は助けてあげた女性と騎士とともに女性の屋敷に向かっていた。
そして、彼女は王女なのだそうだ。
「わたしはレミアって言うの。よろしく。」
「俺はリュウク。よろしくな。」
「私はヘルターと申します。以後、お見知り置きを。」
ちなみに彼女がタメなのは俺がタメでいこうと言ったからだ。
騎士さんは絶対にダメと言って聞かなかったけど。
さて、先程彼女、レミアは姫と言ったがどういうことか。説明していこう。
彼女はこのベリストロ王国の第三王女なのだそうだ。三人姉妹で今は訳あって別れて暮らしているそうだ。
騎士さんはベリストロ王国の中でも1位、2位を争うレベルに腕の立つ騎士だそうだ。
「それにしてもなんであんな街中で、誘拐事件起こそうと思ったんだ?あいつら…。」
あ、こっちの世界は警察おらんのかな。
「え!ご…ご存知ないの…?」
「え?なに?この世界だと誘拐は常識?」
確かに、助けた後の周りの視線が冷たかった気がする。
「いや、いいの…。忘れて…。」
「レミア様。恐れながら、リュウク様は命の恩人。それに、王国中の誰もが知っている事です。隠す必要はないかと。」
「え?いや、別に言いたくないなら言わなくてもいいけど…。」
そうしているうちに、屋敷が見えてきた。
流石王女の屋敷だけあってでっかい豪邸だった。
まじか、庭だけでも結構歩かないと行かんやん。
「リュウク、ここが私の屋敷よ。メイドが3人いるけど、みんないい子だから仲良くしてあげて?」
「うん。分かった。」
内心心臓が破裂しそうな程にバクバクだった。
まだここがどこかとか、ほんとに異世界転移しているのかとか、夢なのでは?とも思っているけど…。
メイドだぞ?
もう一度言おう。メイドだぞ?
異世界にきたら、誰もが生でみたいメイドだぞ?
今からご対面だァ!
「ようこそいらっしゃいました、リュウク様。どうぞ中へ。」
おぉ!!キタアァァ!本物のメイドォ!
「…リュウク様?どうなさいましたか?」
「え?い、いやぁ大丈夫、大丈夫なんでもない!」
何か気味の悪いものを見るような目で見られてしまった。
ごめん、メイドさん…。
いやぁしかしメイド服をしっかり着こなす美少女前に叫ばなかっただけでも褒めてほしいくらいだぜ。
メイド喫茶のメイドとは全然違う。
あれがおふざけに見えてくる。
メイド喫茶行ったことないけど。
ここでメイドさんの名前を紹介しよう。
さっき迎えてくれた子が、レレだ。
レレは猫耳の16歳の女の子だ。
髪の色は水色…かな?瞳も同じ色だ。
髪型はショート。
レミアとはまた違った感じだな。
2人目はララだ。
ララはレレと双子だそうだ。
彼女も猫耳で髪の色は黄緑色だ。
ララもショートで、すごくかわいらしいが、あんまり口は良くない。
けど、結構馴れ馴れしいから俺にとっちゃ話しやすい。
3人目はルルだ。
ルルはレレとララのいとこだそうだ。
年齢は18歳。
年上らしくリーダーシップがあってしっかり者だ。
メイド長も務めてるらしい。
金髪のロングで、目の色が右が赤、左が金色だ。
こういうのなんて言うんだっけ…。
まぁいいや忘れた。
この子たちにもタメでいいよと言ったところ、レレとララはタメにしてくれたがルルは
「身分と言うものがありますので。」
と、少しお堅いみたいで。
「リュウク~。ちょっといい?」
「ん?どした?」
レミアに呼ばれて振り返るとかわいい顔から真剣なまなざしが向けられていた。
そんな改まった顔で見られると、結構緊張するんだけどぉ~!
「何そんなにびっくりしてるのよ。
あなたって何魔法がつかえるのかなって気になっただけよ?」
「あー、魔法ねー、って、えぇ!!この世界、魔法あんの!?」
「あんのも何も世の中の8割の人は魔法使えるわよ?」
「マジか…ん?そうか!
とうとう俺がここに送られてきた意味が分かったぞ!
ここで俺の隠されし魔法が爆裂する流れだぁ!!
あ、ちなみにレミアは何魔法?」
「こっちから質問してたのに…もぉっ!
私は…無属性よ…」
ん?無属性って弱いのの定番じゃなかったっけ?
「それって…どんな魔法がつかえるの?」
差し障りないちょうどいい感じの返しをした。
「っ!だからぁ!私は魔法が使えないの!」
おっと、これはこれは失礼なことを聞いてしまった…
「そういうリュウクは何魔法なの!」
「…その…どうやって何魔法とか分かるの…?」
「え?」