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悪食は最強のスキルです!  作者: 紅葉 紅葉
第四章 名もなき竜編
79/88

第79話

更新がだいぶ遅くなって、毎回謝ってばかりで申し訳ないです。


ということで、これからちょっと自分を鍛えるためにも、ほぼ每日更新をしていきたいと思います。

目標は1週間で最低4話の更新です。


よろしくお願いします!


「レントいるー?」


「ジェリダ!? おまっ、どんだけ顔出さないんだ! お前が来ない間色々と大変だったんだぞ!!」


 ジェリダが錬金術ギルドを訪れ、レントを呼んだ瞬間、バタバタという足音とともにレントが奥の部屋から出てきた。遅れてピオも出てくる。


「お久しぶりだね。有名な冒険者になると忙しそうだ。ちなみに、レントが言ってる大変だった内容聞きたい?」


「ほったらかしにしてたのは悪かったけど、そんな怒ること? 私がいない間に規模は拡大してるみたいじゃない」


 そう、ジェリダはここに来るまでの間に、町で錬金術ギルドの販売するポーションの噂をその耳(・・・)を使って集めていた。二人はジェリダがいない間に何人も人を雇い、ポーションの大量生産と販売を行っていた。ジェリダはこの事業を始めた当事者だが、その辺は別にどうでもよかった。安定して自分の元に収入が入ればいいので、後はレントとピオが好きにしていと考えている。


「それが、まあ、予想はついていたんだけど、レントのお父さんが動き出しちゃったみたいでさ……」


「レントのお父さんって確か」


「そう、錬金術ギルドの総元締め。これだけ派手に売り捌いてたら動くんだろうけど、まさかでレントと今回のポーション作りを言い出した者に召集をかけられてね」


 ピオがチラとレントの方を見る。レントは父親が関わるとすぐに機嫌を損ねる。ピオがレントの方を見たときにはすでに腕を組んで不機嫌顔になっていた。


「二人揃って来いと言うから、お前が帰ってくるまで待てと送ってある。ま、俺はお前がいつまでも忙しくして、帰ってこない方が行かなくて済むからいいんだがな」


「またレントはそういうことを言う。もう子供じゃないんだから、割り切れよ」


 ピオはレントの額にデコピンを食らわせる。


「いっ! ピオ!!」


「ま、そういうことだから、レント引っ張って行ってきてくれないかな」


 デコピンを食らったレントはピオを睨んでいるが、ピオはどこ吹く風と、涼しげな表情だ。


「それはいいけど……。どこに?」


「錬金術ギルドの大本は王都にある。僕も一緒について行くからさ」


 ピオはレントのストッパーの役割をしてくれるらしい。ピオがついてくるならレントも少しは落ち着いていられるだろう。


「分かった。ただ、もう少しだけ待ってほしい。こっちも冒険者ギルドの方で待ってる返事があるから、その返事を待ってから動きたい。その返事次第じゃ、王都に行くのがもう少し後回しになるかもしれないけど、特に期限はないんでしょ?」


「うん。とりあえず王都に顔を出せばいいみたいだし。ただ、あんまり遅いと文句は言われるかもしれないけどね」


「そうならないように頑張ってみる。じゃ、私は様子を見に来ただけだから、帰るね」


「別に戻ってこなくてもいいんだぞ」


「こらっ! また!!」


 さっと拳を構えたピオの腕をするりと買わし、レントは奥の部屋に逃げて行ってしまった。


「ごめん…」


 ピオが申し訳なさそうに頭を下げる。


「いいよ。あんだけ抵抗するってことは、それだけ思うところがあるんだろうしピオが謝らなくてもいいよ。それじゃ」


 ジェリダはひらりと手を振って錬金術ギルドを出た。そんなに長居したわけではないので、まだルベル達は家に帰ってきていないだろう。先に帰って留守番していたホワイトウルフ達と遊んでいようと考えた。




 翌日、ジェリダの家に一通の郵便が届いていた。それは冒険者ギルドからだった。


「ジェリダ様、冒険者ギルドから郵便が。師匠と連絡がついたのでしょうか」


 ルベルが持ってきた手紙をジェリダは受け取る。ピリピリと破いて中を見る。数枚の用紙とともに手紙が入っていた。中に書かれた文字はとても簡潔なものだった。


『ジェニオと連絡がついた。こちらに来るのが難しいため、君からジェニオのいる王都に来てほしいとのことだ。ジェニオに会うための書類や王都に入るための証明書などは、ルベル君とセリオ君の分も一緒に入っている」


 中に入っていた数枚の用紙は王都で使う書類だったようだ。なくしてはまずいので、書類は鞄の中にすぐにしまう。


「手紙には何と書いてあったんですか?」


「王都に来いって」


 読み終えた手紙をルベルに手渡す。ルベルもさっと読んで一つ頷いた。


「なるほど。でも、セリオまで連れて行くんですか?」


「気を遣ってくれたみたいだけど、どうしようか。家を無人にするのは別にかまわないけど、昨日帰ってきたばかりなのに、また長距離の移動は……」


「俺も行く!」


 ジェリダの声を聞いていたのか、台所からセリオがお玉を持ったまま出てきた。


「俺も王都に行きたい。そのジェニオって人はルベルの剣の師匠なんだろ。俺もその人に強くなるために教えてもらいたい」


「村からここまでの移動でも疲れてたのに、またすぐに移動で倒れたらどうするんだ」


 ルベルはセリオの同行に反対のようだった。だが、セリオもなかなか引き下がらない。


「俺は平気だ! 次は二人のペースで進んでもいいから、俺も連れて行ってくれよ!」


「だから……!」


「いいよ。連れて行ってあげる」


「ほんとか!」


「ジェリダ様!?」


 二人から声が上がるが、ジェリダはビシッとセリオに人差し指を向ける。


「ただし、絶対に人に突っかかって行かないこと。セリオは頭にキたらすぐに怒って反論するから。それと、せめて年上の人には敬語を使う癖をつけておくといいね。まずは身近なルベルからでいいんじゃない? これができるなら連れて行ってあげる」


「わかった…」


「わかりました」


 にこりとジェリダが言い直す。セリオはぐっと詰まってから。


「…わかりました」


「うん、それなら連れて行けるね」


 そこで、ルベルはセリオの持つお玉でふと思い至る。


「セリオ、火はどうしてきた?」


「あっ!!」


 セリオはさっと青ざめて台所にバタバタとかけていった。そして、その日の朝食には、やや焦げてしまった肉が出たのだった。




 朝食を済ませた後、ジェリダ達はあセリオと一緒に錬金術ギルドを訪れていた。


「レントー、ピオー! ちょっと話しがあるんだけどー!」


 中に入るなりジェリダは大きな声で二人を呼ぶ。奥の部屋で人が動く気配がした。そして、ふらふらとした足取りでピオがドアを開けた。


「おはよう……。えらく早いね。どうしたの……?」


 まだ目を開けられないのか、目を閉じたままドアノブに支えられながら立っている。奥の部屋をのぞき込むと、まだベッドに潜ったままのレントの姿もある。


「昨日言っていた王都に行件の返事をしに来たの。ちょうど、私の用事も王都に来いとのことだったから、すぐにでも出発できるよ」


「ああ、王都……。ん? ああ! あの件ね! 分かった。こっちもすぐに準備ができるから、明日の朝には行けるよ。それでいい?」


 ピオは王都に行くという話しで一気に覚醒した。目もぱっちりと開いている。


「分かった。なら集合場所は北門でいい?」


「いいよ。足はこっちで用意する。王都に行くメンバーはえっと、一、二、三…? あれ、その子は新顔?」


 人数を数えていたピオはようやくセリオの存在に気がついた。セリオを上から下まで見定める。


「そう。冒険者ギルドから依頼された件で行った村にいた子で、セリオっていうの。冒険者になりたいって言うから連れてきたの。まあ、その辺は明日話すけど。ただ、この子はまだひょろっとしてるから、しばらくは冒険者と登録は見送って、体力と肉をつけさせるつもり。だから、何かあったときはこの子は待機」


「そっか~、セリオ君か。僕はピオ。よろしくね」


 ピオはセリオに視線を合わせるためにしゃがみ、右手を出す。セリオはまたしても自分を差別しない人間にまた出会い、少したじろいだ。だが、おずおずと手を差し出して握手をした。


「そうだ、いいものをあげよう。ちょっと待ってて」


 そう言ってピオは奥の部屋に戻っていく。なにかごそごそという音がしてから、あったという声が聞こえた。そして、戻ってきたピオがその手に持っていたのは懐中時計だった。セリオが不思議そうに首をかしげていると、その懐中時計をピオが開いて見せてくれる。すると、そこには普通あるはずの時計盤ではなく、緑と水色のグラデーションがかかった鉱石が埋め込まれていた。


「これね、僕が錬成したものなんだけどね、これには一度だけ君を攻撃から守ってくれる効果があるんだ。まあ、あんまりにも強い攻撃なら防げないんだけど、中程度なら防げるはずだから持っているといいよ。あ、ちなみに懐中時計仕様なのはかっこいいかなと思っただけ」


 えへへと笑いながら、ピオはセリオに懐中時計を手渡した。


「ありがとう、ございます…」


 セリオはジェリダに今朝言われたとおり、敬語を使ってお礼を言うことができた。ピオはにこりと微笑む。


「どういたしまして。早く強くてかっこいい冒険者になれるといいね」


 そう言ってピオは優しくセリオの頭を撫でた。


「いいの? そんな高そうなもの貰って」


「こんなの高くないよ。効果は一回きりの使い捨てだから、質としてはあんまりよくないんだ。もう少し腕のいい錬金術師なら、数回は守ってくれるものや大きな攻撃を受けても防げるものが作れちゃうそうだけど、僕はまだまだ未熟だから。でも、この子がそんな大きな攻撃を食らうことはまだ先でしょ? なんて言ったって君たちがついてるんだし」


「確かに僕たちが絶対にセリオを守ります。でも今回の王都行きは道中ぐらいしか危険はないと思いたいですが、セリオはまだ何も武器もないし身につけておいて損はないですね。大事にするんだよ」


 セリオはルベルの言葉にこくりと頷き、腰ポケットに懐中時計をしまい、鎖を腰のベルトにつないで落とさないようにする。


「それじゃあ、明日北門の前で」


「了解。レントは後で叩き起こして伝えておくよ」


「よろしく」


 そうして、ジェリダ達は錬金術ギルドを後にした。




次回は3月7日21時です。

そして、次から新章スタートです!

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