表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪食は最強のスキルです!  作者: 紅葉 紅葉
第三章 ダンジョン編
62/88

第62話

かなり短めです


 エルバートの一件があったため、周りの空気はあまりいいとは言えなかった。だが、今はダンジョンの調査中であり、団体行動中だ。例え、エルバートが気に入らないという者がいたとしても、それを前面に押し出していては連携が取れない。嫌な相手だろうと我慢しなければならないのが団体での行動だ。だが。


「デリク昨日は――」


「こっちに来るな」


 翌日、エルバートがデリクに謝罪をしようとしていたが、デリクはあからさまに顔を逸らしてエルバートから離れて行った。それを見たカルムとジェリダは溜息を吐いた。


「全く、何してんだかあいつは。謝罪ぐらい受け入れればいいのにな」


「少しは大人になったかと思ったけど、そうでもないみたいね」


 カルムは一番先に謝罪されていた。その次にジェリダの元に来た。あの程度の事なら二人はとっくに許していた。そのため、謝罪を受け入れたのだが、デリクはまだ怒っているらしい。

周りはエルバートが本物の王かどうか測りかねているようだが、その本物の王をないがしろにしているデリクはある意味大物なのだろう。平手打ちを食らわせたジェリダも含めて。


 他の者たちはあからさまに避けたりはしないものの、内心ではまだエルバートが足手まといだと考えている者もいるだろう。だが、エルバートはそれを感じ取っていても、あちこちの兵士たちに謝りに行っている。その間、ジェリオは朝食の準備を手伝うだけでエルバートに手を貸す事はしない。


 朝食をすませればすぐに調査を行う。この階層までは地図があらかた出来上がっているため、厄介な魔物に出会わない限りはスイスイと進む事ができる。この三階層でジェリダとデリクは地下四階の隠しダンジョン内に落ちたのだが、その割れ目を今回調査する事になっていた。


 隊を二つに分けて調査を行うが、ボスがいる部屋は入らないという事だった。この調査隊のメンバーは実力のある者達が揃っているが、ダンジョンのボスと戦うには経験が不足している。今回はあくまで調査なので、危険な事は極力避けるという事になっているのだ。


 隠しダンジョンの中に向かうメンバーがアイザックによって呼ばれ、隊が振り分けられる。以前そこに落ちたジェリダとデリクは当然、選ばれていた。そしてその中にカルムもメンバーに選ばれた。実力や経験の豊富な物を中心に編成されていく。


「最後に、ジェニオ殿とエルバートも隠しダンジョンの調査隊に加わる」


「えっ!?」


最後に呼ばれた二人の名前、特にエルバートに関して兵士たちの間からどよめきが生まれる。だが、エルバートはまさか自分が選ばれるとは思っていなかったのか、驚きの声を上げる。

エルバートの名前が呼ばれた時、デリクは盛大に眉をひそめた。何故エルバートが選ばれているのかと叫びたい気持ちをデリクはぐっと堪えながら。


(あらら。これはまた面倒な編成になったなー。ま、私はいいんだけどデリクは大丈夫かな?)


 ジェリダは嵐の予感を感じながらも口角が上がる。ジェリダはこの状況を少し楽しんでいた。




 隠しダンジョンにはフィルム渓谷を下りた時のように魔法を使える者が、使えない者を下まで降ろす。全員が降り終わるとやはり亀裂は獲物を飲み込んだ獣のように閉じてしまった。ジェリダやジェニオが光魔法を使って光の球をいくつか生み出す。それを浮遊させながらメンバー全体と通路を照らす。先頭には選ばれたこの隊のメンバーをまとめる隊長が立っている。


「他の先輩方ではなくまだ未熟な俺が隊長に選ばれた事を不思議に思いますが、一度このダンジョンを経験した者として隊を統率していきますので、先輩方、サポートよろしくお願いします」


 何と、この隠しダンジョンの調査隊隊長に命じられたのはデリクだった。割れ目を下りる前にアイザックから正式に隊長として命じられた。実力も備わっているし、これも経験だと周りの先輩兵士から温かく受け入れられた。副隊長にはカルムが選ばれ、共に経験を積ませるために選ばれたようだった。


「彼なら信頼も実力もあるようですし、隊長に命じられても問題なさそうですね。ほら、ああいった信頼と実力が周りを認めさせる事ができるというのが大切なのですよ」


「そんなの私は持てる訳がない。あの父上を超えるなんて……」


 ジェニオはエルバートにデリクはいい見本だと示したのだが、エルバートは隠しダンジョンのメンバーに選ばれたという事にまた委縮してしまっていた。これは中々重症だとジェニオは溜息を吐きたくなってしまった。




次は8月14日21時に更新です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ