表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪食は最強のスキルです!  作者: 紅葉 紅葉
第三章 ダンジョン編
54/88

第54話

 お久しぶりです。度々更新ができず、申し訳ありません。

 更新できなかった期間に大雨が降り、西日本が大きな被害を受けました。私も家が高知ですので、連日のように避難警報が鳴り響きました。皆さまお怪我はなかったでしょうか。

 今回はかなり短めですが、この部分をどうしても書きたかったので短いまま更新しました。

 久々にジェリダがダークな気がします。


 錬金術ギルドの二人に休息を言い渡した次の日、ジェリダは森の中に入っていた。朝食は既に済ませ、ルベルには薬草を摘みに行くと言って来ていた。だが、ジェリダが森に入った本当の理由は薬草摘みではなかった。


 ジェリダは魔法鞄の中から狼虎の肉を取り出した。鞄の中では時間の流れがないため、腐らない。そのため、狼虎の肉は鮮度を保ったままだった。


 ここ最近はワ国を狼虎から救い、ダンジョンを探索し、Aランク昇格を果たすという怒涛の日々を送っていた。そのため、中々ジェリダ一人になる事がなく、この肉を毎回食べ損ねていた。朝食を済ませているものの、新たな力を得られるかもしれない予感に、ジェリダは舌なめずりをした。そして、ジェリダはそのままの肉に喰らい付いた。


「んぐっ、……っ、うえ、まず……」


 以前の貧しい暮らしの中ならば、この肉も極上の味に感じたのだろう。だが、今はまっとうな人間の生活をしていたせいか、はたまた上級魔族の肉だからか、不味く感じた。それでもジェリダは咀嚼し、狼虎の肉を飲み込む。獣のように無心で肉を食らう。そして、最後の一片を平らげた時、体に変化が起きた。


「あ、がっ……!」


 ジェリダの心臓が大きく跳ねたかと思うと、体中を今までに経験した事がないような激痛が駆け巡る。


「ああああああああっ!」


 血管に血ではなく熱した油を流し込まれるような、体をバリバリと書き換えられているような凄まじい痛み。意識を手放そうにも、あまりの痛みに気を失うどころでは無い。喉を掻きむしりながら、ジェリダはその場でのた打ち回った。


 永遠に苦しむのではないかと思うような苦痛は次第に弱まり、最後には何事もなかったかのように痛みは消えた。


「はあっ……はぁ、げほっ……!」


 ジェリダは額に描いた冷や汗と涙を拭った。その時、ジェリダの視界の端に鋭く太い爪が横切った。


「っつ!」


 ジェリダは咄嗟に後退った。がさがさと落ち葉が音を立てる。。そしてジェリダは気が付いた。その爪は何か魔物が襲って来たのではなく、自身の手だと言う事に。


「この爪は……」


 まるで、獣の爪だった。いや、獣の爪以上に鋭利で魔力を含んでいる。手の形も少し骨ばった手となっていた。魔力も今までの魔力がちっぽけに感じる程に高まっているのを感じる。まじまじとジェリダは爪を見つめ、そして自身に起こった事を理解する。


 悪食のスキルには注意事項があった。それは、魔物などからはスキルの他にその身体的特徴なども得られるため、あまり魔物を食すると人間の枠から離れてしまうという事だ。つまり、ジェリダは狼虎の肉を食らい、その身体的特徴である魔物の爪を手に入れたのだ。


「は、ははは、あはははっ…! アハハハハハハハハハハハ!」


 ジェリダは森の中で一人、狂ったように笑いだした。


「これじゃまるで本当に化物になるじゃない! アハハハ! ――私にはお似合いのスキルね……」


 自嘲気味に呟くとジェリダは爪に意識を集中させる。このままではルベルがまたうるさくなる。どうにかこの爪を消す事が出来ないかと試してみる。意外にも、爪は意識をすれば簡単に元の手に戻すことが出来た。


 獣の手から人の手に戻ったジェリダは感触を確かめるようにして手を動かす。


「あぁ、またルベルにばれたら怒られるな……」


 そう、呟いてジェリダは森を後にした。




 次は7月20日21時に更新です。

 長い期間更新できませんでしたが、ブックマークが増えていて嬉しく思います。

 これからもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ