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悪食は最強のスキルです!  作者: 紅葉 紅葉
第三章 ダンジョン編
52/88

第52話

 前回も更新日を先延ばしにしてしまい、申し訳ないです。もうしばらく更新が遅くなると思いますが、ご容赦ください。


 ジェリダとルベル、それとトロイは南門から町の中には入らず、そのまま家に帰る事にした。アイザックが言うには報酬は明日という事なので、ランク昇格の合否も明日になるだろう。


認識疎外の魔法をトロイに掛けていると言っても、ジェリダ自身初めて使う魔法で不安な面もある。もし、トロイに掛けている魔法が町中で解けてしまっては大混乱が起きてしまう。それを防ぐためにも、門を通らずに帰るのがいいのだ。


 町中を見る事はできないが、トロイはホロルの町に行商に来た人々をきょろきょろと見ては瞳をキラキラと輝かせている。


「アノ、青イ色ノ果実ハ何ダ?」


「あれはルルイっていう果物。少し酸っぱいけど、美味しいよ。よくジュースにして売られてる」


 トロイは大量のルルイという藍色の果物を乗せた荷台を指さす。まるで小さい子供のようにあれこれと質問を繰り返す。それをジェリダは面倒がる様子もなく、丁寧に答えてやる。


「ジェリダ様、このトロイは連れて帰ってどうするんですか?」


「うーん、ホワイトウルフ達と一緒に番犬みたいにしてくれたらいいかなって。ま、ただ外にでて色んなものを見てみたいらしいから、自由にさせてあげようかなって」


「我ハ、自由ニ行動シテイイノカ?」


 二人の話しを聞いていたトロイは意外そうに問いかける。


「いいよ。私は最初からそのつもりだったし」


 トロイはその言葉を聞いて、コクリと頷くとまたキョロキョロと周りを見だした。その様子はどこか、照れているようにも思えた。




 家に帰宅するとホワイトウルフ達が尻尾を振ってジェリダ達を出迎える。子の辺りならいいかと、ジェリダはトロイに掛けていた魔法を解く。すると、いままで尻尾を振っていたホワイトウルフ達が一瞬にして耳を立て、トロイを吠えたてた。


「こら、トロイは新しい仲間なんだから吠えないの」


 ジェリダが言葉にするとホワイトウルフ達はすぐに静かになり、トロイに近づくとクンクンと匂いを嗅いでいる。そして、あらかた匂いを嗅ぎ終わると側を離れていく。どうやらトロイのことを認めたようだ。


「仲良くね」


 ジェリダはそう言って家の中に入る。トロイは家の中に入れない。そのまま辺りを見て回ることにした。


「あまり遠くに行かないように」


「分カッタ」


 ルベルの注意にトロイは素直に頷く。念のためにジェリダはもう一度認識疎外の魔法をトロイに掛けてやる。これで近くを通った者に驚かれる事もないだろう。のしのしと周辺の探索に向かったトロイを見送り、ジェリダとルベルは家の中に入った。




 家に久々に帰った二人は風呂に入ると軽くスープを作り、そのあとすぐに就寝してしまった。初めてダンジョンに入るという経験は様々な疲労を感じるものだったようだ。


 翌日、いつもならば朝早くに起きているジェリダやルベルだが、その日は昼近くまで眠っていた。最初に目が覚めたのはジェリダ。朝食を作っているとルベルが起きてきた。


「ジェリダ様すみません!」


「おはよう、ルベル。私も今起きたばかりだしいいよ。やっぱり疲労が溜まってたんだね。もうすぐ朝食ができるから食器を出してくれる?」


「分かりました」


 少し遅めの朝食を食べ終わると、出かける準備をする。ランク昇格の話しをギルド長のラドックに聞かなければならない。その他にもポーションの進捗を錬金術ギルドのレントに聞かなくてはいけない。


 まずは冒険者ギルドへ向かう事にした。中に入るとリリィが出迎えてくれる。


「ジェリダさん、ルベルさん! ダンジョンの調査からお戻りになったんですね!」


「昨日帰ってきました。ギルド長は奥にいますか?」


「はい。話は通っておりますのでこのままギルド長室へどうぞ」


 リリィが奥へ行く扉を開ける。二人は数日ぶりにラドックと面会する。


「ジェリダとルベルです」


「入っていいぞ」


 落ち着いたトーンのラドックの声が聞こえる。ジェリダがドアを開けて中に入ると神妙な顔をしたラドックが出迎えた。


「さあ、座ってくれ」


「はい」


 以前と同じようにソファーへと腰かける二人。二人が座るとラドックはすぐに話し始めた。


「まずは新ダンジョンの調査、よくやってくれた。私の思った以上の働きだったようで嬉しいよ。そして、ジェリダ君のAランク昇格の件だが――」


 ラドックはそこで一度言葉を切ると、フッと口元を緩めた。


「合格だ。文句なしの合格だよ。一緒に同行していた冒険者達も高評価だった」


「ジェリダ様! おめでとうございます! Aランク冒険者になるなんて流石です!」


 ルベルはまるで自分の事の様に喜ぶ。ジェリダは上手く喜びを表情に出せないが、心の中では大いに喜んでいた。


「だが、ルベル君は残念だがBランク昇格は見送らせてもらう。『多くの魔物を倒していたが、やはりまだまだ実力が足りない。気を配る事は素晴らしいが、剣の腕はまだ上達する。励め』とアイザックが言っていたよ」


「その言葉、しっかりと胸に刻みます」


 ルベルの昇格は先延ばしになってしまった。それでも、ルベルは残念がることなく、評価をしっかりと受け止めた。


「私からの話しは以上だ。ジェリダ君、君には今まで以上の活躍を期待する。そして、このホロルの冒険者ギルドからAランク冒険者が生まれるのは君で三人目だ。おめでとう」


「ありがとうございます」


 ジェリダは最年少Aランク冒険者として冒険者ギルドに登録されることになった。ジェリダはブレイブとジェニオに続くAランク冒険者となった。その情報はその日の内に冒険者達の耳に入り、噂となった。


この時期が一番大切な高校のテストなので、一週間の時間が空きます。

次は7月7日21時に更新です。

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