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悪食は最強のスキルです!  作者: 紅葉 紅葉
第一章 新米冒険者編
21/88

第21話

やっぱり、ジェリダのパラメーターがすごい事になりました。これに伴い、前の話しも随時変更していきます。

それと、パラメーターの表示に何がレベルアップしたのか、分かりやすいように『up』と表示するようにしました。こちらも随時変更していきます。


 ジェリダが炎の蛇を魔法陣へと向けた時、ドクリと心臓の跳ねる音が聴こえた。


「ぐああああぁぁぁぁぁあああ!!」


 魔法陣を焼き焦がすとブレイブと対峙していたドロテオが霧のように消え、魔法陣が消えた所から叫び声が上がった。そこには本当のドロテオが炎に身を焼かれていた。すぐにドロテオは魔術で炎を消すための魔法陣を展開するが、体のあちこちに酷い火傷を負っていた。


「くそっ……!! 子供如きが調子に乗るなぁぁああああ!」


 激高したドロテオは今までの飄々とした態度を一変し、部屋中に魔法陣を展開した。壁や天井に展開した魔法陣から大きな蛾、ファイヤーモスが飛び出した。


「ファイヤーモス! 二人とも口を塞げ! 鱗粉を吸えば喉が焼けただれるぞ!」


 いち早くドロテオの呼び出したファイヤーモスに反応したブレイブが、口と鼻を手で覆いながら警告する。このファイヤーモスは赤い、燃えるような鱗粉を絶えず周囲に撒き散らす。その鱗粉を吸い込めばたちまち、今のドロテオのように火傷を負う事になる。


(そんな事言ったって……!)


 ジェリダも袖で口を覆うものの、目や皮膚も守らなくては火傷を負ってしまう。


「アハハハハハハ!! 私にこんな醜い火傷を負わせたのだ! 貴様らも同じ目に遭えばいい! ヒャハッハッハハハ」


「まったく、どれだけの魔物虫の貯蔵があるのやら。〈スパイラルアブソープション〉」


 ジェニオが呆れ気味に呟くと、風魔法を使った。すると、突然、竜巻が発生して飛び回っていたファイヤーモスとその鱗粉などを巻き込む。


「〈ファイヤー〉」


 続いてジェニオは初歩の炎魔法を使う。だが、本来の威力は精々が焚火で起す火の大きさなのだが、ジェニオが呪文を発するとそれ以上の大きな炎が現れた。ジェリダの炎のようにジェニオの炎はフクロウの姿を取ると、竜巻の中に飛び込んだ。


「なっ、そんな馬鹿な!」


 ドロテオは驚愕の声を上げる。竜巻に飛び込んだフクロウの炎は、巻き込まれていたファイヤーモスとその鱗粉をごうごうと焼き尽くす。ジェリダの使う炎の蛇も同じ呪文、同じ魔法だが、その温度も規模も桁違いだった。


「すごい……」


 ジェリダは自然と称賛の声をこぼしていた。やがて、竜巻は小さくなり、収束する。後に残る物は何もなかった。全てのファイヤーモスとその鱗粉は焼き尽くされたのだ。


「さ、まだ魔物虫を出すかい? 僕は一向にかまわないけれど、さっきと同じ結果になるだけだと思うよ。そろそろ抵抗はやめたらどうだい」


「く、ハハハ! この私が! 貴様ら如きに捕まってなるものか!」


 ドロテオは最後の足掻きとばかりに再び魔物虫を呼び出す。今度は種類も大きさも様々だった。


「仕方ない。ブレイブ」


「ああ、分かってる、よっ!」


 ブレイブは床にも天井にも展開した魔法陣を踏みつけながらドロテオに迫る。魔物虫が行く手を阻もうと、毒張りや鱗粉、溶解液などを飛ばすが、ブレイブは意に介さず一気にドロテオに近づいた。


「ヒッ!!」


 ドロテオは魔物虫を盾に転移をしようとしていたが、ブレイブの余りの気迫に動けなくなる。


「もらったぁぁああああああ!」


「ギャァァアアアアアアア! 痛い痛いイタイイイィィイイ!! 私の腕があああぁぁああ!」


 ブレイブは大刀を八の字に回し、ドロテオの魔物虫を呼び出す元となっている両腕を切り落とした。ブレイブに、床に、壁に大量の血が飛び散る。ドロテオは目を限界まで見開き、自身の腕を落とされた激痛に絶叫する。そこにジェニオが炎魔法を唱え、瞬時に切断面を焼く。


「ヒギャアアアァァァアア! あ、あ、あ………………」


 限界を超えた痛みに、ついにドロテオはその場で意識を失った。だが、ドロテオが倒れたからと言って呼び出された魔物虫はそのままだ。ジェニオはすぐに先ほどと同じやり方で魔物虫を竜巻に絡め取り、その全てを炎魔法で焼却した。


「はあ、中々面倒な相手だったね。ブレイブ、怪我を見せて」


 体のあちこちに魔物虫の攻撃を受けたブレイブはあちこちが焼けただれたり、腫れたりと重症を負っている。その傷をジェニオが直ぐに回復魔法で治療する。


「あーあともう少しお前の治療が遅かったら俺は倒れてたね」


「ハハ、無理をさせて済まない。だが、ブレイブのお陰でこの男を捕らえる事ができてよかった。それと、ジェリダちゃん、君の機転のお陰でもある。本当にありがとう」


「いや、私は……」


 ジェリダはドロテオの本体が隠れていた魔法陣を消した以外、何もしていない。二人が来るまでは終始ドロテオに翻弄されっぱなしだった。


「だけど、この事は他言無用でお願いしたい。君達がこの男の何らかの企みに巻き込まれたのはあるが、どうか、誰にも言わずにいてほしい。ただし、ギルド長には報告しなくてはいけないからね。ギルド長には君の活躍を報告しておくよ。あ、あと。ルベルと獣人の子は僕の魔法で安全に家まで送り届けているから安心して。それじゃあ」


 それだけ言うとジェニオはしばらく目を覚まさないようにドロテオへ眠りの魔法を掛ける。そしてそのドロテオをブレイブが肩に担ぎ、その場を後にする。特にブレイブはいつもの軽口もないまま去って行く。残されたジェリダは戦闘の終わった部屋を見渡し、あるものに目を止めた。それはドロテオの両腕だった。


 あの二人はドロテオの腕をあのままにしておくつもりのようで、両腕をその場に残して言っていた。ジェリダは口角を上げた。切り落とされた腕に近づき、拾い上げる。そして、その腕に付いていた袖を取ると、地面に落とす。そして腕に齧りついた。


 口腔内に血の味が広がる。まだ腕の中にあった血液がボタボタと地面に落ちる。獣のようにジェリダはただ無言でその腕を喰らう。やがて、骨が見え、腕の半分を食べた所でジェリダは自身のパラメーターを確認した。


――――――――――――――――――――――――――――――――――

名前 ジェリダ

職業 魔法使い

種族 人間

年齢 13歳

称号 なし

LV 32

HP 804

MP 848

筋力 254

知力 153

体力 165

魔力 740

運 50

《パッシブスキル》

回避 LV 1

威圧 LV 2

剛腕 LV 2

手加減 LV 1

足音遮断 LV 1

索敵 LV 3 up

夜目 LV 2 up

聴覚強化 LV 3 up

無詠唱 LV 3 up

自己回復 LV 2 up

《アクティブスキル》

鑑定 LV 9

魔法基礎 LV 10

回復魔法 LV 9

死霊魔法 LV 8

付与魔法 LV 9

格闘術 LV 1

拳術 LV 2

護身術 LV 1

体術 LV 1

柔術 LV 1

投擲 LV 1

暗殺術 LV 1

短剣術 LV 2

回復詠唱 LV 1

神聖魔法 LV 1

白魔法 LV 1

黒魔法 LV 1

調教 LV 1

支配 LV 1

洗脳 LV 1

魔術基礎 LV 1

魔力感知 LV 1

隠蔽 LV 1

解析 LV 1

《固有スキル》

悪食 LV 10

――――――――――――――――――――――――――――――――――


「上手くいったみたい…。うーん、解析スキルのお陰かな。なんかパッシブスキルとアクティブスキルに分かれてる」


 ジェリダのスキル表示が変化していた。解析スキルはよりパラメーターを詳細にするようで、筋力や魔力なども分るようになっていた。それは初めてブレイブに会った時も、ブレイブが筋力や魔力について口にしていた。


「なるほどね~。解析は詳細まで分るようになるから、レベルを上げるのは必須になりそう。あっは、またいいスキルが増えて嬉しいな。あのドロテオが魔物虫を呼び出してた方法も気になるけど、ああやって操る事はちょっと便利かも。今度実験でもしてみようかな」


 ジェリダは新たに増えたスキルに上機嫌だった。そして、もう用はないとばかりにドロテオの腕を放り捨て、ジェリダもその場を後にした。





 ジェリダは家に帰り着くとすぐに二人の姿を探した。と、中に入ってすぐ、居間で二人は待機していた。


「ジェリダ様!!」


 扉を開けるとすぐにルベルはホッとした表情で駆け寄ってくる。そして、どこにも怪我などはしていないか確認する。


「どこかお怪我はないですか? あの男はどうなったんですか」


「どこも怪我はないよ。ドロテオの事は後で詳しく話すけど、アオイは?」


 ジェリダはルベルの背後を覗く。すると、申し訳なさそうにして項垂れてソファに座っているアオイが目に入った。


「アオイ、どこか怪我でもしたの?」


「すまない!!」


 ジェリダがどこか怪我をしたのなら治療しようと側に行くと、突然アオイは床に降りて頭を床に付けて謝った。あまりの事にジェリダは珍しく動転する。


「ど、どうしたの? どこか怪我でも――」


「私がこの家に逃げ込んだせいで、二人を巻き込む形になってしまって申し訳ない! 覚悟の上は私の処遇をどう扱ってくれても構わない! 奴隷として売ろうが、煮るも焼くも好きにしてくれ!」


 一度顔を上げたアオイだったが、再び頭を床にごんと打ち付ける。ジェリダもルベルも唖然としてしまったが、ジェリダはすぐにアオイの顔を持ち、顔を上げさせる。


「そんなに気にしないで。私たちは奴隷として売るなんて、そんな酷い事しないよ。アオイが無事でよかった」


 ジェリダはそっと、アオイを落ち着かせるように言葉を選ぶ。


「だがっ――んぐ」


それでもなお言い募ろうとしたアオイの口をジェリダは手で塞ぐ。


「色んな事がありすぎて今は混乱してるだろうから、とりあえず何か飲み物でも飲んで落ち着こうよ。ルベル、淹れて貰っていい」


「はい」


 調理場の棚に茶葉があったのを思い出し、ルベルに淹れるように頼む。多くの事がありすぎてアオイも混乱しているだろうと思い、お茶で一旦アオイを落ち着かせる事にした。


 ルベルが三人分のお茶を入れ終わる頃には、空が白み始めていた。



次は4月20日21時に更新します。

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