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kiss of death  作者: 風車
1/1

闇夜の月

「キミの事はよく知っているよ」


 唐突に現れた男は、その風体にそぐわぬ優しい口調で言う。


「通り魔に娘さんを殺されるまでは、熱心に教会に通っていたのにね。いやー、人って変わるもんだね。今やキミ自身が殺人者になるなんて」


「っ!」


 思わず息を飲む。一瞬、警察が自分に行き着いたのかとも思ったが、相手の異様な雰囲気にそれは無いと思い直す。

 白銀の髪に黒の衣を身に纏い。何よりその手にしている物は大鎌。農場で使うような代物ではなく、もっと別の…そう、命を刈り取るに相応しい禍々しさを感じさせる。


「一体何が目的だ!?」

 

 いや、目的は分かっている。相手がその得物を隠そうとしない以上、それを振るおうとしているのは明白なのだから。


「そうだね…直感で分かっているだろうけど、キミはここで死ぬ事になる。ただ、誤解しないで欲しいのは、今ここにキミが居る。それが異常な事であって、ボクはただそれを正しに来ただけなんだ」


 まぁ…と、疑問を投げ掛ける暇を与えず、男は言葉を続ける。


「今のは理由であって、目的じゃ無いんだけど」


「は…?」


「ほら、来た」


 刹那、鈍い金属音と共に火花が散るのだった。

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