贈り物の理由
「それでお気持ちは嬉しいのですが、なぜ私に下さるのですか」
「あー、ピアスだけじゃやっぱり心もとないから、ルシアにも魔具として持っててもらえたらなぁと思ったの」
こう言えば、たぶん毎日つけてくれる。
今までプレゼントしたのって、自室にしまってるのか、ちっとも身につけてくれないんだよねー。
お揃いのリボンの髪飾りとか超似合ってたのに。
「ツイデニかふすニモタップリ魔力ヲ込メタイノデスガ、るしあサン魔力余裕アリマスカ?」
さっきのピアスで、結構魔力をもらってしまったのに、さらに図々しいお願いをしている自覚はあるので、カタコトになってしまった。
愛おしそうにカフスを撫でていたルシアは、久しぶりにくだけた口調で答えてくれたのだ。
「いいよ、いくらでも。この身も心もすべてエマのものなんだから」
今日のルシアはなんかスイッチ入ってる。。
ううん、昔は割とこんなだった。
いつからか、主人と従者として距離をとろうとしてたけど、ルシアは一緒に遊んだり無邪気に笑ったりする普通の男の子だったのだ。
諦めずに優しくしてて、よかった!
私が拳を握りしめながら感激してると、ルシアが私を抱き寄せた。