従者のお説教
落ち着いたら、ルシアのお説教が始まった。
「学園では、授業で魔力使うんですから、ジャラジャラと魔具をつけたとしても、すぐに枯渇すると思いますが」
「、、おっしゃる通りでございます」
家庭教師に習っていた今までと、学園での魔力消費量とは比べ物にならないだろう。
入学試験の実技では、試験会場から出た後、魔力空っぽでふらふらだった。
ジャラジャラアクセサリーを付けて学園に通う悪役令嬢、ハマってるような浮いてるような。。
「あ、」
「ねえ、一緒に頼んでたアレもできたの?」
「人の話聞いてますか?まあ、届いてますが」
そう言うと、ピアスと同じくらいの大きさの箱を取り出すと、私に手渡してくれた。
ふたを開けると、ピアスより一回り小ぶりの石が二つついた、カフスボタンが入っていた。
「イメージ通り〜さっすが〜」
涙も乾いたし、笑みがこぼれる。
「サレニー候か、カナン様への贈り物ですか」
「まさか、パパはともかく、カナンになんて。誕生日プレゼント贈ったばかりよ?」
カナンは、婚約披露が延期になってから、向こうが寮に入ったりして、婚約破棄はしないものの延期したままの婚約者候補という、微妙な関係になっている。
家は向こうが格上だし、サレニー家からはあまり動けないらしい。 大人の事情はよく分からないが。
「これはルシアへの贈り物だよ」
そう言って、ルシアの右手を取り、カフスボタンを外すと、今は届いたばかりの新しいカフスボタンを付ける。
見立て通りよく似合う。
学園の制服のシャツに合うのも確認済みだ。
「学園で、私が何かやらかしそうになったら、この手でちゃんと止めてね」
そう言って笑ったら、なぜかルシアの方が泣きそうになって、笑ってくれた。
「この身も心もすべて捧げて、お嬢様に仕えますよ」
そこまで重くなくていい!
姉とその従者さんは、もっとビジネスライクな関係だよ!?