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従者の登場
つまりは、ゲームをなぞって悪役令嬢らしい学園生活を送るのか、ヒロインとの接触を避け、フラグを折りまくる人生にするのか迷っているのである。
「ヒロインって、とある貴族の初恋の人の孫娘ってだけでいきなり入学してきた庶民育ちな上に、名前髪型見た目選び放題だったから、この世界ではどんな人物か不明すぎる。。」
「入学式で、私にぶつかるってイベント発生させる子がそうなんだろうけど、うまくキレて罵れるかなぁ。。騒ぎにならないと寮長のマクラーレン様との出会い作ってあげられないし。。」
「8歳の時点ではエミリーもおてんば娘ってくらいだったし、沙耶も地味喪女だったし、悪役令嬢向いてないよ〜
私がやらなかったら、ゲーム補正で別な子が悪役令嬢やってくれたりしないかな、、」
部屋をノックする音がして、エミリーは我に返った。
「よろしいですか、エミリーお嬢様」
「どうぞ、ルシア」
ほとんど足音を立てずに入ってきた少年は、静かに一礼をした。